上場企業を筆頭に、ネットが普及した現代を生き続けている企業が、積極的に行っている施策であるデジタルトランスフォーメーション ( DX ) 。
DXについて取り組むことは、経済産業省も推進しているほど、重要なものになってきています。
しかし、一口にDXと言っても実際にどんなことをするのか分からない方も多くいることでしょう。
そこで本記事では、経済産業省も推進するDXの成功事例を7つ紹介していくとともに、実際に取り掛かる場合に必要になる知識などを含めてご紹介していきます。
これから自社へDXを始めようとしている企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
DXにおける成功はどんなもの?
DXにおける成功とは、どんなものを指すのでしょうか。それを知るためには、まずDXの概要とも言える部分を理解しておきましょう。
DXとは、IT技術を用いて企業に変革をもたらす取り組み全般のことを指します。( 詳しくは記事後半にて解説 )
IT化を行い、その技術革新を持って社内に共有し、社員とお客様共に豊かになる未来を描くために取り組むのです。ただ企業が売上を上げただけでは「 DXにおける成功とは言えない 」ということです。
DXの成功事例を7つご紹介!
ここでは、DXにおける成功事例をご紹介していきます。
①メルカリ
②ライザップ
③マイクロソフト
④日本コカ・コーラ
⑤大塚デジタルヘルス
⑥三井住友銀行
⑦小松製作所
どの企業も有名で、わかりやすくDXを推進し実現している企業です。
これから紹介する7社のDXの成功事例を見て、自社にもどのようにしたら活用できるのか是非参考にしてください。
①メルカリ
1つ目に紹介する企業は「 メルカリ 」です。
メルカリは「 フリーマーケットサービス 」と呼ばれることとなる、個人間取引が可能なアプリ制作を行なった企業です。
フリマ機能をネット上にいち早く展開した企業で、まだメルカリが流行っていない当時は、フリーマーケットではなく、オークションシステムが基本となっていました。
フリマアプリによってネットオークションを利用していない層を数多く獲得し、事業として大きな成功を収めています。
②ライザップ
2つ目の企業は「 ライザップ ( RIZAP ) 」です。
ライザップは「 顧客の様々な情報をデータ化 」し、運動による運動不足の改善や、食事コントロールによる生活習慣の改善など、幅広い分野で成功をした企業になります。
今までのフィットネスジム等のトレーニング施設には無かった、細かく多くの情報をデータとして管理することで、ユーザーが理想とする未来を実現するための手助けを行っています。
近年ではゴルフ事業にも力を入れていて、理想的なスィング、ゴルフクラブが当たって飛距離が一番伸びる場所などを計測。IT技術を用いて今まで出来なかった詳細な行動予測が可能になりました。
③マイクロソフト
3つ目に紹介する企業は「 マイクロソフト( Microsoft )」です。
マイクロソフトは、PCやビジネスシーンで必須ソフトであるOfficeシリーズを展開する企業で有名ですよね。行なったDXの内容は、Officeシリーズのサブスクリプション化( 定期購入 )です。
今までは買い切りソフトとしてパッケージされたOfficeシリーズを、ネットに繋ぐことでどの端末からでも使用できるようにしました。
「 パソコンにインストールしないといけなかった手間 」が省け、ネットさえあればどこでも利用出来るため、利用者、利益ともに数字を大きく伸ばしています。
④日本コカ・コーラ
4つ目に紹介する企業は「 日本コカ・コーラ 」です。
日本コカ・コーラはユーザーが定期的に自動販売機でドリンクを購入するとお得になる「 Coke ON 」というアプリを提供しています。
「 Coke ON 」は専用の自動販売機で商品を購入すると、1本毎に1つスタンプが加算され、15個たまるとドリンク1本分の無料チケットがもらえる仕組みです。
ユーザー側は利用すればするだけお得になります。
さらに、そのスタンプはアプリを活用する友人にも贈れるので、コミュニケーションにも一役買っています。
⑤大塚デジタルヘルス
5つ目は「 大塚デジタルヘルス 」です。
大塚デジタルヘルスは、「 MENTAT( メンタット )」という精神科の電子カルテにおける数値化出来ない情報を、自然言語処理技術を用いて整理、分析を行うデータ分析ソリューションになります。
今までは、直接電子カルテに書き込むことで医師が患者の状態を把握していましたが、MENTATによって幅広く治療に最適な解を見つけ出すことができる様になりました。
医療データの有効活用は、今まで治療出来なかった病の完治に向けて、非常に期待される内容となっています。
⑥三井住友銀行
6つ目に紹介する企業は「 三井住友銀行 」です。
三井住友銀行は、銀行に送られてくる要望や意見などのテキストをAIにより認識し、分類できるシステムを開発しました。
こちらの技術は、NECが独自開発した『 テキスト含意認識技術 』をベースにし、テキストデータを分析することで、自動で多くの意見や要望を、要約・分類しています。
今までは少ないスタッフが手作業で確認していたテキストベースの内容を、AIによる自動選別によって、既存サービスの改善がよりスピーディに反映出来るようになりました。
⑦小松製作所
最後にご紹介する企業は「 小松製作所 」です。
小松製作所は、「 KOMTRAX( コムトラックス )」と呼ばれる機械稼働管理システムを開発し、自社製品の建設機械、およそ30万機以上に導入しています。
KOMTRAXは、機械がある場所やエンジンの稼働有無、燃料の残量、日付毎の稼働時間まで、広い範囲での機械のデータをGPSを用いて取得しています。
大型建設機械とは言え、難しかった管理を製造元が徹底的に把握し、盗難による被害が劇的に減少しました。
DXを実際に取り掛かる際には?
DXに取り掛かる際に必要なことも存在します。
この章ではDXの導入に関する概要を解説していく他、導入時の注意点や、DXにおける課題点なども触れていきます。
DXの導入概要を解説
DXとは何か、導入に対しての概要は何か、についご紹介します。
DXについてですが、経済産業省では下記の様に定義し、DX推進を行なっています。
「 DX 推進指標 」における「 DX 」の定義> 「 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること 」"
記事の序盤では解説しましたが、『 IT技術を用いて企業に変革をもたらす取り組み 』のことを指します。
導入に関しては、実際に必要な以下の様な手順を踏む必要があります。
- 既存の業務内容のデジタル化を行う
- 様々な業務の効率化を行う
- 組織内データの共有化行う
- 最適化を行い、事業計画をブラッシュアップ
これらをまとめると「 業務の効率化、組織内共有、仕組みへと落とし込む 」までが導入概要です。
関連記事:DXってなに?意味や事例、現状と課題、導入方法も徹底解説
DX導入時の注意点とは?
DX導入時の注意点として「 単なるIT化で止めない 」点にあります。
DXの導入において大事な部分は「 IT化による技術革新とビジネスモデルの成長 」にあるため、アナログからデジタルへ移行しただけでは、DXを導入したとは言えないからです。
それだけではなく、DXを進める上でビジネスを牽引するための優秀な人材も必要になってきます。
他社製品を用いることで自社の技術革新を進めるのであれば、あまり必要ではありませんが、自社開発によって大きく成長するためには、エンジニアなどの人手は必要です。
『 計画し、意識を共有、人材を揃え、そして成長する。』この条件が揃うことでようやくDXの成功へと企業を導くことが出来ます。
DXそのものの課題点とは?
DXの課題は、大企業のレガシーシステムにあります。
デジタル技術の規模は大企業になればなるほど大きくなり、システムが大量のユーザーに広がるほどに複雑に進化してしまっています。
実際問題として、企業のIT予算の9割以上がレガシーシステムの維持管理費に充てられていると、経済産業省のレポートに記載されていました。
参考資料:D X レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~
日本は攻めるよりも守る方に資金を投入する傾向が強くあるため、レガシーシステムからの脱却が問題視されている、という根深い課題があります。
関連記事:DXの課題をより詳しく解説!解決法も紹介
DXの導入を行う理由
なぜDXの導入が必要なのか、その理由については経済産業省が発表した「 デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン 」に詳しく記載されています。
参考資料:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン
上記ガイドラインでは、次の様に語られています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
引用:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン
つまり、今後ますます発展していくネット社会において、デジタル技術を活用して会社をより成長させることが必要になってくる、というのも示しています。
今でも十分豊かになってきていますが、各企業のDXにおける努力によって、私たちユーザーに対して、更なる豊かさを提供することが求められています。
関連記事:導入を本格的に始めるための5つのステップ
まとめ DXの成功事例!
今回は、DXの成功事例や、DXにおける知識などについてご紹介してきました。
今後さらに加速していくネット社会に取り残されないよう、今からでもDXを通して社内のIT化を進めていくことが必要になってきます。
周りの企業がDXを進めていく中、取り残されてしまうと次世代で生き残ることはまず難しいです。
そうならないためにも、DXについて知識を深めてよりよい企業へと成長するために、一歩ずつ取り組んでいきましょう。