DX

【 解説 】DXとは?20個の具体例について

今回は日本企業がDXを導入し、ビジネスとして成功した事例を業種別に紹介します。成功事例集を見れば、DXとは何なのかが理解できるでしょう。具体例をわかりやすく解説するので、一緒に学んでいきましょう。

DX( デジタルトランスフォーメーション )とは?

DX( デジタルトランスフォーメーション )とは、デジタル技術を活用して企業がビジネスモデルを変え、大改革を起こすことを指します。

経済産業省が発表したガイドラインによると、DXは「 企業がデジタル環境の変化に対応し、デジタル技術を活用して、ビジネスモデルを変革し競争上で優位に立つこと 」だと示されています。

DXはIT化と勘違いされがちですが、大きく違います。IT化は目的で、DXは「 IT化 」を手段として使い、改革を起こすことだと考えるとスムーズでしょう。

日本では、早い段階でDXを導入し企業の改革に成功している企業がたくさんあります。成功事例を見れば、DXがどのようなものなのか、理解しやすいのではないでしょうか。

インターネット業の具体例

ここではインターネット業の事例を解説します。

  • 誰でも無料で商品を売買できる「 メルカリ 」
  • 数値化しにくい精神科医療をデータ化「 大塚デジタルヘルス 」
  • 月額で音楽が聴き放題「 Spotify 」

それでは、詳しく見ていきましょう。

誰でも無料で商品を売買できる「 メルカリ 」

「 メルカリ 」は、誰でも無料で商品を売買できるフリマアプリです。出品から落札、発送までをアプリで簡単に操作できるので「 オークションは難しい 」と考えていた層を取り込むことに成功しました。

SNSを見る感覚でショッピングができ、登録料も無料です。創業からわずか3年で100万ダウンロードを達成し、100億円の売り上げを記録しています。

メルカリは現在アメリカに進出。スマホ決済サービスの「 メルペイ 」などの新しいサービスを作りながら成長を続けています。

参照:メルカリ

数値化しにくい精神科医療をデータ化「 大塚デジタルヘルス 」

「 大塚デジタルヘルス 」は、電子カルテに蓄積されていた膨大なデータを分析。数値化しにくい精神科医療に活用する仕組みを作りました。

今まで精神科医療では、電子カルテは症状や病歴などの記録媒体としての機能に限られていました。しかし、IBMの人工知能技術を組み合わせることで非現実的と言われていた膨大なデータの解析が可能となります。

約9割がテキストデータの精神科のカルテを解析し、医療の質と効率化アップを目指します。

参照:大塚デジタルヘルス

月額で音楽が聴き放題「 Spotify 」

「 Spotify 」は、スウェーデンで誕生した定額音楽配信サービスです。2020年現在で、2億7100万人のユーザーがいます。

有料プランと無料プランがあり、「 LINE MUSIC 」「 Apple Music 」などの大手と差をつけたのが、無料プランだと言われています。無料プランは、広告で収入を得る仕組みです。

CD販売、ダウンロードなどの著作権収益が減少傾向にある音楽業界でしたが、ストリーミングにより売上高57%アップを達成するなど期待が高まっています。

参照:Spotify

飲食・美容・ファッション業の具体例

飲食・美容・ファッション業では以下の企業の取り組みが有名です。

  • 肌にぴったりのスキンケアが見つかる「 資生堂 」
  • 着るだけで身体の情報が見える「 グンゼ 」
  • 家にいながらオーダースーツを注文「 FABRIC TOKYO 」
  • 商品を店舗ですぐに受け取れる「 スターバックス 」
  • 並ばずに買い物ができる「 ユナイテッド・スーパーマーケット 」

それぞれ見ていきましょう。

肌にぴったりのスキンケアが見つかる「 資生堂 」

資生堂のDX推進部は、年齢、地域、ジェンダーなど個人の肌にぴったり合う体験の提供を目指しています。三越伊勢丹のECサイトと連携し、ライブ配信を行いながら商品を販売するプロジェクトを展開。

これをきっかけに、スタッフの販売意欲がアップし成功を収めました。

10年後の肌を予想して商品のアドバイスが可能になる肌測定アプリの「 肌パシャ 」など、デジタルを通して行うまったく新しい接客の未来を実現しようとしています。

参照:資生堂

着るだけで身体の情報が見える「 グンゼ 」

「 グンゼ 」は着るだけで姿勢、消費カロリー、心拍などの生体情報が見える衣装型ウェアラブルシステムを開発。肌着として日常的に着用することも可能です。

体のゆがみや癖を可視化することにより、姿勢の改善、ユーザーの比較や分析、情報をベースにした健康や美容のアドバイスに活かせます。肌着が取得したデータはスマートフォンに自動送信されるので、ユーザーが自分で身体の状態を見ることもできます。

参照:グンゼ

家にいながらオーダースーツを注文「 FABRIC TOKYO 」

「 FABRIC TOKYO 」は、家にいながら好きなタイミングでオーダースーツの注文ができます。店舗で測定したサイズはクラウド上で保存され、自宅に帰ってから数ヶ月後に注文することも可能です。

このサービスが若年層の男性に支持され、売上高は3年連続で200%アップを達成しました。さらに集めたユーザー情報を分析し商品開発を行っており、趣味、趣向に合わせたデザインの反映に成功しました。リピート率は業界平均の1.5〜2倍を記録しています。

参照:FABRIC TOKYO

商品を店舗ですぐに受け取れる「 スターバックス 」

「 スターバックス 」は、新型コロナウイルスの影響から、テイクアウトの需要に注目。専用アプリで注文と支払いを済ませておけば、店舗ですぐに商品を受け取れるサービスを展開しました。

サービス開始後から利用者数は3倍にアップし、行列の解消にも繋がっています。

ポイントが貯まる「 スターバックスリワード 」はLINEと提携。LINE PayでのチャージやLINEでスターバックスカードが作れるサービスを開始しました。現在会員数は470万人を突破しています。

参照:スターバックス

並ばずに買い物ができる「 ユナイテッド・スーパーマーケット 」

「 ユナイテッド・スーパーマーケット 」は、レジに並ばずに買い物ができるスマホ決済機能を導入。

購入したい商品のバーコードをひとつひとつアプリで読み取り、会計時に表示されるQRコードをリーダーにかざすことで買い物が完了します。

ネットスーパーで購入した商品を車でピックアップできるサービスや、3温度帯に分けられたロッカーでの受け取りなど、コロナ禍でも非接触で買い物ができるサービスを展開。現金に触れないスマホ決済の導入を進めています。

参照:ユナイテッド・スーパーマーケット

製造業の具体例

大手や中小企業の製造業でもDXによる改革が進んでいます。

  • 世界130ヵ国にある工場のデータを繋いだ「 デンソー 」
  • 単身高齢者をスマホで見守り「 日立グローバルソリューションズ 」

どう変化したかを見てみましょう。

世界130ヵ国にある工場のデータを繋いだ「 デンソー 」

「 デンソー 」は、世界130ヵ国にある工場のデータをひとつのクラウドに繋ぐプラットフォームを開発。需要に即対応できる生産体制づくりの強化や、生産設備の稼働状況をリアルタイムで分析することに成功しました。

新型コロナウイルスの影響でスタッフが全員リモートでの開発に移行しても、SlackやZoomでコミュニケーションを図り開発生産性は下がりませんダウンしませんでした。

新入社員の研修にもDXに関する教育をいち早く取り入れ、オンラインで学べるシステムを確立しています。

参照:デンソー

単身高齢者をスマホで見守り「 日立グローバルソリューションズ 」

「 日立グローバルソリューションズ 」は、遠方に暮らす単身高齢者をスマホで見守れる「ドシテル」をリリース。月額料金3980円から利用が可能です。

壁に取り付けられたセンサーが高齢者の在宅状況や活動量のデータを記録し、専用のスマートフォンアプリから確認が可能です。異変を感知した場合、すぐに家族に通知される仕組みです。今まで以上に単身高齢者に寄り添えるサービスとして注文が集まっています。

参照:日立グローバルソリューションズ

教育業の具体例

DXは教育業でも改革が進められています。

  • 解析データを使ったゴルフレッスン「 RIZAP 」
  • 好きな時間・場所で勉強ができる「 家庭教師のトライ 」

それぞれ見てみましょう。

解析データを使ったゴルフレッスン「 RIZAP 」

「 RIZAP 」がソニーと共同開発した「 RIZAP GOLF LESSON System 」は、解析データを使ったゴルフレッスンのプログラムです。

シュミレーター付きの完全個室でプロのトレーナーによるレッスンが行われます。レッスン料は12回で34万8000円と高額ですが、最初に設定したスコアが達成出来なかった場合は、全額返金される仕組みです。

今までのゴルフレッスンは、トレーナーの感覚による曖昧なものでしたが、スイングを可視化できるシステムを使い、目標達成までの期間の大幅な短縮に成功しています。

参照:RIZAP

好きな時間・場所で勉強ができる「 家庭教師のトライ 」

「 家庭教師のトライ 」は、生徒が好きな時間、場所で勉強ができる映像学習サービス「 Try IT 」を2015年にスタートしました。映像視聴中にスマホをシェイクするとそのまま教師に質問でき、質の高いオンライン学習ができます。

教育格差をなくしたい思いから、永久無料で映像コンテンツを提供し続けるサービスも行っています。「 Try IT 」のリリース後に、「 家庭教師のトライ 」は登録数100万人を突破。家庭教師や塾のサポートとしても利用されています。

参照:家庭教師のトライ

金融業の具体例

金融業では、以下の2つの成功事例をピックアップしました。

  • 健康になると保険料が安くなる「 住友生命保険 」
  • 顔認証の次世代ATM「 セブン銀行 」

それぞれ見ていきましょう。

健康になると保険料が安くなる「 住友生命保険 」

「 住友生命保険 」は、保険加入後の健康診断、運動などの健康を増進する活動を評価して保険料が減額される
「 Vitality 」を販売。

保険加入者の93%が健康を意識するようになったと回答しており、ユーザーの行動を変えることに成功しました。現在はDXに向いている人材の育成に力を入れており、知識、能力、資質を持った人材を集めています。

参照:住友生命保険

顔認証の次世代ATM「セブン銀行」

「セブン銀行」は、顔認証カメラを搭載した次世代ATMを開発。免許証やパスポートを読み取り、顔認証カメラと照合してできる本人確認機能が可能です。

本人確認書類とカメラの映像で本人確認が完了するので、ATMでの銀行口座開設ができます。不審な動きをカメラが感知すると、自動でコールセンターに通報される仕組みにも注目が集まっており、セキュリティー面の強化に期待ができます。

参照:セブン銀行

観光業の具体例

観光業のDX成功事例は以下の通りです。

  • AI添乗員が観光地をガイド「 JTB 」
  • イベントから乗客が多い場所を予測「 日本交通 」

それでは一緒にのぞいていきましょう。

AI添乗員が観光地をガイド「 JTB 」

「 JTB 」は、土地勘のない外国人旅行者のために、チャットボットが知りたい情報をサポートするスマホアプリ「 JAPAN Trip Navigator 」を開発。

北海道、関東、京都・大阪、九州、沖縄などの人気の観光地を対象としており、JTBオリジナルの100通りの観光プランから選べます。自治体や観光サービス関連企業との連携のほか、無料Wi-Fi、タクシー配車、レストラン予約などの機能も追加される予定です。

参照:JTB

イベントから乗客が多い場所を予測「 日本交通 」

「 日本交通」は、乗客が多い場所を予測する「 配車支援システム 」を開発。ドライバーの売り上げが先月に比べて20.4%もアップしました。

地図上に必要なタクシーの数と実際のタクシーの数が表示され、空車のタクシーが少ない場所が一目で確認できます。精度は94.1%と高く、人口動態予測、気象情報、交通機関の運行状況、イベント情報などが利用されています。

優秀なドライバーの走行ルートを分析することにより、利用客を見つけやすいルートも提供しています。

参照:日本交通

運輸業の具体例

運送業では、業務の負担を軽くする事がテーマです。

  • 作業時間を100万時間削減「 日本通運 」
  • 居眠り運転による事故を防止「 WILLER EXPRESS JAPAN 」
  • 乗客に最適化された広告を「 ダイナミックビークルスクリーン 」

詳しく見てみましょう。

作業時間を100万時間削減「 日本通運 」

「 日本通運 」は、単純作業をロボティック・プロセス・オートメーション化することで作業時間を100万時間削減することに成功しました。

工場では作業ロボットを導入し、経理やメール業務、通運業務では作業を自動化することで効率化を進めています。DX推進部とRPA推進部が協力し、各セクションで「 RPAマスター 」を養成。ルールやフォーマットの統一、業務の標準化に取り組んでいます。

参照:日本通運

居眠り運転による事故を防止「 WILLER EXPRESS JAPAN 」

「 WILLER EXPRESS JAPAN 」は、富士通が開発したウェアラブルセンサー「 フィーリズム 」を導入。センサーが眠りを感知すると、バイブレーション機能で運転手に注意する仕組みです。

さらに管理拠点からドライバーに休憩を促す連絡が可能で、居眠り運転による事故の防止に貢献しています。1年半「 フィーリズム 」を導入した事により、車両損傷による損失金額は74%もダウンしました。

参照:WILLER EXPRESS JAPAN

乗客に最適化された広告を「 ダイナミックビークルスクリーン 」

「 ダイナミックビークルスクリーン 」は、電車内に搭載されたカメラとIoT機器が、乗客の年齢や性別、車内の混雑状況、社内温度や湿度などのデータを収集。解析したデータをもとに、リアルタイムな情報を提供できます。

例えば、発生したばかりのゲリラ豪雨の情報を処理し、モニターに表示することも可能です。

今までモニターは、広告のインプレッション数のカウントは不可能でした。しかし、データをもとに表示された回数をカウントすることで、広告を誰がどの時間にどれくらい視聴したかを数値化することが可能です

参照:ダイナミックビークルスクリーン

具体例からDXを理解しよう

「 DXはIT化とは違う 」と言われても、いまいちピンと来ない方も多いのではないでしょうか?そんな時は、企業のDX成功事例を見るのがおすすめ。企業の取り組みを知る事で、DXとはなにかが理解できます。

成功事例を参考にすると、自分の仕事のどこを改善すればいいのかが見えてきます。よりイメージしやいので、デジタルの知識がない方への説明に最適です。

成功事例の中にはたくさんのヒントが詰まっています。具体例からコツをつかんで、DXを理解しましょう。

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