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NINJA SIGNとクラウドサインどちらを導入する?電子契約を徹底比較

2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響によって、多くの企業がリモートワークを実施するようになりました。そのなかで急成長しているのが「 電子契約システム 」です。

これを使えば紙の契約書でやり取りする必要がなくなり、オンライン上で契約を締結できます。

この電子契約システムのなかでも、とくに人気なのが「 NINJA SIGN( 以下、ニンジャサイン ) 」と「 クラウドサイン 」です。

その2つにはどのような違いがあるのでしょうか? 今回は電子契約システムの基本や「 ニンジャサイン 」と「 クラウドサイン 」の特徴などをご紹介します。

電子契約システムとは


「 電子契約システム 」の導入検討にあたり、まずはシステムの基本的な仕組みや機能、導入が推進されている理由を確認しましょう。

電子契約システムの仕組み

紙の契約書で契約締結することを「 書面契約 」と呼ぶ一方、電子データで契約締結することを「 電子契約 」と呼びます。

もともと電子契約は、電子データが紙の契約書に比べると改ざんしやすいことから、契約の有効性を示す効力が弱いとされていました。

しかし、2000年に成立した「 電子署名法 」によって、一定の基準を満たす電子契約は、書面契約と同等の法的効力をもつようになったのです。このような電子契約を簡単に実行できるシステムが「 電子契約システム 」です。

電子契約システムでは、PDF形式などで作成した「 電子データ 」で契約締結できる仕組みになっています。そのため、書面契約のような紙の契約書の作成や印刷、郵送などの手間がかかりません。

また、電子契約システムでは「 電子署名 」と「 タイムスタンプ 」を使って、契約の証拠性を示す仕組みです。よって、紙の契約書に署名押印をする必要がなくなり、よりスムーズな契約締結を実現できます。

電子契約システムの基本的な機能

電子契約システムの代表的な

基本機能は、次のとおりです。システムによって、備えている機能は変わります。

電子署名機能

「 電子証明書 」と「 タイムスタンプ 」を発行することで、間違いなく本人が署名した事実を証明する機能のこと。

本人確認書類を用いて発行される「 電子証明書 」は、書面契約における「 印鑑証明 」のようなもので、電子契約の安全性を高める。

一方、署名や送信日時などを記録して、電子文書に対して行われた操作日時を記録する「 タイムスタンプ 」は、書類の改ざんを防止する役割がある。

テンプレート利用機能

契約書を毎回ゼロから作成する手間を省く機能のこと。弁護士など専門家監修済みのテンプレートを利用したり、過去に作成したテンプレートを登録したりできる。

ワークフロー機能

あらかじめ設定しておいた承認ルートに沿って、システム上で申請・承認を行なえる機能のこと。

原本保管機能

Webシステム上で作成・スキャンした契約書データを保管できる機能のこと。契約書内容を確認したいとき、膨大なデータから検索しやすくなる。

進捗管理機能

契約締結にかかわるメンバーの進捗状況を確認する機能のこと。契約期限が迫っていたり、承認作業が滞っていたりする場合、メンバーにアラートで通知できる。

セキュリティ機能

機密情報にあたる契約内容が外部に情報漏えいしないよう、「 暗号化 」や「 IPアドレスの制限 」などの方法でセキュリティ対策を行なう機能のこと。

情報登録機能

自社や取引先の基本情報を登録することで、契約手続きをスムーズに行なえるようにする機能のこと。

システム連携( API )機能

ほかのWebシステムとの連携を行なう機能のこと。

電子契約システムが推進される理由

電子契約システムを利用することにより、いくつかのメリットが得られます。そのため、コロナ渦によるリモートワークの普及に伴い、電子契約システムの導入が推進されています。

メリットの1つが、書面契約で行なっていた作業をオンライン上で完結できることです。書面契約の場合、やり取りする紙の契約書を印刷・郵送したり、捺印のためにわざわざ出社したりしなければいけません。

一方、電子契約の場合、すべての作業をオンライン上で完結できるため、そのような手間がかからないのです。また、テンプレート機能やワークフロー機能を活用することで、さらなる業務効率化につながります。

コストカットできることもメリットです。電子契約を利用すれば、書面契約の際にかかっていた「 切手代 」や「 収入印紙代 」などが不要になるだけではなく、紙資源や保管スペースにかかるコストを削減できます。

契約書を印刷したり、郵送したりする人件費もかかりません。よって、コロナ渦の影響で出社する従業員が少ない企業でも、契約業務を滞りなく進められるでしょう。

関連記事:電子契約システム|導入メリットとおすすめサービス紹介

人気の電子契約システム2選

さまざまなメリットを得られる電子契約システムですが、とくに多くの企業から支持されているのが「 ニンジャサイン 」と「 クラウドサイン 」です。

その2つのシステムには、どのような特徴があるのでしょうか。それぞれ確認していきます。

ワンストップ契約サービス「 ニンジャサイン 」

株式会社サイトビジットが提供する「 ニンジャサイン 」は、弁護士が監修する電子契約システムです。主に3つの特徴があります。

1つ目の特徴が「 Google docsを利用したテンプレート登録 」です。

ニンジャサインでは、ニンジャサインにアップロードした「 契約書のひな形( Word形式 ) 」がGoogle Docsに変換され、テンプレートとして利用できます。

そのテンプレートに項目を入力するだけで、契約書を簡単に作成できる仕組みです。また、いつでもどこでも、複数名で契約内容を閲覧・編集でき、簡単に検索することもできます。

2つ目の特徴は「 最新のセキュリティ技術を駆使していること 」です。

機密情報も扱う契約書のやり取りでは、セキュリティ面にも配慮しなければいけません。ニンジャサインは「 IPアドレス制限 」や「 二要素認証 」などの措置を実施することで、不正アクセスから契約書を守る仕組みです。

ほかにもGoogle driveに利用されているAWSを使った「 データの暗号化 」や「 データのバックアップ 」を実施することで、契約書を強固に守っています。

3つ目の特徴は「 定額制で利用でき、契約書を無制限に送信できること 」です。

毎月、たくさんの契約書をやり取りする企業では、電子契約システムを使って送信できる契約書の数がとくに気になる部分でしょう。

その点、ニンジャシステムではFreeプランを除くすべての定額制のプランで、契約書を無制限に送信できます。

「 ニンジャサイン 」利用のメリット・デメリット

このような特徴のあるニンジャサインですが、利用することで次のようなメリット・デメリットを得られます。

メリット1:関係者であれば、どこからでも契約書を利用できる

Google Docsに変換された契約書は、関係者であればどこからでも閲覧・修正できるようになります。

よって、契約書の内容を変更したいとき、PDFでやり取りするときのように「 変更した契約書を送付して、確認後に送り返してもらう…… 」などの手間がかかりません。

また、ニンジャサインでは直感的なUIを採用しているため、自社の従業員だけではなく、はじめて電子契約システムを利用する取引先の担当者でも使いやすい仕様です。

メリット2:従量課金制ではない

定額制のニンジャサインでは、どれだけ契約書を送付しても料金が変わりません。

よって、契約書の数を気にせずに送付できます。毎月、たくさんの契約書を送付する必要がある企業にとっては、コストパフォーマンスに優れたシステムだといえるでしょう。

メリット3:1アカウントだけの利用料金が安い

1アカウントだけ利用する場合、ほかの電子契約システムの有料プランでは、月額1万円以上かかります。

一方、ニンジャサインの有料プラン( Lightプラン )に申し込めば、月額4,980円から利用できる仕組みです。かつ、定額制なので低コストで利用できます。

法人と同じくらいの経費をかけられない個人事業主にも、利用しやすいシステムだと思います。

デメリット1:ユーザー数が増えれば、月額料金が上がる

ニンジャサインは定額制で契約書を無制限に送信できる一方、利用できるユーザー数が限られています。ユーザー数が増えると、月額料金が上がる仕組みです。

デメリット2:支払い方法が2種類だけしかない

現在のニンジャサインの仕様では、「 銀行振込 」と「 クレジットカード( AMEX ) 」のみで支払いができます。

銀行振込は「 NP掛け払い 」で法人向けのため、個人事業主であれば「 法人 」と「 屋号 」が必要です。また、クレジットカードで支払う場合はAMEXだけに対応しています。よって、支払い方法がやや限られています。

デメリット3:Light以下のプランでは機能が限られる

ニンジャサインには、5千円以下で利用できるfreeプランとLightプランがあります。

ただし、これらのプランでは機能が制限されています。たとえば、「 テンプレート登録 」や「 権限管理 」を行なうことができません。また、送信できる契約書の数が月50通までとなり、複数人で作業を進めることができなくなります。

弁護士監修の電子契約サービス「 クラウドサイン 」

続いて、弁護士ドットコム株式会社が提供する「 クラウドサイン 」の特徴について確認しましょう。電子契約システムのシェア80%を占めるクラウドサインには、主に3つの特徴があります。

その1つが「 直感的に使えるUI 」です。デザイン面では2018年度の「 グッドデザイン賞ベスト100 」に選出されており、紙ベースの契約に慣れている人でも直感的に利用できます。

たとえば、契約書の作成画面では「 操作が必要な部分 」だけに目立つ色が使われているので、その部分を追って操作していくだけで契約締結できます。

2つ目の特徴は「 既存システムと連携できること 」です。スタンダードプラン以上を利用すれば、外部システムと連携できる仕様になっています。

そのため、外部システムを使った「 契約書のステータス確認 」などがしやすくなるでしょう。

3つ目の特徴は「 チャットサポートが充実していること 」です。困りごとがあれば、チャットで問い合わせることができます。しかも、その対応は迅速なので、急なトラブルが発生しても解決しやすいでしょう。

関連記事:電子契約システム「クラウドサイン」とは|評判・導入メリット

「 クラウドサイン 」利用のメリット・デメリット

クラウドサインを利用することで、次のようなメリット・デメリットを得られます。

メリット1:弁護士監修のシステムだから安心

クラウドサインを提供しているのは、弁護士検索法律相談のポータルサイトを運営する「 弁護士ドットコム株式会社 」です。

日本の法律に詳しい弁護士が監修しているので、安心して利用できます。また、合意締結した契約書の書面に「 弁護士ドットコム株式会社 」の名義で電子署名が付与されるため、契約書類の証拠力が上がる仕組みです。

メリット2:UI・UXが優れている

クラウドサインは、UI・UXに徹底したこだわりを持って開発されています。そのため、直感的に利用しやすいことが特徴です。

メリット3:電子契約システム市場での「 累計登録社数 」が多い

クラウドサインは、日本初の「 電子署名法 」に準拠したクラウド型電子契約システムとしてリリースされました。

市場では累計登録社数の1位を獲得(2020年3月末時点)し、上場企業をはじめとした多くの企業で利用されています。導入企業は10万社を超えているので、高いシェアを占める信頼度の高いシステムを導入したい企業に向いています。

デメリット1:送信する度に費用がかかる

クラウドサインは従量課金制のため、契約書を1通送信する度に200円(税抜)が発生する仕組みです。しかも、誤って送信した場合も課金されます。

たとえば、メールアドレスに不備があって未着だった場合や、書類内容に不備があって取り消した場合でも、料金が発生する仕組みです。そのため、使い方次第ではコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。

デメリット2:「 確認依頼メール 」の定型文を変更できない

クラウドサインで契約書を送信すると、送信先のメールアドレス宛に「 確認依頼メール 」が届きます。

その内容は「 氏名様( 会社名 )からタイトル名の確認依頼が届いています 」という定型文で、それを変更することはできません。

氏名や会社名には「 登録したプロフィール情報 」が反映される仕組みです。氏名や会社名を送信先に合わせて変更したい場合は、プロフィール情報をわざわざ変更する必要があり、手間がかかります。

デメリット3:スマートフォン・タブレットから書類の送信不可

現在のクラウドサインは、スマートフォン・タブレットから書類を送信できません。よって、外出先でスマートフォンなどから契約書を送信したい人には向いていないシステムだといえるでしょう。

「 NINJA SIGN(ニンジャサイン) 」と「 クラウドサイン 」を比較


それぞれに異なる特徴をもつ2つのサービスのうち、どちらを導入すればいいのでしょうか? 検討する上で必要となる「 機能面 」や「 コスト面 」などを比較していきます。

機能面の比較

まずは機能面(ファイル形式、API連携、ワークフロー機能)で、2つのサービスを比較してみましょう。

ファイル形式

やり取りできるファイル形式によって、契約書作成にかかる手間が変わります。PDF基準でやり取りするクラウドサインでは、Googleドキュメント上でテンプレートの編集ができません。

よって、契約書内容を変更したければ、変更後のPDFをアップロードし直さなければいけないのです。

一方、ニンジャサインではGoogleドキュメント上でテンプレート編集ができます。そのため、契約書内容に変更があっても、変更後のPDFをわざわざアップロードし直す手間がかかりません。

よって、契約書作成に手間をかけたくない企業には、ニンジャサインがおすすめです。

外部連携機能

自社でさまざまなWebサービスを利用している企業では、外部連携機能も気になる部分でしょう。ニンジャサインが連携できるのはSlackとGoogleのみです。

一方、クラウドサインではSlackやkintone、Salesforce、Boxなどの主要なサービスと数多く連携できます。よって、外部連携機能を重視する企業には、クラウドサインがおすすめです。

ワークフロー機能

ワークフロー機能が充実していれば、電子化された契約書をあらかじめ決められた手順(ルート)に従って処理できるので、業務効率化につながります。

ワークフロー機能を比較する上で、「 ワークフローの種類 」と「 承認ルートのテンプレート化 」に注目しましょう。

まずは、ワークフローの種類です。クラウドサインで利用できる「 承認機能 」では、社内の承認者を送信フローに含めなければ、契約書の送信ができないようになっています。

一方、ニンジャサインでは「 作成依頼 」「 レビュー依頼 」「 承認依頼 」の3種類に分けた、柔軟なワークフローの設定が可能です。

次に、承認ルートのテンプレート化を比較します。クラウドサインでは、契約者ごとにルート設定が必要となる一方、ニンジャサインでは承認ルートをテンプレート化できるため手間がかかりません。

これらを考慮すると、ワークフロー機能が充実しているシステムを導入したい企業には、ニンジャサインがおすすめです。

コスト面の比較

続いて、コスト面を比較していきましょう。まず、ニンジャサインの特徴は、定額制でサービスを利用できることです。

業界最安値ともいえる月額4,980円から利用できるプランもあります。また、「 契約書の送信 」を無制限で行なえるため、毎月の契約書の送信件数が多く、送信にかかるコストを抑えたい企業におすすめです。

ただし、ユーザーを1人増やすごとに1,000円がかかる仕組みなので、大人数での利用を想定している企業には向いていないと思います。

一方、クラウドサインの特徴は、月額料金のほかにも「 契約書の送信 」に料金がかかることです。契約書1通を送信する度に200円の送信代がかかる仕組みになっています。

よって、大量の契約書を毎月送らなければいけない企業には向いていないでしょう。ただし、全てのプランにおいてユーザー数は無制限なので、大人数での利用を想定している企業におすすめです。

その他、電子契約システム比較表

機能面・コスト面以外の部分でも、次の表を参考に2つのサービスを比較検討できます。

ニンジャサイン クラウドサイン
電子署名対応
電子サイン対応
タイムスタンプ ○( 有料プランのみ ) ○( 有料プランのみ )
テンプレート提供
テンプレート登録 △( 有料プランのみ ) △( 有料プランのみ )
契約書保管
信頼度 ○( 国内シェア1位 )
セキュリティ ・通信暗号化

・データ暗号化

・Googleなど大手企業のサーバーを利用

・通信暗号化

・データ暗号化

・ファイアウォール

導入事例 ・株式会社オールアバウト

・エンサムパートナーズ株式会社

・株式会社メルカリ

・RIZAP株式会社

「 NINJA SIGN( ニンジャサイン ) 」と「 クラウドサイン 」は、こんな企業におすすめ!

機能面やコスト面などで、ニンジャサインとクラウドサインを比較した結果、次のような企業におすすめできることがわかりました。

前項で表にまとめた内容を踏まえ、自社の状況に合ったサービスを導入しましょう。

ニンジャサインがおすすめの企業

  • 契約書作成に手間をかけたくない
  • ワークフロー機能が充実しているシステムを導入したい
  • ユーザー数が少ない
  • 毎月の契約書送信件数が多く、送信にかかるコストを抑えたい

クラウドサインがおすすめの企業

  • 外部連携機能を重視している
  • ユーザー数が多い
  • 毎月の契約書送信件数が少ない

まとめ

電子契約システムを導入すれば、契約締結の業務効率化につながります。

とくに、「 契約書作成に手間をかけたくない 」「 送信にかかるコストを抑えたい 」などの要望がある企業には、それらに応えてくれるニンジャサインがおすすめです。

操作しやすいシステムを導入して、契約締結にかかる手間を減らしましょう。