今回は、YouTubeストーリーの定義とよく似た機能との違い、視聴方法や配信者側の使い方と保存方法について説明します。効果的に使ってファンを増やしていくツールにしましょう。
YouTubeストーリーとは?
YouTubeストーリーとは、ある特定の配信者のみが作成および配信できる動画のことです。イメージとしてはInstagramの「 ストーリーズ 」機能に近いと思ってもらえればいいでしょう。
2019年に正式リリースされた比較的新しい機能で、今や大物YouTuberや人気配信者は積極的に活用しています。YouTubeストーリーを使いこなせば何らかのメリットがあります。そうでなければ有名人の方たちが積極的に使うことはありません。
つまり、本気でYouTubeを運用したいならYouTubeストーリーを軽視するのは厳禁となるわけです。
「YouTubeストーリー」と「ショート動画」の違いは?
YouTubeにはストーリーと同じ場所に「 ショート動画 」と呼ばれる動画も一緒に公開されています。30秒ほどの短い動画で縦長という特徴をもつ、一見すると同じものに見えるものですが実はまったくの別物。
ここでは、YouTubeストーリーと「 ショート動画 」の違いについてご紹介します。
チャンネル登録者数
YouTubeストーリーを使うにはチャンネル登録者数が大きく関係しています。残念ながら誰でも使える機能というわけではなく、これを使うには自信のYouTubeチャンネルの登録者数が10,000人以上という条件があります。
「 YouTubeだけで食べていくには最低10,000人の登録者がいる 」と言われるラインで、決して簡単にクリアできる壁ではないことを知っている人も少なくないでしょう。
それだけ本気で運営している人にだけ与えられる特別な機能と言えます。これこそが、YouTubeストーリーが限られた人にしか使えない最大の理由です。
対して「 ショート動画 」は、動画の配信元を見てみればわかりますが登録者数10人ほどのチャンネルでも配信できています。性質が「 スマートフォンで撮影した動画 」扱いなので誰でも利用ができるというわけです。
そもそもYouTubeストーリーが使えるチャンネルには、チャンネルの動画一覧の中に「 ストーリー 」というタブが現れるようになっています。今までストーリーだと思って使っていた人は、まったく違う機能だということを改めて頭に入れておきましょう。
7日で消えるか消えないか
YouTubeストーリーは公開してから7日後には、配信者がなんの操作をしていなくても消えてしまいます。これはバグでもなんでもなく、そもそも7日間しか公開されないというデフォルト設定だからです。
YouTubeストーリーが正式にリリースされる前からあったベータ版も同じ仕様なので、これは引き継がれた機能であるということになります。一方の「 ショート動画 」の方は、ただ撮影時間が短いだけの普通の動画と同じ扱いです。
できることは同じですが、こちらは1度公開されると配信者が削除しない限りYouTube上に残り続けることになります。扱いとしては「 スマートフォンで撮影した動画 」となるわけです。
また、YouTube Studioでの保存期間も、YouTubeストーリーは30日間と日数が決まっています。公開から消滅まで時間がないので、YouTubeストーリーを使う場合は注意しましょう。
YouTubeストーリーの見方
YouTubeストーリーを視聴するには、スマートフォンやタブレットのアプリで視聴する以外の方法はありません。ブラウザ版やパソコン版では視聴できないので注意しましょう。では具体的な視聴方法をご紹介しましょう。
タイムライン上にあるものをタップする
YouTubeストーリーはタイムラインに表示されるものをタップすれば視聴できます。
通常の動画とは違い、「 ストーリーとショート動画 」と書かれた場所にあるサムネイルを横向きにスワイプすることで動画を選択できるので、他の動画と違うことを覚えておきましょう。
通常の動画と違い、縦向きのタイムラインには表示されていないのでその点に注意が必要です。その理由は動画のほとんどが縦向きだからです。
YouTubeストーリーはスマートフォンで撮影した動画を、スマートフォンで編集し、スマートフォンからアップロードするもの。
対して普通の動画はその多くがパソコンからのアップロードであり、撮影のデバイスもスマートフォンに限らず外部のカメラやパソコン内臓のカメラと横向きが主流です。
当然縦向きのものもありますが、再生サイズは横向きの枠組みにリサイズされています。そのため、スワイプ方向に違いがあったり、動画の表示方法に違いがあったりするのです。
チャンネルから選択する
もう一つの方法は、YouTubeストーリーを公開している配信者のチャンネルから選択する方法です。タイムラインに登場する方法で探す場合もありますが、こちらのほうが見たい動画にすぐ行き着くことができます。
視聴したい配信者のYouTubeチャンネルに表示されるタブから「 ストーリー 」を選択すれば、公開されて7日以内の視聴できるYouTubeストーリーを選択、視聴することができます。
なお、「 ショート動画 」についてはこの限りではありません。この機能もアプリ版での操作限定です。
30秒ほどの短い動画であることと、ほぼすべてのYouTubeストーリーが縦向きであることから、基本的に縦向きで使うスマートフォンやタブレットに特化した機能とも言えます。
いずれの検索方法を使うにしても、YouTubeストーリーを視聴するにはアプリのインストールが必要です。これに当たって何かしらの会員登録が必要などの視聴者側の条件はないので、気になるYouTubeストーリーがあれば気軽にタップしてみましょう。
YouTubeストーリーの効果的な使い方
ここまでYouTubeストーリーを見る方法や使うための条件などをご紹介しましたが、配信者へのメリットはあるのでしょうか。実はYouTubeストーリーを使うことには大きなメリットがあります。
大物と呼ばれる配信者が、通常の動画と合わせて配信に力を入れている理由は、これからご紹介する特性を活かしているからにほかなりません。
7日という短い公開期間にも関わらず、一体どのような特性があり、それが配信者にとってどんなメリットがあるのでしょうか。
告知・宣伝
次回公開の動画を予告、宣伝するためにYouTubeストーリーを使用すると効果的、という特徴があります。カンタンに投稿できるYouTubeストーリーならではの方法でしょう。
本編の動画は、撮影する期間や編集する時間を総合すると、1本の動画を公開まで持っていくにはいくらかの時間がかかります。
本業にしていて時間に融通がきくのであれば話は別ですが、副業で公開している人や公開からまだ日が浅い人にとってはかなりの労力と時間が必要なのはおわかりいただけるでしょう。
その間に視聴者が離れていってしまう可能性もあります。YouTubeストーリーはそんな動画編集の空き時間を活用したり、視聴者離れを防止したりするために有効なのです。
この機能を使って動画作成中のシーンであったり、本編で使うカットを一部公開したりすることで視聴者は「 お、今作っているんだな 」となるため視聴者離れをある程度回避できます。
テレビ番組の予告CMのように使うことで、興味を持った新たな視聴者獲得も狙えるでしょう。30秒ほどの短い時間というのも効果的と言えます。
ニーズ調査
大きなチャンネルを目指すのであれば、YouTubeの利用者がどんなニーズを持って動画を検索しているのかは知っておく必要があります。そのために欠かせないのが市場調査。現実のビジネスでも、ネットビジネスでも顧客獲得には絶対必要なものです。
YouTubeストーリーは、7日で消えるなどの特異な面がありますが、コメントをつけられたり視聴回数を見られたりと、基本の機能は変わらずに使うことができます。
そのため、YouTubeユーザーの市場調査にはうってつけなのです。チャンネル規模がある程度大きくなってくると、新企画や新ジャンルでの動画の公開や別のチャンネルを開設を検討するケースもあるでしょう。
メインチャンネルを使うかどうかの違いになりますが、視聴者の新規開拓はYouTubeでマネタイズをするなら欠かせないチャレンジです。
そういった際に使いたいのがYouTubeストーリーの30秒という短い時間と視聴の手軽さでしょう。公開したい新ジャンルがどれほどのニーズがあるのかを知るために、短編の動画を公開し視聴回数やコメントを待つだけ。
もちろん、コメントに返信することもできるので、視聴者とのコミュニケーションを図ることもできます。この反応の大小を見て、動画を編集し直したり、内容を少し変えてみたりといろいろなアレンジに活用することができます。
この機能を使うまでにチャンネルを大きくする必要があるのでそれまでは手探りでしょう。しかしながらYouTubeストーリーを使うことで、新たに立ち上げるチャンネルや動画で、メインチャンネルほどの苦労をすることはなくなるでしょう。
もちろん、既存ユーザーとのコミュニケーションをして、スーパーチャットでの投げ銭収益につながるようなファンを育てるのもありです。
舞台裏公開
視聴者が意外と見たいのは、実は撮影の舞台裏だったりします。テレビ番組でも時折放送されたり、DVDのボーナストラックとしてついていたりする「 舞台裏 」や「 NG集 」はファンの心をくすぐるもの。
もちろんこれ一本で動画にしてもいいのですが、公開するならYouTubeストーリーで小出しにするのもおすすめです。
視聴者は配信者を憧れの目で見ていることもあるでしょう。「 この人すごい! 」「 完璧じゃないか! 」と思わせられるシーンは多いのではないでしょうか。しかし、彼らもまた人間。失敗しないことなどありえません。
また、実験系動画などであればその準備過程を考える視聴者はまずいないでしょう。そんな視聴者の普段考えないシーンにコミットできるのがYouTubeストーリーのいいところでもあります。
実際、大物YouTuberの中には、恥も外聞もなく「 舞台裏 」や「 NG 」をYouTubeストーリーを使って公開する人も少なくありません。このほんの少し見せる人間臭さが、ファンの心をグッと引き寄せることもあります。
このように普段見せない姿を、手短に公開できるのもYouTubeストーリーの強みと言えるでしょう。普段見せないところを公開するのは恥ずかしかったり勇気が必要だったりします。
その気持ちを無理に抑える必要はありませんが、思い切って公開することで思わぬ恩恵を受けられるかもしれません。
YouTubeストーリーの視聴履歴の確認方法と削除
便利な使い方ができるYouTubeストーリーですが、視聴履歴の確認と削除の方法は、普通の動画と違うため事前に確認しておく必要があります。
市場調査を目的とするのであれば必ずここは確認しておくべきポイント。視聴履歴の削除方法も知っておく必要もあるでしょう。
普通の動画はYouTube Studioで操作できますが、YouTubeストーリーは視聴の際と同じくYouTubeアプリからのみの操作になることを覚えておきましょう。
やり方はカンタンで、アプリ画面右上のアカウントアイコンをタップした時に表示される「 設定 」を選びます。そしてそこに表示される「 履歴とプライバシー 」タップで開く一覧から「 すべてのアクティビティを管理する 」で完了です。
これで視聴履歴を確認することができます。ちなみに表示方法は「 動画を視聴しました:チャンネル名 」となり、視聴回数と視聴時間の2点になります。
視聴履歴を削除する方法は「 すべてのアクティビティを管理する 」画面右上の「 ︙ 」をタップして表示される「 削除 」をタップするだけです。
くれぐれも他の動画とは操作方法が異なることを忘れないでください。
YouTubeストーリーについたコメントの保存先は?
YouTubeストーリーが使えるようになれば今まで以上の人気を博すことができるかもしれません。しかし、気になるのは動画の保存期間の短さ。
視聴者側は7日間、配信者側でもYouTube Studioで30日間と、なかなか融通が利くとは言い難い時間設定になっています。この間についたコメントなどは、一体どうなるのでしょうか。残念ながら、30日以上の保存はできません。
つまり、30日以内に分析をしたりしなければ、せっかく取れたデータや新規開拓のヒントを失ってしまうことになります。もしどうしても残しておきたいのであれば、別の文章データに残すか、スクリーンショットで保存するようにしましょう。
取れたデータは配信者だけのもの。十分に活用するために、YouTube Studioに保存されている間にめぼしいコメントなどは保存しておくようにしましょう。
まとめ
YouTubeストーリーは、それ単体でマネタイズできるものではありません。しかし、マネタイズにつながるような市場調査やファンの獲得には一役買ってくれるような非常に使い勝手のいい機能と言えます。
本気運用をしてYouTubeで食べていきたいのであれば、迷わず使うことをおすすめします。各種制限があり、利用できるようになるまでのハードルの高さもあります。
しかしこの機能が使えるようになったということはそれだけYouTubeでの人気も高まっているということ。視聴者の期待に応えるためにもぜひ使いたいですね。視聴者側は、7日間のみ公開というプレミアム感あふれるYouTubeストーリーをぜひ楽しみましょう。
普段見られないような配信者の素顔を見られるかもしれませんよ。手軽に撮って手軽に配信。でも得られる成果は別格のYouTubeストーリーをぜひ活用してYouTubeマネタイズをより本格的にしていきましょう。
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