みなさんはドメイン、そしてSEOについてどのくらい知っているでしょうか?
サイトを運営する上で、SEO対策を行っている人は多いと思います。ドメインについても「インターネット上の住所」ということはご存知かもしれません。
この記事では、SEOとドメインの関係、ドメインについての知識を深めたいという方に、それらの関係性とドメインの決め方についてご紹介します。
今後のSEO対策でも活かせる部分があると思うので、ぜひ参考にしてみてください。
ドメインとは
冒頭でも触れたように、ドメインとはインターネット上の住所のようなものです。具体的には「http://○○○」の○○○の部分です。
インターネット上での住所というと、IPアドレスがその役割を担っています。しかし数字の羅列で分かりづらいため、ドメインとIPアドレスを紐づけることにより、ドメインとして表記されます。
サイトやブログを運営する上ではドメインは必須になります。
ドメインパワーとは
ドメインパワーとは、サイトが持っているドメインについているパワー、つまりそのドメインが検索エンジンからどのくらい評価されているかを表す言葉です。
ドメインパワーが強いということは、Webサイトが検索エンジンから高い評価を受けているということで、検索結果にもそれが反映されます。
ドメインパワーはSEOにとって、重要な項目の一つです。ドメインパワーが強いほど、そのWebサイトで新たに作成したページの検索結果も良い影響を受け、上位表示ができるようになる傾向にあります。
SEOとは
次に、SEOについて説明します。
SEOとは「サーチエンジン最適化」の略です。(Search Engine Optimization)
サーチエンジン最適化とは、検索エンジン(Yahoo!やGoogleなど)で検索結果の上位に表示されるよう、Webサイトを改善し、検索からの訪問数を増やすために対策を行います。
関連記事:【完全版】SEOとは?基礎知識から対策方法まで分りやすく解説
SEOの特徴
SEO対策の特徴は下記の通りです。
- 基本的に費用は無料で対策できる
- 効果が出るまでには時間がかかる
- 検索結果で1度上位に表示されると上位を維持しやすい
何故、SEOが必要か
SEOが必要な理由は、キーワードで検索した際に自身のサイトを上位に表示させるためです。
上位に表示されることでクリックされる可能性は高くなり、アクセス数の増加につながります。
会社などがサービスや商品についてのホームページを運営している場合、上位表示させることで、その会社のサービスや商品の利用者を増やすことができ、売上の拡大にもつながります。
ドメインパワーがSEOにおいて重要な理由
ドメインパワーが強いとSEOでは有利だと言われています。その理由は2つあります。
1つ目の理由はドメインパワーが強いほど、そのWebサイトで新たに作成したページの検索結果も良い影響を受けるためです。
これはサイト全体の評価が高い場合、新たに作成したページも同じレベルとみなされ、作成した段階で既に、一定の評価が得られていることになります。これがとても大きなメリットとなるのです。
2つ目の理由は、サイトやページが検索結果に表示されるのが早いためです。ドメインパワーが強いと、検索エンジンのクローラーが高頻度でアクセスします。
そのため、記事を公開してからクローラーに認識される時間が短縮され、すぐに検索結果に反映されます。
ドメインとSEOの関係
結論としては、ドメインの種類とSEOは直接的に関係があるわけではありません。
ただし、ドメインはユーザーの印象に影響を与える可能性があるため、メジャーで信頼性の高いドメインを使用するのが望ましいでしょう。
サイトを運営する際のドメインについて
サイトの運営の際に使用するドメインの種類もいくつかあります。
ドメインの種類①
ドメインは下記のように分けることができます。
http://www.abc.co.jp
jp トップレベルドメイン
co セカンドレベルドメイン
ちなみに「abc」の部分を第3レベルドメインと言い、「www」を第4レベルドメインと言います。右が一番大きな括りで、左に行くほど小さな括りとなります。
トップレベルドメイン
ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)
ドメインの分野を表しており、分野別トップレベルドメインとも呼ばれます。代表的なものは下記の5つです。
.com 商業組織用
.net ネットワーク用
.org 非営利組織用
.info 用途の制限なし
.biz 事業や企業などのビジネス用
国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)
国別に定義されたトップレベルドメインのことで、ccはcountry codeの略です。日本の場合は「.jp」となり、これは日本に住所があれば登録が可能です。
.jp 日本
.us アメリカ
.uk イギリス
.fr フランス
.cn 中国
セカンドレベルドメイン
ピリオドで区切られた文字列の、右側から2番目の部分のことです。
「http://www.abc.co.jp」というURLでは「.co」がセカンドレベルドメインにあたります。
一般的には、ドメイン名を利用する組織の種類や所在などを表していることが多いです。セカンドレベルドメインは下記のいくつかの種類があります。
属性型JPドメイン
属性型JPドメインとして分類され、組織の種類を表しており、以前はすべてのJPドメイン名がこの形式でした。末尾が「.jp」のドメインで、セカンドレベルが組織の種別を意味し、サードレベルドメインが組織名となっています。
属性型JPドメインは下記などです。
co.jp 株式会社や有限会社などの企業
ne.jp ネットワークサービス
or.jp 財団法人や医療法人などの任意団体
ac.jp 大学などの教育機関
go.jp 政府機関
neドメインはネットワークサービスごとに取得できるため、複数のneドメインの所有が可能ですが、それ以外のドメインは1組織で 1ドメインしか使用できません。
地域型JPドメイン
属性型JPドメインの後に地域型JPドメインが導入されますが、2012年に登録受付終了し、現在は廃止されています。末尾が「.jp」のドメインで、登録者の居住地をもとに、都道府県名、市町村名などで分類されていました。
汎用JPドメイン
「○○○.jp」のように、「○○○」に自由な名称でセカンドレベルドメインを登録できるドメインです。汎用JPドメインが運用開始されてからは、セカンドレベルに団体名や商標などを登録して利用できるようになりました。
属性型JPドメインの説明で述べたように、もともとJPドメインは「○○○.co.jp」や「○○○.ne.jp」など、セカンドレベルに組織種別を登録し、第3レベル「○○○」に名前(組織名など)を登録していました。
汎用JPドメインが導入されてからは、組織名だけでなく、商品名やイベント名などで登録されることも増えました。
都道府県型ドメイン
末尾が「.jp」ドメインで、セカンドレベルドメインが登録者の居住地である都道府県名となっているもの。これは、地域型JPドメインに代わり導入されました。
ドメインの種類②
サブドメイン、サブディレクトリの違い
サブドメイン
「http://www.abc.co.jp」を例とした場合に、「http://aaa.abc.co.jp」というようにabc.co.jpの前に挿入される文字列によりドメインを複数に割り振ります。
「aaa.abc.co.jp」→このような文字列をサブドメインと言います。
具体的には下記のような例が挙げられます。
yahoo.co.jpに対してauctionやchiebukuroという文字列が挿入され、サブドメインとなっています。
Yahoo!JAPAN: https://www.yahoo.co.jp/
Yahoo!オークション: https://auction.yahoo.co.jp/
Yahoo!知恵袋: https://chiebukuro.yahoo.co.jp/
サブディレクトリ
サブディレクトリはディレクトリの下に作成されたディレクトリで、パソコンで使用しているフォルダのようなものです。ドメインの下(直下)に追加されます。
「http://www.abc.co.jp」を例にすると「http://www.abc.co.jp/aaa/」の/aaa/の箇所をサブディレクトリと言います。
具体的には「価格.com」が例として挙げられます。
パソコン: http://kakaku.com/pc/
家電:http://kakaku.com/kaden/
カメラ:http://kakaku.com/camera/
プロバイダ:http://kakaku.com/bb/
サブドメインはメインのサイトとは異なるテーマのページ、記事を作成したい場合、サブディレクトリはメインのサイトと同じテーマだがコンテンツを細分化したい、カテゴリ分けしたいという場合に使用するとよいでしょう。
独自ドメイン・共有ドメインの違い
独自ドメイン
世界に一つしかないオリジナルのドメインで、有料で取得すれば独占的に使用できます。
独自ドメインを使用するためには有料でドメインを取得する必要があり、またそのドメインでサイトを公開する場合はサーバーも必要になります。
共有ドメイン
サービスの運営会社のドメインを複数のユーザーで共有します。
ブログやホームページなどに登録すると使用できるものがほとんどで、ブログのサービス終了や、退会(解約)によって共有ドメインは使用できなくなります。
共有ドメインは無料のものが多く、コスト的には抑えられます。しかし長期的にWebサイトを運営することを考えると、独自ドメインの方が良いでしょう。
理由としては、維持費などのコストはかかりますが、サービス終了などでドメインの使用ができなくなることなどがないためです。
サイト開設、既設サイト移行、サテライトサイト作成時
どういう場合にどのドメインを使うか悩んでしまうかと思います。この項目では、それぞれの場合でどのようにドメインを決めるか、ご説明します。
新規サイト開設時
新規サイトを開設した場合、その新規サイトが既存のサイトと似たようなテーマで扱う場合はサブディレクトリ、異なるテーマを扱う場合はサブドメインを、全く新しいサイトの場合は新規ドメイン取得がよいでしょう。
また、新規ドメインを取得する際、自社のイメージを重視したいということであれば独自ドメインを取得するのがよいと思います。独自ドメインであれば、共有ドメインのように、サービス終了でドメインが使用できなくなるリスクがないためです。
既設サイト移行時
すでにサイトを運営していて、新しいサーバーに移行する場合、ドメインはそのまま使用するのがよいでしょう。先に述べたように、SEOの評価はドメインに紐づくため、良い評価であればそれを引き継いでサイトの運営ができるためです。
共有ドメインを使用していると、移行の際に引き継ぐことができず、同じドメインの使用ができなくなってしまいます。そのため、あらかじめ独自ドメインを取得することをおすすめします。
サテライトサイト作成時
サテライトサイトとは、SEOのためにメインとは別で作成するサイトのことです。メインで行うサイトに関連したサイトであれば、サテライトサイトからのメインサイトへの集客も見込めます。
例えば、メインでECサイトを運営していて、新しく取り扱う商品のサイトを作成するというような場合は、独自ドメインではなくサブドメインかサブディレクトリを利用するのが良いでしょう。
すでに取得しているドメインのSEOの評価を引き継げる、ドメインが同じためユーザーに認識してもらいやすいという利点があります。
一方、メインのサイトとは別のテーマや事業でサイトを作成する場合は、新たに独自ドメインを取得することが多いようです。
SEOの評価は引き継げませんが、メインと異なる層や幅広いターゲットに向けてSEOを行うのであれば別のドメインで行う方が効率的です。
ドメインの決め方
いざドメインを決めようと思った時に、どのように決めるか悩むこともあると思います。
ドメインが直接SEOに影響するわけではありませんが、分かりづらいドメインよりは分かりやすいドメインの方が好まれますよね。
具体的にどのような点に注意してドメインを決めると良いのか、紹介していきます。
信頼性の高いドメインを使用する
まずトップレベルドメインは、信頼性の高いものを選ぶのが良いでしょう。
信頼性の高いドメインとは「.jp」や「.com」、「.net」などです。「.com」は世界で最も使用されているドメインで、有名なWebサイトの多くが「.com」を使っています。Webサイトを閲覧する側からすると、信頼性が高いドメインの方が安心できるという部分はあると思います。
サイト名やサイトに関連するワードを使用する
第3レベルドメインは自由に決めることができます。サイト名や企業名などをそのまま使用するケースが多いですが、既にあるドメインの場合は関連するワードを使用しても良いでしょう。
食べ物に関する内容なら「food」、車に関する内容なら「car」などです。サイト名とドメインが同じであるとURLを見るだけでサイト名が分かり、ユーザーとしても認知しやすいのがメリットです。
シンプルで短く
URLが長いと、URLを手打ちで打ち込むときに困ることや、長すぎるURLの見た目が良くないため、ドメインは短い方が良いでしょう。分かりやすくて覚えやすいドメインにすることで、ユーザーに認知してもらえる確率も上がるはずです。
日本語ドメインを避ける
日本語のドメインは、覚えやすいという点ではメリットです。例えば「総務省.jp」などがあります。
ブラウザでは日本語で表示されますが、ブラウザ以外ではPunycode(ピュニコード)と呼ばれる英数字に変換して処理されているため、分かりづらい文字列になってしまいます。
そのため、SNSなどでリンクをシェアしてもらってもピュ二コードに変換され、見た目があまり良くないのです。ピュ二コードでの表示は長さも長くなり管理しづらいという点からも、ドメインは英数字にする方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
普段様々なサイトで目にしているドメインですが、ドメインの決め方でも工夫する点はいくつかあることがお分かりいただけたと思います。
これから、今後、サイト運営をされるという方はドメインの決め方や、どの種類のドメインにするかなどをSEOの観点からも考えて決めてみてはいかがでしょうか。
その際は、今回紹介したポイントを参考にしていただければと思います。