YouTubeの機能の1つ「 スーパーチャット 」を皆さんは利用したことがありますか。
今や誰でもYouTubeを使って世界に向けて自身の考えや価値観、音楽やアニメーションを発信できるようになりました。
視聴者側も「 こんな人いたんだ! 」「 次も見たい! 」と、チャンネル登録し、ファンになったチャンネルもあることでしょう。
数多くのチャンネルが存在するYouTubeでは、日常茶飯事でこのようなことは起きています。
ですが、「 この人を応援したいけどどうしたらいいの? 」と思う視聴者や、「 登録者ともっとかかわりたい 」と考える配信者が多いかと思います。
そんな双方のニーズを叶えてくれた機能がスーパーチャットなのです。
今回はそのスーパーチャットとそれについている投げ銭機能のお話と使い方、注意点とスーパーチャットにまつわる噂の真相についてお話しします。
スーパーチャットとは?
スーパーチャットは略称「 スパチャ 」とも呼ばれる機能で、ライブ配信でのみ使用できるチャット機能です。
YouTubeにおいて2020年現在、スパチャは配信者と視聴者をリアルタイムでつなぐ唯一の手段であり、配信を通して会話ができる方法でもあります。
このスーパーチャットのメリットは、配信者に覚えてもらうことができる、配信者に質問ができるという点にあります。
チャットといっても、同じ動画配信サイト「 ニコニコ動画 」のように画面に流れてしまうコメントではなく、一定時間固定されたメッセージを送ることができます。
しばらくはそのメッセージが表示されるわけですから、視聴者が配信者に対して「 私見てますよ!」というアピールができます。
また、スーパーチャットの現在の主流な使い方として、質問を配信者に投げかけ、それに配信者が答えるといったものがあります。
しばらくコメントが表示されるメリットを生かした運用方法と言えます。
投げ銭機能とは?
スーパーチャットは別名「 投げ銭機能 」とも呼ばれています。
投げ銭といわれてもピンとこないかもしれませんが、要するにチャットのコメントと一緒にお金を送れるという機能です。
「 投げ銭 」とは配信者に対して視聴者がお金を、チャットのコメントと共に投げるところからそういわれるようになりました。
コメント機能でも十分配信者としてはうれしいものですが、お金が送られてくれるとなお嬉しいもの。
もっとも分かりやすい支援の方法としてこの投げ銭機能があります。
投げられる金額は最低100円からですが、メッセージを固定するには500円以上の金額からになります。
チャットを送る場合にいくらの金額で支援するかを入力して、ステッカーを購入し、それを投げるというシステムです。
金額は任意ですが、どれだけその配信者を支援したいかという気持ちで変わるでしょう。
スーパーチャットを使うには?
スーパーチャットを使うためには視聴者、配信者ともに事前の準備がいります。
初心者でも使えるといいのですが、そういう訳にはいきません。
この章では両者に必要なスーパーチャットをするための準備について説明します。
視聴者の準備・方法
視聴者側のスーパーチャットの使い方はとても簡単です。
手順の説明に入る大前提として、YouTubeアカウントへの登録とログインを済ませておいてください。
関連記事:YouTubeアカウントの作成方法|メリット・デメリット
- スーパーチャットを送りたいライブ配信の画面を開きます。
- チャット欄の真下にある「¥」を押して、「Super Chat」を選択。
- 相手に支援したい金額を入力し、「 購入して送信 」を押して完了です。
もしこの時、配信者がスーパーチャットの機能を設定していないと、この画面にはたどり着きません。
その時には素直にチャットだけの支援にしましょう。
なお、この支払はクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、バンドルカード、ペイパルになります。
※コンビニ支払いやiTunesでの支払い、Google playギフトカードでは支払いができません。事前にクレジットカードを準備しておきましょう。
配信者の準備
さて、手軽に利用できる視聴者側に対して、配信者には設定以外の準備が必要です。
準備というよりはチャンネル環境の整備がいるのです。
実は配信者がこの機能を使うためには、事前に以下の4点をクリアする必要があります。
- 1000人以上のチャンネル登録者数がいること
- 過去1年間の動画の総再生時間が4,000時間を超えていること
- 18歳以上であること
- スーパーチャットが使える国在住者であること
下の2つは日本人で18歳以上であれば心配する必要がありません。
残りの2つは時間をかけて整備しなければならないため、同時にクリアできるようにコンテンツを増やしましょう。
では、これらをクリアしたとして、スーパーチャットの設定方法の説明に入ります。
ここで紹介する設定をしていないと、視聴者からの投げ銭を受け取れません。スーパーチャットの設定は忘れずにしておきましょう。
なお、この設定はYouTube Studioから行うため、こちらも注意が必要です。
- YouTube Studioで「 動画の管理 」を選択する。
- 「 チャンネル 」を選択し、「 ステータスと機能 」を選びます。
- 規約に同意した後に表示される必要事項を記入します。
これで完了です。
限定公開や年齢制限のある動画がチャンネルに存在していると、設定してもスーパーチャットが使えないため、これらの動画を削除してから設定しましょう。
関連記事:YouTube Studioで5Gの普及前に確認したい2つの数字
スーパーチャットの注意点
コメントで自分の存在を配信者にPRできるスーパーチャット機能ですが、知らないまま使っていると大損する可能性もあります。
また、受け取る側である配信者も「 これで簡単に儲けられる! 」なんて思わないでください。
本章で紹介する注意点をよく読み、いいことばかりではなく、問題点もあるということを忘れないでください。
金額によってコメント表示時間が違う
チャットのメッセージが固定できる特殊な機能が付いたスーパーチャット。
しかし、メッセージを固定表示するためには最低でも500円以上の投げ銭をしなければなりません。
また、この投げる金額によっても表示時間が変わります。
具体的なメッセージの固定表示時間と投げ銭金額の関係を一覧にまとめました。
投げ銭金額 | 固定表示時間 |
500~999円 | 2分 |
1,000円~1,999円 | 5分 |
2,000円~4,999円 | 10分 |
5,000円~9,999円 | 30分 |
10,000円~19,999円 | 1時間 |
2万円以上は1時間ずつ追加されます。
1日の投げ銭上限金額が5万円であり、最大で5時間チャットのメッセージを固定表示できます。
これならまず見られないということはありませんが、1動画につき1日5万円が上限なので、なんの考えもなく送ってしまうといつの間にか達してしまうこともあります。
また、ライブ配信の参加人数によってはわざわざチャットのメッセージを固定する必要がない事もあるでしょう。
支援のつもりがただの浪費にならないよう、使い方には十分注意してください。
返金不可
「 金額を1桁間違えた! 」、「 1回投げ銭をしたけどやっぱり取り消したい 」と思ったとしても、投げ銭機能は返金には対応していません。
やや不親切な対応ですが、今のところ改善される予定もなく自己責任になります。
投げ銭機能はファンが配信者を支援する目的で作られたいわば募金のようなもの。
主旨や内容に賛同してこの機能を使うわけですから、当たり前といえば当たり前なのですが、間違ってしまったら諦めるしかありません。
特にクレジットカードから入金する場合は注意が必要です。
デビットカードであれば残高以上の金額を使うことはできませんが、クレジットカードは青天井です。
スーパーチャットで投げ銭をする際は、デビットカードにあらかじめお金を用意をしておくのも対策のひとつになります。
もちろん、送信前の確認を怠ってはいけません。
取り分は全て配信者ではない
この後のお話にもつながりますが、送信した金額が全額配信者のものになるわけではありません。
どういうことかというと、スーパーチャットの金額の中にはYouTube側の手数料が入っているということです。
基本的に無料でほとんどの機能が使えるYouTubeですが、当然サーバー代などを回収しなければ運営はできません。
ましてやこれだけの巨大サイトなのですから、運営費用は膨大なはず。
そのため、スーパーチャットの投げ銭の一部を「 場所代 」として受け取っている訳です。
その割合は一般公開されていませんが、おおよそ配信者と運営の取り分は7:3と言われています。
すべてが配信者への取り分ではないので、配信者も視聴者も覚えておきましょう。
投げ銭の取り分「 7:3 」は本当か?
先に紹介した投げ銭の取り分「 7:3の噂 」
多くのYouTuberによって計算されたこの数字ですが、実は正解でもあり不正解でもあります。
どういうことかというと、それは支援するために使う端末がAppleを経由するか、しないかの違いで変わってきます。
少し前に別のアプリでも問題になりましたが、Appleのアプリには手数料がかかります。そのため、YouTubeの機能を有料で使う場合もその手数料の分が上乗せされているというイメージをもってもらえればOKです。
感覚としては20~30%ほど高いと持ってもらえればイメージできるでしょう。
例えば、黄色ステッカー( 1,000円のもの )のスーパーチャットですが、パソコン・Androidであれば1,000円なのに対し、AppStoreで購入すると1,220円となっています。
ここからAppleの手数料220円と、YouTubeの手数料300円をひかれると、配信者の実際の受取額は700円。
パーセンテージにすると約57%ということになります。
配信者はどの端末から送られているかは分かりませんが、視聴者側からすれば手数料がいかに負担になるかよく分かります。
このことから「7:3の噂」は正解でもあり、不正解でもあると言えるのです。
しかし、実はこれには抜け道があります。
それはブラウザからYouTubeを見ること。
AppStore経由のYouTubeアプリでは、AppStoreの手数料分が上乗せされるのであれば、それを経由しないSafariやChromeを使えば。手数料は発生しません。
これだけでAppleへの手数料支払いを回避することができます。
iPhoneやiPadなどのユーザーは注意しましょう。
スーパーチャットは収益化に有効か?
さて、配信者にとって気になるのは、「 スーパーチャットは収益化に有効かどうか 」という話です。
結論から言えば、下準備は大変であるけれどやる価値はあるというものです。
まず大前提としてこの機能を使うには、チャンネル登録者を1,000人以上にし、かつ動画の総再生時間を4,000時間にする必要があります。
この時点で大変な作業になりますが、この条件をクリアしないとスーパーチャットの機能設定すらできません。
まずはここから解決していきましょう。
そして、この収入が振り込まれるためには「 Google AdSense 」に登録する必要があります。
この情報をもとにスーパーチャットの投げ銭が口座に振り込まれます。忘れずに登録を済ませておいてください。
配信中はすべての労力や時間をYouTubeに取られるため、入念な準備が必要です。
また、新規視聴者、チャンネル登録者を得るための広報活動も忘れてはいけません。
SNSを使っての広報活動も積極的にしていきましょう。
なお、振り込まれる額は総額が8,000円以上になってからです。
投げてもらったからすぐ収入が入るというわけではないため、勘違いしないようにしてくださいね。
普通の広告収入より一気に多額の利益を得ることができるスーパーチャットですが、その分の労力は多いです。
そこまでして収益を求めるのかどうかは配信者次第ですが、利益抜きにしてファンとの交流の場で実施してもいいでしょう。
思わぬ収入につながるかもしれませんよ。
関連記事:YouTubeで稼ぐ動画ジャンル5選
まとめ
スーパーチャットは視聴者にも配信者にも嬉しい機能だということは間違いありません。
視聴者はコメントだけの応援だけ金銭的な支援が可能、配信者はそれを元手によりよい配信動画を作ることができます。
また、リアルタイムで交流できるメリットは非常に大きく、双方がつながっていることを再認識できる画期的なシステムと言っても過言ではありません。
一方で、「 7:3 」の取り分のお話や配信者がこの機能を使えるようになるまでの道のりには注意が必要です。
今後、さらに拡大されると噂されるYouTubeの需要。
あなたのお気に入りの配信者を伸ばすためにも、さらなるコンテンツの整備をするためにも双方この機能を活かしていきたいですね。