フリーランスのデザイナーと聞くと、好きな場所で好きな時間に働き、とてもクリエイティブな仕事をしているイメージを受ける人も多いのではないでしょうか。
最近ではリモートワークの普及が広がったため、フリーランスとしてデザイナーの仕事をしている人も多くみられます。
ではフリーランスデザイナーという職業の年収はどれくらいなのでしょうか、また年収をアップさせる方法はあるのでしょうか。
本記事では、フリーランスデザイナーの実際の年収がどれくらいなのか、年収をアップさせるにはどうすればよいかを解説していきます。
フリーランスデザイナーとして稼いでいきたいという人は、ぜひ参考にしてみて下さい。
フリーランスデザイナーの平均年収と仕事の種類
フリーランスデザイナーの年収をみるとともに、会社員としてデザイナーをしている人の年収を比較していきます。
フリーランスと会社勤務だと実際の年収にどれくらいの差があるのか、どちらの働き方のほうが稼げるのかをみていきましょう。
また、フリーランスデザイナーにはどのような仕事をする人がいるのでしょうか。
デザイナーという1つの括りではありますが、様々な種類の仕事をしている人がいるので実際のデザイナーの仕事内容について説明していきます。
会社勤務のデザイナーの平均年収
会社勤務のWebデザイナーの場合、Web制作会社であれば380万円〜、デザイン会社で350万円〜、広告代理店で450万円〜、人材派遣社員で440万円〜となっています。
勤務地や企業の規模で異なりますが、都心部や大手の企業であれば賞与なども含めて年収も高くなる傾向にあります。
フリーランスデザイナーの種類
フリーランスデザイナーの年収を見ていく前に、デザイナーにはどのような仕事があるのかをみていきましょう。
・3Dデザイナー
ゲームなどで使用される3Dキャラクターのモデリングを行う仕事。
・Webデザイナー
Webサイトのデザインを行う仕事。デザインをもとにHTMLやCSSで表現される。
・イラストレーター
小説や挿絵などのイラストを描く仕事。基本はデジタルでの制作となっている。
・グラフィックデザイナー
チラシやポスターなどのデザインを行う仕事。IllustratorやPhotoshopを使った作業がメイン。
・キャラクターデザイナー
ゲームやマーケティングで使用されるキャラクターをデザインする仕事。
このように一概にフリーランスデザイナーといっても、これだけの種類の仕事が存在するのです。
フリーランスデザイナーの平均年収
フリーランスデザイナーの平均年収は300万円〜400万円といわれています。
多く稼いでいる人の中には、年収1,000万円を超える人もいるといわれていますが、これは実力やコミュニケーション能力で大きく変わるのです。
会社員であれば、毎月安定した収入を得つつ経験を重ねていくことで少しずつ年収アップを図ることも可能でしょう。
しかし、フリーランスデザイナーの場合、単価が上がらないことには収入はいつまでも変わらないので、いかに仕事の単価を上げるかが年収を増やすポイントとなります。
フリーランスデザイナーが年収を上げるポイント
フリーランスデザイナーが年収をアップさせるために必要なポイントを5つ紹介していきます。
フリーランスという働き方の性質上、会社員とは違い昇給などはありません。
そのなかで自分の年収を上げるためにするべきことはなにか、会社員以上に稼ぐためにこの点をよく理解しておきましょう。
低単価のものから受注し数をこなす
始めから実績があるわけではないため、自分の技術を磨くためにも低単価の案件をまずは受注し積み上げることがおすすめです。
特にエンジニアやライター、デザイナーといった技術を要する職種は最初のうちから高単価の案件を取ろうとしてもなかなか採用されることは難しいでしょう。
まずは出来る仕事を確実にこなして実績と信頼を築き上げていくことが、結果年収を上げる近道となるのです。
ポートフォリオを作成し営業する
ポートフォリオサイトは、自身のブログやサイトなどで過去の制作物やWebサイトを掲載するいわば「 宣伝窓口 」のようなものです。
日々更新することにより、自分はこのようなものが作れますというアピールができ、名刺のような役割を担う営業ツールになります。
企業に対しメールで営業をする際も、サイトのURLを添付すれば実際にどのような制作物が作れるか企業にも伝わりやすいです。
実績を伝える手段としてポートフォリオは必須といえるでしょう。
スキルアップし仕事の幅を広げる
フリーランスデザイナーが通常使用するデザインソフトはPhotoshopやIllustratorですが、Webサイトを制作する際HTMLやCSSといったコーディングの技術も必要となります。
実際はコーダーの人に任せる場合も多いですが、この部分を自身で担うことでも仕事の幅は広がります。
さらにサイトに動的なアクションを持たせるためにJavaScript等を習得しておくこともおすすめです。
このようにデザイナー以外のスキルを持っていたり、「 Sketch 」というアプリやその他の新しいツールにも対応できることで請け負う仕事の種類を増やすことに繋がります。
フリーランスデザイナーのスキルアップには、オンラインスクールや動画講座が有効です。
自宅にいながら好きな時間に自分の学びたい分野を学べるため、最近は利用者が増えています。
・TECHACADEMY│WEBデザインコース
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画像引用元:「 techacademy 」公式HP
・Udemy│動画講座
画像引用元:「 udemy 」公式HP
外部との交流で横のつながりを増やす
フリーランスともなると、自宅やカフェ等で作業をすることが多いため同じようなフリーランスと知り合う機会がなかなかありません。
フリーランスデザイナーの場合、受注する案件によってはカメラマンやイラストレーターと仕事をする場合もあります。
そのため自分のスキル以外の仕事を請け負ってくれる仕事仲間を増やすことも大事です。
自分一人では請け負えない仕事も、各々担当してくれる仲間がいることで単価の高いプロジェクトを受注できることもあるため、それが年収アップに繋がることもあります。
フリーランスが仕事仲間を探す際、イベントや交流会に参加するのが手っ取り早い方法です。
・こくちーずプロ
画像引用元:「こくちーずプロ」公式HP
継続案件を受注する
これはクライアントとの契約次第にもなりますが、基本的にフリーランスの案件というのは「 単発 」のものがほとんどです。
依頼されたものを制作し、納品する対価として報酬を受け取るというのが基本の形となります。
仮に年収1,000万円を目指すのであればこのやり方だと、よほど高単価な案件を獲得し続けないとなかなか難しい数字となるでしょう。
ここでクライアントから「 継続案件 」を受注することができると、年収1,000万円にぐっと近付くことが出来るのです。
継続案件の例は以下の通りです。
・サイトのメンテナンス、運用保守を継続して受注する。
・サイトのマーケティングを担当する。
企業はWebサイトを元に集客をしていきたいわけなので、よりインターネット上でアクセスを集めたいと考えています。
その際マーケティングの知識があれば、企業のサイトを制作するだけでなく、運用もすることが出来るのです。
月に何十万円という契約でサイト運用まで行うことができれば、同じように数社と契約することで毎月安定した収入を獲得することが可能となり、年収1,000万円を目指すことも可能となります。
フリーランスデザイナーが高単価案件を獲得するためには
フリーランスデザイナーが年収をアップさせるためには高単価の案件を獲得する必要があります。
低単価の案件をコツコツと積み重ねることで、実績やクライアントとの信頼関係を築くことも大事ですが、それだけではいつまでも単価は上がりません。
ある程度実績がついてきて、次のステップアップとして高単価の案件を獲得するために必要なことを紹介していきます。
SNSを最大限に活用し営業する
最近ではデザイナーやライター、エンジニアなど多くのフリーランスがSNSで自分の活動内容などを発信しています。
TwitterでWebライターを募集している人に直接DMを送る、Instagramで自身の制作したWebサイトを紹介する等、様々な活用方法があります。
クライアント側もSNSのアカウントを保有しており、このようなフリーランスのアカウントのプロフィールや制作物から興味を持ちアプローチをかけてくることも珍しくありません。
フリーランスであればポートフォリオ以外にも、このようなSNSのアカウントを利用し、自身の活動内容や制作方針を日頃から発信することでクライアントとの接触の機会を増やすことも立派な営業活動と呼べるでしょう。
得意ジャンルを作り他者との差別化を図る
ある程度実績が増えてきたら、自分の得意ジャンルを作り、より専門的にその分野で注力をすることもおすすめです。
アパレルならアパレルに特化したサイト、クリニックならクリニックに特化したサイトといったように同じジャンルの実績を多数所有しているとそれが自分の強みとなります。
「 この分野なら任せて下さい 」と言えると、お願いする側も他のデザイナーに任せるよりもよりその分野で実績を積んでいる人に当然依頼したいと思うでしょう。
何か得意なものを磨くというのは、デザイナーとして十分な付加価値となるため、高単価の案件を獲得する際にも大きなメリットといえます。
クライアントの満足度を上げる
フリーランスデザイナーは、仕事を発注してくれるクライアントの存在があって初めてお金を稼ぐことが可能となります。
どんなに小さな案件でもそこにお金が発生する以上、責任と一定の質を意識しなければなりません。
そして少しずつクライアントとの信頼関係が築けてくると、その実績と信頼から高単価な案件を発注してくれるようになるのです。
人間的に信頼してくれるだけでなく、求められる以上の成果を出すことでクライアントの満足度を上げることができていれば、自然と高単価な案件を任せてくれるようになります。
上流工程をこなせるようになる
フリーランスでWeb、グラフィック系デザイナーとして独立すると、1人で担当出来る内容に限りがあることを痛感することもあります。
それはWebサイト制作一つにしても、コーダー、イラストレーター、ライターといった様々なスキルを持った人が必要となるからです。
その際デザインのコンサルティング、ディレクションといったこれから作るべき制作物の工程を管理するスキルがあると、横の繋がりを利用し双方にメリットを出すことができるためより大きな仕事が受けられるようになります。
フリーランスデザイナーが案件を探す際チェックするべきサービス
最後にフリーランスデザイナーが案件を獲得する際利用するべきサービスを紹介していきます。
誰もが始めから知人のツテや、お世話になっているクライアントがいるわけではありません。
これから人脈を広げていく手段として案件獲得の第一歩を踏み出すためには、以下のようなサービスを利用することをおすすめします。
レバテッククリエイター
画像引用元:「 レバッテククリエイター 」公式HP
フリーランスのクリエイター案件に特化したサイトで、登録者は15万人以上に昇ります。
コーディネーターとのカウンセリングで自分のスキルにピッタリの案件を紹介してくれるだけでなく、なかには高単価の案件も多数存在するため、一度利用する価値はあるでしょう。
職種や使用できるツールから案件を探すことが出来るため、非常に使い勝手が良いのも特徴です。
APPSTARSフリーランス
画像引用元:「 APPSTARS 」公式HP
企業からの直案件を多数取り扱っており、非公開の求人も多数あるため、はじめから高単価の案件を獲得することが可能となります。
エージェントが営業代行、面談調整をしてくれるため、利用者はスキルや希望を伝えるだけと色々な手間を省くことが出来るのです。
月収が10万円以上もアップしたという人もいるほど、案件の質には自信を持っているサービスとなります。
Crowdtech
画像引用元:「 crowdtech 」公式HP
「 未経験OK 」なフリーランスの案件も取り扱っており、まだ経験が浅いフリーランスでも案件を探すことができます。
開催されている案件の数も多いため、自分のスキルや希望の単価に合った案件を探すことが出来るでしょう。
クラウドソーシングサイト
画像引用元:「 crowdworks 」公式HP
無料で登録でき、案件も様々な種類が掲載されているのがクラウドソーシングです。
こちらは自身で案件に応募する形で、案件は日々新しいものが更新されているため常にチェックしておこと良いでしょう。
フリーランスになりたての人であれば始めは積極的に利用していくことをおすすめします。
他のサービスに比べると手数料がかかったり、単価の安さはありますが実績を積んでいくという意味ではいい機会といえるでしょう。
・参照/ランサーズ( https://www.lancers.jp/ )
まとめ
フリーランスデザイナーの年収は多い人で1,000万円以上と夢はありますが、大半の人はまず会社員の年収を目指すことが目標と言えるでしょう。
そしてスキルや実績を積んでいくことで、やがて高単価の案件を獲得できるようになり初めて年収が上がっていくのです。
コロナウイルスの影響で、実店舗での販売からECサイトでの売上強化を図る企業は今後さらに増えていくことから、Webデザインの仕事は需要が拡大していくと思われます。
そのような大きな企業からの仕事を獲得できるために、日頃からスキルを磨き続けることが最終的に年収アップに繋がるでしょう。