ホームページを作成しようと考えた際に最も気になるのはやはり、コストでしょう。
最低限でどの程度の費用で作れるのか、そもそも制作費の内訳はどうなっているのか、この記事では2021年の相場感をお伝えします。
ホームページ制作費用の相場
ホームページの制作方法を紹介するサイトや制作会社のホームページに費用が掲示されているので幾つかご紹介します。
なぜわざわざ料金表が掲載されているページを紹介するのかというと、ホームページ作成会社の多くは料金を明確に掲示していません。
それはホームページ作成がオーダーメイド的な作業であり、クライアントに合わせて価格が変動するからです。
絶対この金額で作れます、という価格がありません。とはいえ、初めてホームページを作るのであれば費用感が全くないというのも不安ですよね。
制作するホームページの規模に応じた費用感というものをまずは把握してみてください。
1.アイミツ「 ホームページ制作の費用と料金相場 」
出典 : 株式会社ユニラボ
ホームページ制作会社を比較しながら探すことのできるサイトです。
費用の平均は85万。ボリュームゾーンは30万円から100万円程で、1000万円以上の費用をかけたホームページもあることがわかるでしょう。分布を図として見られるのでホームページ作成費のボリュームゾーンを把握できますね。
一括見積ができて、さらに最短で翌日に見積もりがそろう便利なサイトです。
2. あきばれホームページ「 ホームページ作成費用の料金相場を徹底公開 」
中小企業の経営者に向けて、ホームページ作成の初心者でも理解できるように情報を発信しているサイト。合計額ではなく、ホームページの構成に応じたおおよその価格を知ることができます。
3.ネオインデックスホームページ「 ホームページ作成費用 」
出典 : 株式会社ネオインデックス
マーケティングや企業オフィシャルサイト運営、サーバー管理を行う制作会社の作成費用一覧です。ホームページにどんな機能を付ければどの程度の費用がかかるのか、把握できます。
4.Web Aqua( ウェブ・アクア )「 ホームページ作成に失敗しないための、制作料金の費用相場 」
出典 : ホームページ制作 Web Aqua
WEBコンサルやマーケティング、運営サポートを行うホームページ制作会社に掲載されている作成ツールとその費用一覧です。
5.ホームページ制作プロ「 作成料金表 」
出典 : 有限会社タロウズ
ホームページにとどまらず、SEOサービスや広告運用を請け負う会社です。
最安パックが99,800円。画面3スクロール程のページ分量となります。一方60万円のパックはメインページ以外に8ページ程度あり、フォームも付くホームページです。
一言に企業ホームページと言ってもペライチのタイプから、数ページのコンテンツを用意する場合と、ホームページの用途によって幅があります。
6.SIMPLE-Web/シンプルウェブ「 料金価格表 」
出典 : SIMPLE-Web
広島でホームページの企画、設計、デザインを手がけるスモールオフィスです。実際に作成したホームページ費用を掲載。
ここでは、ECサイトを付けたホームページの費用を載せていますが、他のタイプの料金も掲載されているのでぜひ見て参考にしてください。
7.よつばデザイン「 ホームページの予算感 」
出典 : よつばデザイン
中小企業のWEB支援として広告やSNS活用まで扱われているWEB企画・制作会社がSNSに投稿した費用一覧です。ホームページの目的別に制作ステップなどが分かる表となっています。
目標からプロセスが組み立てられ、結果費用が分かるという体系的な解釈は他にはなく、大変に参考になります。
関連記事:HPの見積もりに差が出る理由とは⁉HP作成を代行業者9選もご紹介!
制作費用の内訳の相場
相場を掲載しているページをご紹介しました。価格感は人それぞれだと思いますが、ホームページの費用を掴みずらくしているのは目に見えないものに費用を支払うという感覚だと思います。
ではホームページの作成費はどのような内訳になっているでしょうか。確認していきましょう。
ホームページのデザイン費用
ホームページで取り扱うサービスや商品に応じて、またそのブランドが持つ価値に準じて適切なデザインがあります。
相当な種類の中から使用するカラーやフォントを選び抜き、掲載する画像やテキストにおいて見やすいレイアウトを決めなければなりません。
その作業には一定のルールは存在しても、クライアントの注文に応じてカスタマイズできるオーダーメイドなのです。
加えて、そのデザイン作業はページ1枚1枚に対して行われます。それらの作業費がホームページのデザイン費用としてかかります。
関連記事:ホームページにおけるデザイナーの役割とは
ホームページのコーディング費用
オンライン上にホームページを表示するには人間ではないコンピューターが理解できる言語に置き換える必要があります。ソースコードであるHTMLやCSS、javascriptです。
そのため、その言語に精通した人の手を借りなければなりません。コーダーです。コーダーの作業はホームページの出来を左右します。専門スキルを習得した人の作業費、それがコーディング費用です。
ホームページのディレクション費
進行管理費です。外注しているといっても責任はクライアント側であり進行管理はこちらでするから払わないと考える方もいるかもしれませんが、ホームページ作成の進行管理はそう簡単なものではありません。
ビルを建てる工事現場の現場監督のようなものです。ホームページ制作にかかわる専門技術を熟知していなければできません。プロの視点でホームページの目的の実現に必要なホームページを提案する能力も必要です。
ディレクション業務に専任するWEBディレクターというポジションがあるくらいです。ディレクション費はこのWEBディレクターの稼働費用だと考えてください。
ホームページのフォーム製作費
ホームページの役割の一つがユーザーからのお問い合わせを受け付ける窓口です。そのため、ホームページには様々な入力欄が存在するでしょう。
問い合わせ窓口、イベントやセミナーの受付、資料請求や資料のダウンロード、キャンペーン応募などがそれにあたります。
「 受付フォーム 」とひとくくりにいっても実はページの種類で見ると3つ、作成が必要。ユーザーが情報を入力するページと入力内容を確認するページ、そして送信後の確認ページです。
その後の自動返信メールの設定があった方が良い場合もあるでしょう。ユーザーが入力したメールアドレス宛てに、問い合わせを受領した旨を自動返信する機能のことです。
応募や購入の場合は入力後に何かしらのリアクションがあった方がユーザーを安心させることができます。
また自動返信メール内に注意喚起を入れても良いでしょう。返信に要する期間や、キャンペーン応募の場合には当選の連絡がいつどのような手段で届くといった内容です。
お問い合わせのフォームがあると、アクセスしたユーザーにただ情報を見せるだけではない、双方向のコミュニケーションが可能となります。
無料のフォーム作成ツール
ちなみにフォーム作成には無料ツールが存在します。常時フォームを設置するのではなくキャンペーン時だけ使いたいときなどにはとても便利。いくつかツールをご紹介します。
1.formrun( フォームラン )
出典 : formrun
ユーザーの入力がサポートされる住所補完機能がついています。ユーザーにより入力されたデータを顧客管理しやすい点が特徴です。
データごとに任意のステータスを紐づけて整理ができます。formrunシステムからユーザーへ直接メールできる機能は便利。
2.Tayori( タヨリ )
出典 : Tayori
企業のプレスリリースを配信しメディアへつなげるサイトを運営している株式会社PR TIMESによるサポートツールです。
メールフォーム画面にFAQ( よくある質問 )を表示できるようになっています。そうすることでユーザーからの問い合わせが多い質問にはあらかじめ回答を掲載しておくことができるのです。
ユーザーにとってはわざわざ問い合わせる手間が省けますし、企業側は同じ内容に幾度も回答する時間を削減できます。
他にはイベントへの申し込みフォーム、採用フォームといったテンプレートがあります。テンプレートを使用すればだれでも簡単にフォーム作成できます。
3.Googleフォーム
出典 : Googleフォーム
Googleが提供するメールのフォームを作成するツールです。
特徴はユーザーの回答を自動で集計しグラフ化してくれる機能。うまく活用すれば顧客分析につなげることができます。
テンプレートにはイベント参加の申し込みや招待状があります。Googleフォームはデザインがシンプルなので業種を選びません。
4.Conference ER ( コンフェレンス イー・アール )
出典 : Conference ER
株式会社 勘助によるフォーム作成サービスです。フォームの複製機能があるので、定期開催のイベントや複数開催のセミナーなどには役立つでしょう。
有料プランになるとメール一斉送信やユーザーの検索機能が付きます。
5.SELECTTYPE( セレクトタイプ )
出典 : SELECTTYPE
ホームページ作成サービスを運営する会社によるフォーム作成ツール。ユニークなテンプレートが用意されていて会社説明会や求人応募受付といったビジネス利用での一般的なものから、習い事のお教室用やいちご狩り園用まであります。
予約する上で便利なカレンダーでの表示ができるフォームは、ユーザーにわかりやすく離脱を防げるでしょう。
フリーランスと制作会社との料金の違い
ホームページ作成を低価格に抑えたいならばフリーランスのクリエイターに依頼するという手法があります。
制作会社は会社を経営するため、設備費や家賃といった費用がどうしてもかかります。他には仕事を取るための宣伝費が必要でしょう。
また実際に作業する人材とクライアントに赴き仕事を獲得してくる営業を別に置く制作会社が多いです。
それらは人件費として作成費用に影響を与えます。フリーランスは個人ですから経営にかかる費用が減り人件費も個人になりますので抑えることができ、制作会社よりは低価格で作業の進行が可能になります。
フリーランスのメリット
フリーランスのクリエイターは就業規則が当人次第。よってビジネス業態によって、早朝や夜、もしくは休日でないと打合せができないといった方は対応時間の幅広いフリーランスの方とやり取りする方がコミュニケ―ションを取りやすいです。
制作会社が分担して作業するものを一人でおこなうのでシームレスな進行ができます。その結果効率が良くなり作業費が抑えられるでしょう。
しかし、ひとりでの作業のため当人のスキルがホームページの完成度に大きく影響することを覚えておかねばなりません。フリーランスで作成する場合は当人の技術を実績や事前打ち合わせで見極めましょう。フリーランスのクリエイターはクラウドソーシングやWEBデザイナーのマッチングサイトを使って探すことができます。
制作会社のメリット
最大のメリットは作成が途中でストップするリスクが少ない事でしょう。制作会社での作業進行では担当者がひとりということはありません。担当の誰かに不測の事態が起きてもフォローする別の担当者がいます。
フリーランスの場合は当人が万が一、事故や病気になった場合、制作がストップしてしまいます。
もう一つ、複数人担当するメリットが、表現手法や利用する技術のアイデアが沸きやすいという面。ホームページで使用する画像やテキスト、コピーの作成までを依頼したいのであれば、フリーランスでは行えない場合が多いでしょう。
ホームページ作成を外注するときに必要なこと
ホームページの作成費用を大まかに把握するのに際して、考えて欲しいことが3点あります。
- ホームページに必要な機能
- ホームページの完成イメージ
- ホームページの外注先との打ち合わせ
ひとつずつ説明いたします。
目的に必要な機能を知ること
ホームページに担わせたい役割は何でしょうか。
例えば検索エンジンで上位表示させて商品やサービスをユーザーに知ってもらう機会を増やしたいのであれば、SEO対策となるコンテンツを組み込んだ設計が必要です。
その場合は、パッと見た時の印象を左右するレイアウトやデザインだけでなく、ライティングに力を入れる必要があるでしょう。
WEBでの宣伝効果を狙いたいならば、SNSでシェアできる様々なプラグインを利用しても良いでしょう。
タイムリーな情報を発信するメディアにしたいなら、ブログのような機能を装備しておく手もあります。
例えば複数部署で更新を行っていく運営スタイルにすれば更新頻度を上げやすいですし、多方面からの情報発信になります。その際は更新マニュアルがついているとより便利でしょう。
ホームページにネットショップを付随させる場合は、どのショップ機能のシステムを利用するかで金額は大きく変わってきます。取り扱う商品の数量から見合うシステムは異なります。加えてランニングコストは必ず確認をして選びましょう。
ホームページで業務効率化を図りたいと考える方もいるでしょう。ユーザーとのコミュニケ―ションをスムーズにさせる役割を担うホームページを作るのです。
ユーザーからのアクションを問い合わせや応募フォームで管理することによって販促へ活用したり、結果をまとめやすくできます。
完成イメージに近しいホームページ事例を揃えておくこと
ホームページ作成には多くの人がかかわります。そのため、同じゴール意識を持つことが完成度を高め、進行をスムーズにします。
ゴール意識をすり合わせる上で最も効果的なのは、具体的なイメージ。同じ業種や目指す雰囲気に近いホームページを比べてみてください。
見積前に打ち合わせをすること
ここまで記載した内容からわかる通り、ホームページはその作る意図によって多彩に変化するものです。加えて、予算と納期は作業工程に影響します。
よって作成会社はある程度のヒアリングをしなければ正しい見積もりが出せないことになります。打ち合わせもせずに見積りを作ることはできません。
その打ち合わせでは、ホームページ作成の目的と、目標をできれば数値といった判断しやすい軸で提示しましょう。
ホームページ作成費用における税金対策
ホームページ作成費用はまとまった金額となるため、作成した年度の経費は通常期に対して大きくなります。それをカバーする税務処理について説明します。
資産計上する
ホームページ作成費用は基本的には広告宣伝費という勘定科目に該当します。しかしソフトウェアは資産計上になります。
ソフトウェアとは、コンピュータープログラムのこと。
ホームページに関する部分で言えば、商品データベースの検索機能、会員のログイン機能、オンラインショッピングの機能、ネット予約の機能などが当たります。これら機能に該当する費用が資産計上可能。
資産計上する場合は、費用によって定められた期間で分割し減価償却費として処理します。
そうすることで、ホームページ作成した年度の業績が経理上、悪化したように見えないでしょう。また経費を一定に毎年計上するので利益を抑えられ法人税への良い影響が期待できます。
中小企業における損金処理
中小企業の場合にはもうひとつ処理方法があります。これはホームページの作成にかかった費用が30万円未満の際にのみ適用できる損金処理です。
損金は税務用語。損金は利益から控除となり、所得金額が減るので、法人税を抑えることが可能です。
そのため、損金に当てはまるかどうかはルールがあります。あなたのビジネスがそのルールの範疇かどうかを確認してみてください。
ホームページのランニングコストの相場
最後にホームページ作成後に必要となるランニングコストについて確認しておきましょう。ホームページをウェブ上で掲示しておくためにはサーバーを使用する費用、ドメイン管理費用、SSL証明書費用がかかります。
サーバーは企業のオフィシャルホームページのボリュームではレンタルでの利用が経済的。月額で¥1,000以上はかかります。ドメインはどの文字列を使用するかで異なりますが年間で¥1,000ほどです。
セキュリティ対策であるSSLにはSSL証明書費用がかかります。SSL証明は無料で提供しているレンタルサーバーがありますので吟味ください。
関連記事:ホームページの維持にかかる費用について
まとめ
企業におけるWEBサイト( ホームページ )の目的は、あくまでビジネスとして「 利益を生む 」ことであって、「 WEBサイトを作ること 」が目的なのではありません。
目的に応じてホームページに実装すべきページ数や機能が変わってきます。
それらを整えたホームページにおける作成コストを確認しましょう。ただ価格だけでホームページの内容や制作会社を決めてしまえば、完成しても活用できないホームページとなるでしょう。
ホームページを作るのであれば、出来るだけ価格を抑えることと、ビジネスとして優秀な機能を備えていること、両方のバランスを取って制作したいですね。