ホームページを作成しようと考えてはみたものの、競合企業のオシャレなホームページに圧倒されたり、制作会社からの見積もりに驚愕したりして、あきらめていませんか。
今は、TwitterやFacebook、Instagramといった便利なSNSがたくさんあり、情報発信はSNSに任せておけばいいやと考えている人もいらっしゃるかもしれません。
ただ、ホームページは単なるお飾りではなくビジネスに活用できる強力なツールです。
ホームページの必要性やSNSとの違い、作成に向けた企画の立て方と一般的なページ構成や制作会社の選び方など、ビジネスに活用できるホームページ作成についてご案内します。
ホームページはビジネスに必要か
ビジネスパーソンがビジネス用スマートフォンやタブレットを持たなかった社会はそう昔のことではありません。
しかし、スマートフォンの業務利用は2017年度時点で「 導入している企業が65% 」( 引用 : https://www.lanscope.jp/trend/9169/ )であり、さらにコロナ禍でインターネットによるビジネス活動は急激に進行しました。
NTT東日本は、平日の日中におけるインターネット通信量がコロナ禍で6割増と発表しています( NTT東日本「 ネットワークのトラフィックについて 」 )。
これら調査結果が示すのは、ビジネスにインターネットを活用している方は非常に多いということ。
ユーザーの都合よいタイミングで欲しい情報にアクセスできるというホームページは、ビジネスを進めるうえで効率的かつ有効だといえます。
ホームページとSNS公式アカウントの違い
知りたい情報を探したり、流れてきた情報をキャッチしたりと、SNSを日常的に活用している方は多いでしょう。
SNSはつながりを生み出します。そのつながりを活かして情報を届けることが出来ます。つまり情報をビジネス側からプッシュするアプローチがSNSです。
一方、ホームページはアクセスというユーザーからのアクションがあって、はじめてビジネス側が動き出せます。ユーザーとの交流を持つ方法が能動的であるか、受動的であるか。両者にはこの違いがあります。
両方の手法を持つことは、ユーザーの取りこぼし防止と囲い込み策となるでしょう。
SNSは、ホームページと比較して掲載できる情報量は少ないと言えます。
利用者の多いSNSは出会いのきっかけとしてホームページに誘導する役目。商品やサービスのより詳細な情報はホームページにてユーザーに閲覧し理解してもらうという流れが理想といえます。
ホームページは、あなたのビジネスについてもっと知りたいと感じたユーザーを集約できる場所です。
ビジネスホームページを企画する
ビジネスホームページの本質は売り上げにつながるものであること。この本質を念頭に、まずは作成プランを明確に決めましょう。
そこで、プランの企て方について説明します。
ホームページのコンセプトをまとめる
あなたのビジネスにおける強みは何でしょう。それはどうして強みと言えるでしょうか。
その強みはユーザーにとってのどんなメリットにつながっていますか。ユーザーにとってあなたのビジネスを選ぶ理由、それがホームページの骨格となるコンセプトとなります。
ホームページ全体にわたり、コンセプトが浸透していることで、ユーザーにとって分かりやすく説得力のあるホームページとなるでしょう。
ホームページのターゲットを決める
商品やサービスにとって最も重要なユーザーをターゲットとして設定します。
どのようなユーザーにホームページへアクセスして欲しいのか、具体的に設定することで、行うべき事と行うべきでない事が見えてくるからです。
ターゲットユーザーを詳細に設定しておくことで、ホームページへ掲載する文章や画像を決める段階となった際、ターゲットユーザーが求める表現を選択することができます。
それはホームページにおける集客や購入に対してとても重要です。
ホームページは、ターゲットユーザーにとって魅力的に見えるように作成しましょう。
ホームページに必要な機能を決める
あなたのビジネスが必要とするホームページの機能には何があるでしょうか。
機能とは2種類あります。
- システム
- ページのもつ役割
システムというのは例えば、オンライン予約機能、ネットショップ機能、GoogleMapとの連携機能、カスタマーサポート用のライブチャット機能などのことです。
ページの役割というのは、広告から遷移してきてもらうページであるランディングページが必要か、ビジネスモデル的に登録ページやログインページが必要か、などです。
どんな機能をホームページに持たせておけば、ユーザーが便利であるのか、ビジネスの管理がしやすくなるのか、検討してみてください。
ホームページにぴったりなデザインを選ぶ
デザインとは見栄えだけではなく、使いやすさや分かりやすさといった設計や仕組みも意味します。
ホームページを隅から隅まで全部を見る人は制作者くらい。多くのユーザーは必要な情報を取りに来ているだけです。よって、ユーザーは辞書のようにホームページを使っていると考えてください。
辞書を引くように扱える、利便性が高い仕組みのホームページが、デザイン性が高いホームページです。
一例ですが、以下の内容を整えることでユーザーの使いやすさを向上できます。
- クリック( タップ )できる個所がわかりやすいか→できない個所がクリックできるように勘違いさせる見た目になっていないか
- 頻繁に使う機能が見えない場所に格納されていないか
- ページ遷移で基本フォーマットが変化していないか
- クリックを繰り返しても、ホームページ内でユーザーが自分の現在地をわかるようになっているか
- 戻るボタンはあるか
このように利便性という視点からもデザインを考慮しましょう。
そして、あなたのビジネスに適したデザインがあります。技術力が重要な医療系のビジネスと、余暇を楽しませるエンタメ系ビジネスとでは求められるイメージが異なるからです。
人間の脳に入る情報の約90%は視覚的情報と言われるほどデザインは重要です。
具体的なイメージを膨らませるためには、あなたが普段からよくアクセスしているホームページや競合相手のホームページなどをチェックしてみましょう。
無料ホームページサイト作成サービスにはテンプレートが揃えられているので、テンプレートを眺めながらイメージを固めることもできます。
ホームページ制作会社に委託する場合には、イメージをしっかりと共有できるように、資料を揃えておくことをお勧めします。
サイトマップを作成する
サイトマップとは、ホームページに必要なページを図に書き出したもの。ここまでに決めたコンセプト、ターゲット、機能、デザインを図に落とし込む作業です。
何ページ必要か、ページ毎の役割は何か、その役割を果たすためには、各々のページを、どのような階層で作るかをまとめます。企業の組織図のような形で作る人もいれば、樹形図のように作る人もいます。
重要なのは並列にページを羅列するのではなく、ページ上下の重なりを“ 見える化 ”することです。
階層は深くならないように注意しましょう。
何度もクリックしてページの階層を降りて行くユーザーは滅多にいません。少ない階層にできるのではないか、という視点でサイトマップを調整しましょう。
図に書き出すことで、ホームページの構造全体が把握できます。これは作成に関わるメンバーが増えた際に、意思疎通がしやすく非常に役立ちます。
似た内容を掲載してしまう重複や、必要なページが抜けてしまう漏れを防げるでしょう。
ビジネスホームページに掲載すべき情報
商品やサービスの購入を検討しホームページへとアクセスした際、ユーザーがチェックするのは、商品やサービスの価格、スペック、条件だけでしょうか。
商品やサービスの詳細以外に、これまでに購入されたユーザーがどんな感想をもっているのか、または作っているのはどんな会社なのかを確認するのではないでしょうか。
そういった情報を得ることで、安心して購入に至るのです。
ホームページにアクセスしたユーザーからの信頼を獲得するために、基本的なページ構成とそこに掲載しておくべき情報を確認しましょう。
一般的に揃えるページ
業界問わず、一般的にホームページに掲載されているメニューをまとめました。
- トップページ:あなたのビジネスの玄関口となります。第一印象を決定づける大切なページです。
- 商品やサービス紹介:性能や品質といった詳細な説明と価格を掲載します。
- 制作事例:実績を紹介するページです。案件の要点を以下の観点からまとめて掲載します。
クライアントからのオーダー/料金/期間
- 会社概要:会社の基本情報を紹介するページです。以下の内容を掲載します。
会社名/代表者/所在地/電話番号/設立/事業内容/資本金/従業員数/売上高/主要取引先/取引銀行/許可や免許、登録
併せて会社の経歴や沿革、代表のメッセージ、会社のミッションを掲載する場合もあります。
- お客様の声:商品やサービスを使用したユーザーの声を掲載します。実際のユーザーの声をどれだけリアリティーをもって伝えられるかがポイントです。
- お問い合わせとよくある質問一覧:ユーザーからのお問い合わせで頻度の高いものを掲載します。
あらかじめ掲載しておくことでユーザーの手間だけでなく企業側の手間も省くことができます。
お問い合わせが少なかったとしても、口頭や文章での解説が難しいものは、図式や画像などと共に掲載するのがおすすめです。
お問い合わせがあった際にはユーザーにページを案内し、閲覧してもらいながら説明ができるため、ユーザーの理解を促進できます。情報量に制限がないホームページだからこそのメリットです。
- アクセス:直営の売り場がある場合はその案内を掲載します。卸販売してもらっている場合でも可能な限り販売先などの営業案内情報が掲載できると良いでしょう。
- プライバシーポリシー:お問い合わせページにて、ユーザーから取得したメールアドレスや名前は個人情報にあたります。
それ以外にもユーザー情報を取得した場合はそれらを適切に扱うことを明記する必要があります。プライバシーポリシーとは企業が守るべき個人情報保護の方針を明記したものなのです。
閲覧率が高いページ
ホームページのページ閲覧データをチェックすると、必ず上位に挙がっているのが以下3点です。
- 会社概要
- 制作事例
- メニュー
商品やサービスの購入前に、購入先について知っておきたいと考えるユーザーは多いのです。よって会社概要は重要です。
売上高や資本金からは会社の規模を、設立年や取引先からは実績を推量し、納得することでユーザーは安心感を得ます。
自分に活用できるだろうかといった心配や、どの程度の効果があるのかといったユーザーの不安を取り除けるのが、制作事例。
またユーザー自身の利用シーンを想像しやすくさせる情報でもあります。商品やサービスの良さを感じているけれど、迷っているユーザーを購入へと後押しするでしょう。
メニューは、知りたい情報を効率良く見つけたいと遷移するユーザーが多いようです。
頻繁に閲覧されるページはアクセスしやすい位置に配し、内容を充足させることで、ユーザーは快適にあなたのホームページを利用することができるでしょう。
業界別に異なる必要なページ
ビジネスの業界( ジャンル )ごとでホームページに載せてある情報のカテゴリーには多少の違いがあります。
あなたのビジネスの特徴を知るためには、同様他社のホームページを観察しましょう。
他社のホームページのメニュー名を拾い出す作業により、強みの打ち出し方や業界特有のメニューが見えてきます。
検索で見つけてもらえるために制作時に気を付けること
ホームページをただ作成しても自然に売り上げにつながるというものではありません。
あなたのビジネスがユーザーにどのように求められているのかを理解し、改善しながら運営する作業が必要です。そのために、作成時から整えておきたい環境があります。
SEO( 検索エンジン最適化 )対策をとりやすい仕組みにする
SEO対策とは、 Google、Yahoo!といった検索エンジンの検索結果一覧で、よりクリックされる可能性の高い上位に表示させるために行う工夫のこと。
ホームページへアクセスを集めるには、SEO対策が欠かせません。
そのためにはホームページを制作する際、気を付ける点が2つあります。
- 運営開始後もテキスト文章や画像、動画といったコンテンツをホームページに増やしやすい設計にしておくこと
- ページのタイトルとディスクリプションの個別設定ができること
検索エンジンは、ホームページのコンテンツを解析して評価しています。ページの内容の質と量は検索結果の表示順位に大きく関わってきます。
ディスクリプションとは、検索エンジンにページの要約を伝えるための説明文。ページタイトルと共にこのディスクリプションは検索エンジンでの検索結果にページの説明文として表示されます。
クリック数にダイレクトに響くため、重要です。
検索によってあなたのホームページへとアクセスするユーザーを増やす対策が講じられるよう、コンテンツの増加の容易さと、タイトルおよびディスクリプションの個別設定は必要です。
独自ドメインで信頼度をアップする
ホームページを閲覧すると、アドレスバーにホームページのアドレスが表示されます。表示される全体の文字列のことをURLといいます。一般的にドメインとはURLのhttpsとwww以下の部分。
ドメインはインターネット上の住所です。そして、ドメインは検索と紐づいています。ホームページ無料作成サービスはたくさんありますが、サービスによっては与えられるのは複数のユーザーで使う共有ドメイン。
ドメインはインターネット上の住所です。そして、ドメインは検索と紐づいています。ホームページ無料作成サービスはたくさんありますが、サービスによっては与えられるのは複数のユーザーで使う共有ドメイン。
無料サービスがドメインを取得し、その配下にドット「 . 」を付けたサブドメインで管理されています。
検索エンジンではドメイン毎での評価を実施。アクセス数や取得してどれくらい経過しているのかというドメイン年齢により判断されます。つまり独自ドメインでないとSEO的に弱いのです。
また、あなたのビジネスだけのオリジナルのドメインはユーザーに覚えてもらいやすいですし、信頼性も上がるでしょう。
独自ドメインを取得するはそう難しいことではありません。例えば、以下の2つのサービスは利用者が多いものになります。ご参考ください。
お名前.com
画像引用元:「 お名前.com 」公式HP
お名前.comは、GMOインターネット株式会社が運営するサービスです。国内ではシェアNo.1を誇り、中古ドメインの取り扱いや新ドメインの導入も積極的に行っています。
レンタルサーバーと同時に登録すると、初年度の費用が実質無料、更新費用はサーバーを使っている限り永久無料というサービスも行っています(対象ドメインのみ)。
【早い者勝ち!】.com/.net/.jp ドメイン取るならお名前.com
SNSアカウントと連携し窓口を増やす
利用者の多いSNSをホームページへと連携することはアクセス数を増やすための有効な手段。
情報量に限度のあるSNS単体で購入まで至らせることは難しいです。よって、SNSからの流入の受け皿としてホームページを組み合わせて使うことは、相乗効果を産み出すでしょう。
SNSとの連携にはふたつの方法があります。
- リンクでの遷移
- 埋め込み
リンクを貼りSNSページへ飛ばす遷移より、ホームページへ埋め込みする方法がおすすめです。
埋め込まれていることで、SNS投稿は検索エンジンにホームページ内のコンテンツとして認識されます。そうすることでコンテンツが増えた、更新されたと検索エンジンに判断されればSEO的に有利なのです。
更にユーザーの求めるコンテンツを継続的に作成することは労力のいることですから、SNSへの投稿がそのままホームページのコンテンツとして活用できれば手間が省けますよね。
例えば、新着情報やニュースなど短い文章はTwitterに投稿し、使用シーンのイメージ画像はInstagramをギャラリーとして見せるといった活用法があります。
SNSアカウントを既にお持ちでしたら、SNSを埋め込み型でホームページの設計を考えてみてください。
ホームページの作成方法を決める
ホームページ作成となると、「 自分で作成する 」か「 ホームページ制作会社に依頼する 」という方法があります。
現在は無料でホームページを作成できる無料作成サービスがたくさんありますので、そちらを活用することもひとつの手でしょう。
いきなり自分で作るのはハードルが高いと感じるのであれば、制作会社へ依頼することとなりますが、制作会社はあまたあります。
制作会社を選ぶポイントをまとめました。
ホームページ制作会社( Web制作会社 )の選び方
外注依頼先を探す際には以下の点に注意しましょう。
- あなたのビジネスの業界やジャンルが得意であること
- 制作会社のこれまでの作成規模と合致していること
- 求めている制作分野に強いこと
例えば、アウトドアグッズ会社と投資信託会社ではユーザー像が大きく異なります。訴求すべきイメージも変わってきます。特定の業界やジャンルでの制作経験が多い制作会社には、業界やジャンル特有の見識が多くなります。
あなたのビジネスジャンルを得意とする制作会社を見つけましょう。
また制作会社には平均的な受注規模があります。
大企業の複雑なシステムを連携させる大規模な制作をメインに引き受ける制作会社もあれば、地域密着型の1店舗のホームページ制作を多く引き受ける会社もあります。
あなたのビジネスの規模と合致していないと必要な機能が整わなかったり、余計な予算を使ったりなど、不都合を招きかねません。くわえて、制作会社には各々の強い分野があります。コンサルティングに強い、動画制作に強いなどです。
あなたのビジネスホームページで強調したい分野を強みとする制作会社に依頼しましょう。
数社を比較する方法
最も簡単で失敗のない方法は、制作会社自体のホームページをよく確認することです。
実際にクライアントのホームページの成功を担う制作会社のホームページが、使いづらいわけがありません。
制作会社のホームページにアクセスしてみて、以下の点を観察してみましょう。
- 知りたい情報はすぐに発見できましたか
- 掲載されている画像や文章には専門用語を知らない初心者でも理解できる配慮がされていましたか
- ニュースや事例、実績など、頻繁に更新されているでしょうか
- 問い合わせページなど、あなたが行いたかったアクションまでの導線はスムーズでしたか
それでも悩むならば、制作会社やレンタルサーバー業者の提供会社によるセミナーが多く開かれていますので、参加し情報収集してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ユーザーの抱えている課題を解決したり、生活を彩ったりする、あなたのビジネスの魅力を余すところなく伝えるツール、それがホームページです。
誤解なく魅力を伝えるためには、掲載すべき情報を選別し、閲覧しやすいデザインに整える必要があります。時には制作会社の手を借りながら、あなたのビジネスに大切な役割や機能を揃えましょう。
ユーザーにとって価値ある情報を集約した場となれば、ホームページはあなたのビジネスにとって欠かせない存在となるはずです。
アフターコロナの社会でますます活発となるインターネット上でのコミュニケーションに向けて、あなたのビジネスにおいてもホームページの作成を検討してみてはいかがでしょうか。