ホームページの制作を会社に依頼する際、見積もり金額に差が出ることが少なくありません。
費用負担が大きいからこそ、できれば目的に合った適正な価格で取引したいもの。
ところが、無数にある選択肢の中で瞬時に判断することは困難です。
ここでは、ホームページ制作を依頼する際の
- 見積もり項目の意味
- 相場料金
- 決め方
- 注意点
を解説していきます。
ホームページを充実させることで、新型コロナウイルスのような問題が起きても安定的に集客できる窓口が手に入ります。
今回ご紹介する項目を参考に、品質面・コスト面ともに満足できるホームページ制作を実現しましょう。
関連記事:ホームページの作成をするには?HP作成の基本をまとめました!
ホームページ制作の見積もり・項目と相場料金
ホームページ制作の見積もりを取ると、聞き慣れない専門用語がたくさん出てきます。
まずは見積書に記載されている項目の意味とそれぞれの相場料金を見ていきましょう。
進行管理費( ディレクション )
ホームページ制作のプロジェクト全体を管理する役割の人を「 ディレクター 」と呼びます。
ディレクターの主な役割は以下のとおりです。
- クライアントの窓口になって対応
- 見積書や提案書の作成
- スケジュール管理
- 制作スタッフとのやり取り
ディレクターの稼働費用は「 進行管理費 」や「 ディレクション費 」といった項目に分類され、案件の規模や難易度によって金額が引き上げられます。
相場料金はプロジェクト全体の10%から30%ほどです。
ディレクター次第でホームページ制作の結果は大きく左右されるため、進行管理費・ディレクション費を削減しすぎるのは良くありません。
コンセプト
自社・競合・顧客の現状を分析して、KPI( 目標値 )やホームページのコンセプトを決める項目。
ホームページ制作の方向性を決める最も重要なステップといえます。
相場料金は約10万円から。
中には数万円程度で請け負う場合もありますが、ホームページ制作の基盤になる項目なので料金だけで決めず中身を重視しましょう。
サイト設計( 構成ラフ )
「 サイト設計 」という項目では以下の2つを作成します。
- サイトマップ( サイトの全体像 )
- 構成ラフ・フレームワーク( デザインに入る前の配置の構成案 )
進行管理費・ディレクション費に含まれているケースもあるため、見積書に記載がない場合はどの項目に含まれているか確認しましょう。
相場料金は10万円から。サイト規模や求めるクオリティ次第で変動します。
SEO対策・マーケティング・アクセス解析
集客や利益に繋がるホームページ制作をするためのコンサルティングを意味します。
「 SEO対策 」「 マーケティング 」「 アクセス解析 」といった表記です。
SEO対策とは、Yahoo!やGoogleの検索エンジンで上位表示されるための取り組み。
ホームページへのアクセス数を増やし利益を上げるのが目的です。
また、アクセスを解析して、どんな戦略でホームページを展開するか考えることで、効率的にホームページを制作できます。
相場料金は5万円から。狙う分野の難易度やSEO対策するコンテンツ量によって左右されます。
デザイン
前述した構成ラフやフレームワークをもとに、カラーやテイストなどといった具体的なデザインを完成させる作業を意味する項目です。
ホームページの印象を左右するため、デザインも妥協しない方がいいポイント。
トップページのデザインはデザインにまつわるルールを最初から起こす必要があります。
そのため、トップページから派生した「 下層ページ 」より金額が上がりやすいでしょう。
PC版とスマホ版のデザインを合わせて、料金相場は10万円からです。
こちらも作業ボリュームによって金額は変動します。
また、ロゴのデザインを依頼する場合は別途料金が必要になるでしょう。
デザイン( 下層 )
下層ページのデザインはトップページのデザイン要素を応用できます。
そのため、トップページの半分程度が相場料金です。
また、重要度別に分けることでどのページのデザインに注力するか明確にでき、必要な料金が見えてきます。
コーディング
何をコーディングするかによって相場料金は異なります。
- ベースコーディング:3万円から
- トップページコーディング:3万円から
- 下層ページコーディング:1万円から
- スマホページコーディング:PCの6割程度から
何もない状態からホームページをコーディングする場合、サイト全体のテンプレートから作成する必要があり、その作業を「ベースコーディング」と呼びます。
トップページコーディングの料金に含まれるケースもあるでしょう。
また、PCだけでなくスマホページのコーディングも必須です。
PCページをベースに作成するレスポンシブ対応だと、最初からスマホページを作るより安価になります。
撮影
画像販売会社から画像を入手すると安価ですが、選択肢が少なくなります。
理想的どおりのデザインやコンテンツに近づけるには、一から写真を取る必要が出てくるのです。
商品・インタビュー風景・店舗の内装・イメージ画像など、ホームページ作成に使用する写真はカメラマンによって撮影されています。
そして、このカメラマンの人件費が「撮影」という項目です。
ライティング
商品説明・インタビュー記事などのコンテンツを載せたり、効果的なキャッチコピーを考えるには、ライターが必要になります。
「 ライティング」という項目はライターの人件費です。
相場料金は1ページ2万円から。
掲載する内容や求めるスキルによって大きく差が出ます。
システム構築・機能実装
コーディングを除いた開発部分を指し示す項目。
システム構築・機能実装の基本的な内容は以下のとおりです。
- サーバー・ドメインの設定:2万円から
- CMSの導入:5万円から
- SSLの導入:3万円から
- お問い合わせフォームの設置:2万円から
「 サーバー 」はデータを保管する役割を持ち、「 ドメイン 」はホームページの住所のような役割があります。
ホームページ制作でこの二つは必須項目です。
「 CMS 」とはサイトを構築・管理・更新するシステムのこと。
自分でコンテンツを投稿できる機能をプラスした方が導入費用は高くなります。
その代わり、記事やブログの更新を別途依頼する必要がなくなり、将来の費用を抑えられるでしょう。
「 SSL 」とは送信データを暗号化する設定のこと。
無料のSSLもありますがセキュリティレベルが落ちるため、できれば有料のSSL導入がおすすめです。
それ以外にも、ECサイトの「 商品検索機能 」「 カート機能 」など、データ量・複雑性・専門性によって大幅に金額が変わります。
表示・動作テスト
制作したホームページが正常に機能するかテストして、不具合やバグを修正する項目。
「 テスト 」「 検証」「 デバッグ」とも呼びます。
相場料金は5万円からです。
ホームページの規模や機能の複雑性次第で、テスト料金は高くなるでしょう。
ドメイン移管手続き
使用しているサーバーを変更する時などに、「 ドメイン移管 」が必要になります。
ドメインを実際に管理しているのはホームページの運営者ではありません。
ドメイン管理会社( =日本レジストリサービスに認定された指定事業者 )がドメインを取得・管理しているのです。
ドメイン管理会社はサーバー会社と同じであることが多く、サーバーを変える際には移管手続きが必要になります。
ドメイン管理会社を変更する相場料金は1万円から。他の項目に含まれていたり、無料で対応する会社もあります。
ホームページ作成をフリーランスに依頼する相場
ホームページ作成をフリーランスに依頼すると、制作会社の相場より安くなる傾向があります。
制作会社の相場は小規模・中規模サイトで30万円から80万円程度です。
フリーランスの相場料金は最低でも20万から30万円ほど。
フリーランスの方針にもよりますが、価格面では柔軟な対応が期待できます。
では、フリーランスだとなぜ安くなりやすいのか?
フリーランスのほとんどは自宅で一人で作業しています。
これにより、「 人件費 」「 オフィスの維持費 」が軽減され、受注金額も引き下げられるのです。
ところが、フリーランスは品質・対応にバラつきがあり、一人だからこそ他の受注が重なれば時間もかかります。
安い金額に囚われすぎず、過去の実績ややり取りの円滑さを見て、依頼する相手を慎重に選びましょう。
関連記事:【HP制作】HP制作業者を選ぶときのポイント&業者6選!
ホームページ制作の見積もりに差が出る理由
ホームページ制作の見積もりを取ると、結果には数十万円の差が出ることすらあります。
上手に見積書を見比べるために、差が出る理由をチェックしましょう。
作業項目ごとに料金を設定
作業項目ごとにあらかじめ料金が設定されていると、見積書の内容が明確になるメリットがあります。
難易度の高い依頼をすると、プラスαで料金が加算されるでしょう。
デメリットとしては急な変更や単価交渉が難しい点。
依頼項目を増やしたり、高いオプションを選ぶと、見積もり金額は高くなります。
工数( 人件費 )で料金を設定
ディレクター・エンジニアが1日に稼働するための人件費を割り出し、必要な工数( 労働日数 )で算出する料金設定方法があります。
人材の確保をしているため、その範囲内であれば柔軟に変更できるのがメリット。
規模が大きく複雑なホームページ制作では人材の確保が優先され、この料金設定が取り入れられやすいでしょう。
しかし、作業項目ごとに割り出していないため見積もりが曖昧になるデメリットもあります。
過去の実績や提案内容を参考にして、信頼できる会社を選びましょう。
ページ単価で料金を設定
「 1ページあたり〇万円 」「 10ページまで〇〇万円 」など、ページ単価で料金設定する場合があります。
ページ単価を取り入れている会社は、ホームページの制作をある程度テンプレートしている可能性が高いでしょう。
オリジナリティを出したり、一つ一つのホームページに合わせた細かい対応を求める際には、項目ごとに見積もりした方が良いケースもあります。
外注体制でコストが高くなる
デザインやコーディングなどの作業を外注体制で補っている場合、外注コストが加算されたり日数が長くなる可能性があります。
制作会社の社内だけで全ての作業をこなすなら、外注の手間がなくなりコスト削減や円滑さに繋がるでしょう。
さらに、外注体制よりも作業スタッフのすり合わせが丁寧にでき、統一性のある仕上がりになるメリットがあります。
WordPressを導入した見積もり
WordPressとは前述したCMS( サイトを構築・管理・更新するシステム )の一つ。
知識がない人でも比較的簡単に操作でき、SEO対策にも向いています。
そのため、自力でホームページを更新したい場合におすすめです。
また、ホームページのデザインにこだわりがない場合、テンプレートを導入することで比較的安くレイアウトを作成できます。
デメリットとしては、WordPressを導入すると初期費用が高くなる点。
ホームページを更新する予定がなかったり、操作方法を勉強するつもりがない場合、導入するメリットよりデメリットが勝ってしまいます。
ホームページの見積もり金額の決め方・注意点
ホームページの見積もりには様々な項目・料金設定があり、何を基準に選べばいいのか困ってしまうことも。
そこで、ここからはホームページ見積もり金額の決め方と注意点を解説していきます。
提案書の内容を要望と照らし合わせる
ここまで見積書の内容を解説してきましたが、最も重要なのは「 提案書 」といえます。
提案書とは見積書で説明しきれない内容を補足するものです。クライアントの要望に対して、どのようにアプローチするのか記載されています。
同じ見積書の項目でも会社によって提案書の内容は変わるため、「 要望にマッチした提案か 」をチェックしましょう。
疑問・不明点は全て解消する
見積書や提案書の内容は、ホームページ制作の知識が無い人にとって難解です。
しかし、そのまま契約すると「 実は要望と違った 」「不要な機能があった 」という自体になりかねません。
積極的に質問して、疑問・不明点は全て解消したうえで決断しましょう。
クライアント目線に立っている業者なら、分かりやすい言葉で説明して一緒に理解を深めようとしてくれます。
見積書に含まれない項目もチェック
ホームページ制作した後の「 保守・運営費用 」が必要になるケースもあります。「 保守・運営費用 」は修正や不具合が出た際に対応してくれたり、更新を代行してくれるものです。
「 保守・運営費用 」は月額で料金が設定されます。サイトの規模が大きかったり、システムが複雑だと管理が難しくなり、この費用が高くなるでしょう。
見積書を見比べる時には各会社のアフターフォローの内容をチェックすることが重要です。
金額だけを判断基準にしない
機能を削ったり格安の受注者を選んだり、工夫すれば発注金額は下げられます。
ところが、金額が下がるとホームページの完成度にも影響するため、一概に安いのがいいとはいえません。
会社によって得意分野があったり、クライアントが思いつかなかった良い提案をしてくれる場合もあります。
また、アフターフォローの手厚さから金額が高く設定されているケースも。ある程度の予算感を持ちつつも、提案内容を妥協しすぎないようにしましょう。
コミュニケーションの円滑さや柔軟性
制作会社とのコミュニケーションが円滑だと要望を伝えやすくなり、満足いくホームページ制作に繋がります。
また、意見のすれ違いやトラブルがあった際、柔軟に変更してくれる会社だと安心です。
見積書のやり取りをする際は、こうした「 コミュニケーションの質 」や「 要望をちゃんと聞いてくれるか 」といった点にも注目しましょう。
また、「 どこまで修正対応してくれるか 」を事前に確認するのもおすすめです。
ホームページ制作の見積もり金額を安くするコツ
ホームページ制作の見積もり金額を安くするには、依頼内容や目的をハッキリさせることが重要です。
制作会社にとって分かりやすい要望を伝えられれば、本当に必要な項目や作業程度が明確になります。
逆に不明確だと最適な選択ができなくなり、必要以上に機能が追加されたり方向性がブレてしまうでしょう。
最初の段階で目的・要望・抱えている問題を的確に伝えることで、より良い見積もりを作成するサポートに繋がります。
おすすめ!ホームページ制作を代行してくれる会社9選
ホームページ制作をしてくれる会社は数多くあり、どれを選べばいいか迷うことも少なくありません。
そこでここからは、ホームページ制作を代行してくれるおすすめの会社を9つご紹介していきます。
【株式会社LIG】
画像引用元:「 株式会社LIG 」公式HP
株式会社LIGは東京・長野・京都・広島・長崎・大分・フィリピンに拠点を持つグローバルな制作会社。
Web制作だけでなくマーケティング・SEO対策・リスティング広告などもトータルでサポートしてくれます。
自社ブログ「 LIGブログ 」では月500万PVを達成しており、その成果からもオウンドメディアの制作・運営スキルの高さがうかがえます。
【株式会社エムハンド】
画像引用元:「 株式会社エムハンド 」公式HP
株式会社エムハンドは東京・大阪・京都に拠点を持つ会社。3,000以上ものサイトを作成してきた豊富な実績があります。
「 集客 」と「 結果 」を出すために丹念に戦略を練って課題解決するのが、エムハンドの強みです。
ホームページ制作だけでなく精度の高いコンサルティングを依頼したい人におすすめといえます。
【株式会社シード】
画像引用元:「 株式会社シード 」公式HP
株式会社シードは東京都千代田区にある制作会社。
美容・食品・アパレルなど様々なECサイトの制作実績がある、ECサイトに強い会社です。
また、リスティング・アフェリエイトなどのインターネット広告や、ランディングページ制作も得意としています。
ホームページ制作に加えて売上アップのコンサルティングも受けたい場合におすすめです。
【株式会社ティファナ・ドットコム】
画像引用元:「 株式会社ティファナ・ドットコム 」公式HP
株式会社ティファナ・ドットコムは東京都目黒区にある制作会社。
ホームページの制作だけでなく、Webコンサルティグ・動画制作・AIビジネス・SEO対策にも取り組んでいます。
1,000以上のWebサイト制作実績があり、そのノウハウを活かした運用までサポート可能です。
【株式会社イージーゲート】
画像引用元:「 株式会社イージーゲート 」公式HP
株式会社イージーゲートは東京都千代田区にある制作会社。格安ながら専属のコーディネーターがついて親身に対応してくれます。
オリジナルホームページの制作を初期費用10万円から展開しているのが魅力。
このプランにはGoogleアナリティクス( アクセス解析 )設定、SEO内部施策もついています。
さらに最短1ヶ月で納品することが可能で、時間と費用を最小限にしたい人におすすめです。
参照:https://www.studio-clipto.jp/
【株式会社フライング・ハイ・ワークス】
画像引用元:「 株式会社フライング・ハイ・ワークス 」公式HP
株式会社フライング・ハイ・ワークスは、日本WEB協会の副会長が代表を勤める制作会社。デザイン性とシステムの機能性に長けたホームページ制作を得意としています。
6,600件以上の豊富な実績があり、幅広い分野のシステム構築に対応可能です。
公式ホームページには約600件の実績が掲載されているため、イメージに合うものがないかチェックしてみましょう。
【株式会社イー・バード】
画像引用元:「 株式会社イー・バード 」公式HP
株式会社イー・バードは東京都渋谷区にある制作会社。「 日本B to B広告賞 」の受賞経験もあり、優れたデザイン性が魅力です。
また、翻訳や多言語にも対応しており、SEOマーケティングや運用も担います。
【株式会社ポストスケイプ】
画像引用元:「 株式会社ポストスケイプ 」公式HP
株式会社ポストスケイプは東京都渋谷区にある制作会社。
コンバージョン率( アクセス数に対する成果割合 )が高いライディングページ制作を得意としています。
成果に繋がるライディングページ制作を依頼したい人へおすすめです。
【株式会社バケモノ】
画像引用元:「 株式会社バケモノ 」公式HP
Webデザインアワードで々の受賞歴を持つ株式会社バケモノは、東京都武蔵野市の制作会社。
視覚効果の高いホームページ制作ですが、理論に基づいて「 分かりやすさ 」「 使いやすさ」を追求しています。
まとめ
ホームページ制作は安価なものから高額なものまで、様々なサービスが展開されています。
そして、一概に「 高ければいい 」「 安ければいい 」とはいえません。
最も重視するべきなのは、要望にマッチしたホームページを適正な価格で制作できるかです。
ホームページを制作する目的を明確にして、今回ご紹介した項目を参考に提案内容と料金のバランスを見るようにしましょう。
適切な料金か判断するには、複数の会社から見積もりを取って同じ条件で見比べることが大切です。