補助金・助成金

事業再構築補助金は個人事業主・フリーランスも申請可能|採択されやすい枠も紹介します

2021年の3月から公募が始まる予定の事業再構築補助金ですが、補助額が最大1億円という規模の大きさで注目を集めています。

しかし、公式には中堅企業と中小企業が対象になると発表していることで、「 個人事業主やフリーランスが対象になるのか 」という点に疑問を抱いている方も多くなっています。

規模の大きい補助金になるため、個人事業主やフリーランスは対象外になると考えることも多いでしょう。

実際には事業再構築補助金の対象として中堅企業や中小企業ではない個人事業主、フリーランスも対象になっています。

今回の記事では、「 個人事業主、フリーランスも事業再構築補助金の対象になるのか 」という根拠や、個人事業主が申請する場合におすすめの申請枠などを細かく解説していきます。

事業再構築補助金には補助終了後に達成すべき付加価値額( 賃上げ要件 )も存在するため、個人事業主やフリーランスならではの疑問も解決していきましょう。

事業再構築補助金の対象は中小企業基本法を基準に考える

最初に事業再構築補助金の対象に個人事業主やフリーランスが含まれるのかどうかを中小企業庁が発表している「 中小企業基準法 」をもとに確認していきましょう。

中小企業基本法とは

業種 資本金 常時使用する従業員数
製造業その他 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5千万円以下 50人以下
サービス業 5千万円以下 100人以下

まず、この表が中小企業庁が公開している中小企業の指標となっています。

あくまで原則という枠にはなっているため、法律や制度によって異なるとはされていますが、業種別に「 資本金・従業員数 」で中小企業であるかどうかを確かめることが出来ます。

中小企業は中堅企業よりも小さい企業が当てはまるため、問題は中小企業に個人事業主やフリーランスが含まれるかどうかになってくるでしょう。

中小企業庁の公式ページでは、中小企業基本法の定義の中に「 会社及び個人 」という文言が記されています。

つまり、この表に記載されている規模以下の個人事業主やフリーランスは中小企業と同等として扱われることが分かります。

事業再構築補助金の対象としては、明確に「 個人事業主・フリーランス 」という表記はされていません。

しかし、「 中小企業の範囲については、中小企業基本法と同等 」と公式に発表されているため、中小企業基本法の定義とされている「 会社及び個人 」が当てはまります。

経済産業省の公式サイトQ&Aで「 小規模事業者や個人事業主も対象になる 」という項目が追加されたため、正式に認められていると考えて問題はありません。

関連記事:【完全ガイド】事業再構築補助金とは?

個人事業主もフリーランスも同じ枠で考えて問題はない

最近では個人事業主に加えてフリーランスという言葉が浸透してきているため、少しややこしく思う方がいるかもしれません。

この2つに明確な違いはなく、どちらも「 個人 」という枠で捉えることが出来るため、個人事業主もフリーランスも同じ枠と考えましょう。

ただし、補助の制度によっては開業届が必要になることがあります。

個人で事業を行なっている場合には開業届を地域の税務署に提出することになりますが、稀に「 フリーランス=開業届を提出していない 」ということもあるため、この場合には個人事業主と同じとは言い切れません。

基本的な考えとして個人事業主とフリーランスは同じ枠にはなりますが、開業届を提出することで青色申告が出来るようになるため、個人で仕事をする場合には開業届を提出しているほうが良いでしょう。

事業再構築補助金は持続化給付金の後継制度

事業再構築補助金は持続化給付金の後継にあたる施策とされています。ただし、大きな違いがあるのは「 補助金・給付金 」という部分でしょう。

持続化給付金は事業を継続するための給付金であり、事業再構築補助金は今までの事業を変換させて新しい事業に取り組むためのものです。

給付金の大きな特徴は「 用途が限定されない 」という点でしょう。売り上げの減少など、対象となれば給付金が受け取りが可能で、どのような経費に使用しても問題はありませんでした。

しかし、事業再構築補助金の場合にはあくまで再構築に関する経費を補助する制度になるため、申請した経費にしか使用できません

また、あくまで「 補助 」ということになるため、使用する経費の全額ではなく、企業の規模や枠によって補助額が決まっています。

持続化給付金のように事業を継続するためではなく、事業を変換してウィズコロナと呼ばれる時代に対応できる事業を作っていくことが大きな目的と言えるでしょう。

もう1つの持続化給付金との大きな違いは、返還の必要性です。

基本的に補助金に返還義務はありませんが、事業再構築補助金は用途が限定されることもあり、事業計画書の内容が達成できなかった場合などは補助金の返還が必要になる場合があります

持続化給付金の後継施策ではありますが、事業再構築補助金は規模も大きくなっているため、売り上げの減少だけではなく、事業を変換していく計画が必要な補助金制度と言えるでしょう。

賃上げ要件は個人事業主の場合はどうなるのか

少し触れましたが、事業再構築補助金には返還しなければいけなくなる場合があります。主には「 付加価値額の未達成 」に対してということになります。

個人事業主やフリーランスの場合にはどうなるのかを確認していきましょう。

賃上げ要件とは

賃上げ要件という言葉自体は事業再構築補助金の説明の中では出てきませんが、「 付加価値額 」が賃上げ要件にあたります

事業再構築補助金では補助事業終了後の3〜5年で事業か従業員の付加価値額を年率平均3%以上増加させる必要があります。

これは事業計画書を作成する段階で必要になる数字で、達成できていない場合には審査も通らないでしょう。

補助金の審査に通った場合には事業計画書に基づいて付加価値額を増加させる必要があります。

達成できなかった場合には補助金の一部を返還する義務が発生する場合があります。

※付加価値額は「 営業利益・人件費・減価償却費 」の合計

個人事業主も賃上げ要件の対象

事業再構築補助金の要件自体は個人事業主でも変更はありません。基本は中小企業と同じ扱いになるため、個人事業主でも付加価値額を達成する必要があります

ただし、従業員が自分1人の場合には少し工夫しなければ達成が難しくなるでしょう。法人化していない場合には事業用の口座と個人の口座が一緒になっていることが多いはずです。

口座がまとまっていると人件費に関わような生活費の支出も経理上は事業主貸となるため、人件費としては計上できません。

しかし、事業再構築補助金の申請前に事業用と個人の口座を分けておくことで、生活費なども自身の給与として振り込み、人件費を計上させやすくなります。

基本的には申請前に口座を事業用と個人用で分けておき、普段の生活費で使用していた金額も給与( 人件費 )として個人の口座へ振り込む形にしましょう。

事業再構築補助金の採択率は低くなる可能性もある

補助金関連で気になるのが採択率でしょう。事業再構築補助金はまだ始まっていないため正確な採択率は分かっていませんが、少し予想していきます。

補助金の規模が大きい

事業再構築補助金の採択率が低くなる一番の要因として、補助金の規模が大きいことがあげられます。
補助金の制度には総額での予算が割り当てられるため、その金額を大きく上回ることはありません。

事業再構築補助金では予算は1兆円を超え、55,000社の採択を見込んでいます。

決して少なくない金額と採択数ですが、多くの企業が申し込むことが予想されるため、申し込み数から考えると採択率は低くなる可能性が高いでしょう。

事業計画書が必要になるため審査は厳しくなる可能性が高い

事業再構築補助金の申請には事業計画書が必要になります。金融機関や認定支援機関と一緒に事業計画書の策定に取り組むため、申請だけでもハードルが高いことが分かります。

また、審査内容も事業計画書をもとに行われるため、自社や個人で作成した計画書よりも支援機関や金融機関と策定した計画書のほうが採択率は高くなるでしょう。

質の良い事業計画書を提出する企業が多くなることが予想されるため、その分、審査も厳しくなることが予想されます。

審査では付加価値額を達成できる見込みのある計画書を採択する可能性が高いため、事業の変革とともに実現可能な計画書を作成することが最も重要なポイントになります。

関連記事:事業再構築補助金の申請に必要な認定支援機関とは?

個人事業主・フリーランスが採択されやすいわけではない

ここまでの内容で分かる通り、事業再構築補助金の採択は簡単ではないことが予想されます。補助金の規模が大きい点や事業計画書が必要な点も審査が厳しくなるポイントでしょう。

また、事業再構築補助金の規模が大きいことや、卒業枠やV字回復枠といった企業を成長させることに重点を置いていることが考えられます。

個人事業主やフリーランスが今回の補助金で中堅企業まで成長することは難しいため、採択されにくいという可能性もあります。

事業再構築補助金の概要を見ている限りでは、持続化給付金の後継と言われつつも、さらに経済の回復を見込んだ施策であると言えるでしょう

まだ公募が始まっていないため、詳しい採択率は分かりませんが、個人事業主やフリーランスが採択されやすいということは、なさそうです。

【 個人事業主 】GビズIDの取得方法

出典:https://gbiz-id.go.jp/top/

事業再構築補助金の申請にはjGrants( ジェイグランツ )というオンラインの行政システムからのみ申し込むことが出来ます。

jGrantsでの申請には「 GビズIDプライムアカウント 」が必要になります。

事業再構築補助金の申請前からアカウントの取得は可能になっているため、申し込みを考えている場合には先にアカウントを取得しておきましょう。

GビズIDには3種類ありますが、事業再構築補助金の申請で必要なのは「 GビズIDプライム 」です

他に、エントリーとメンバーというアカウントがありますが、プライムを取得する必要があるため注意しましょう。

GビズIDプライムの取得に必要なもの

・メールアドレス
・操作端末( パソコン )
・プリンター
・印鑑登録証明書
・登録印鑑で押印した申請書
・スマートフォンか携帯電話( PHSは不可 )

GビズIDプライムの申請には上記6つが必要になります。

印鑑登録証明書は実印の登録が必要になります。実印を持っていない場合には先に市区町村の役所で印鑑登録をしておきましょう。

GビズIDプライムの作成手順

GビズIDの作成は下記のURLから作成することが出来ます。
https://gbiz-id.go.jp/top/

出典:https://gbiz-id.go.jp/top/

写真の赤枠部分から申請に進むことが出来ます。入力画面では法人と個人事業主を選択するため間違わないようにしましょう。

最後に「 申請書の作成 」と「 OK 」ボタンをクリックすると、パソコン上での操作は終了ですが、続けて「 申請書ダウンロード 」を忘れないようにクリックして印刷します。

申請書の内容を確認し、日付の記入、印鑑登録証明書と同じ実印を押印すれば申請書は完成です。

 【 同封する書類 】
・gBizIDプライム登録申請書( 個人事業主 )
・印鑑登録証明書( 発行日より3ヶ月以内の原本 )

【 送付先 】
・〒530−8532 GビズID運用センター宛

【 注意点 】
・郵便番号( 個別番号 )と宛名のみの記載で届きます。
・郵便料金は通常郵便物と同じです。
・郵便番号( 個別番号 )は日本郵便のみの取り扱いとなります。
・宅配業社などのサービスは利用できません。

引用元:https://gbiz-id.go.jp/top/manual/pdf/QuickManual_Prime.pdf

個人事業主におすすめの申請枠

事業再構築補助金には4つの申請枠があるため、どの枠で申請すれば良いのか分かりにくいと思います。

枠の中でも個人事業主とフリーランスにおすすめの申請枠を解説していきます。

おすすめは緊急事態宣言特別枠のみ

結論としては、「 緊急事態宣言特別枠 」のみです。基本となる通常枠の申請要件と特別枠の要件を満たす必要がありますが、補助金額の設定も個人事業主向けの設定となっていることが特徴です。

通常枠の申請要件

1.申請前の直近6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前の3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
2.事業計画を認定経営革新支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業。
3.補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3.0%( 一部5.0% )以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%( 一部5.0% )以上増加の達成。

引用元:https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html

上記に加えて、緊急事態宣言の時短営業や不要不急の外出によって令和3年の1月〜3月いずれかの月の売上高が前年比か前々年比で30%以上減少している事業者が対象となっています

他の枠とは違い従業員数で補助額が設定されていますが、最大補助額が通常枠と比べても低くなっていることがポイントです。

事業再構築補助金が注目されているのは補助額が大きいという点でしょう。

特別枠は中小企業や中堅企業の事業再構築には補助額が足りないということが考えられます。

必然的に特別枠には個人事業主やフリーランスが中心の枠となるため、大きな企業と枠を取り合うよりも事業計画が立てやすく、採択の可能性も高くなる可能性があります。

さらに特別枠に申し込んで非採択になった場合でも通常枠に申し込むことが出来るため、まずは特別枠に申請するのが良いでしょう。

事業計画書の作成は「 よろず支援拠点 」を利用する

事業再構築補助金の採択のポイントは事業計画書です。採択の可否を決定する基準は事業計画書になるため、いかに優れている計画書を作成できるかが重要になるでしょう。

しかし、認定経営革新等支援機関や金融機関と事業計画書を作成する場合には費用がかかってきます。

現在の経営が厳しい状況で事業の再構築を検討している場合には、事業計画書を作成するのにも余計な経費はかけたくないはずです。

ただし、事業計画書が採択の結果につながる事業再構築補助金では適当な計画書を作成しても非採択になる可能性が高くなってしまうでしょう。

こういった場合に利用したいのが「 よろず支援拠点 」です。

よろず支援拠点は全国に設置されている経営の相談所で、各分野の専門家が在籍しているため、事業計画書の作成をサポートしてもらうことが出来ます。

無料で相談することが出来るため、事業計画書の作成を委託することは出来ません

しかし、自分で事業計画書を作成しながら各分野の専門家にアドバイスをもらうことが出来れば、十分に作成は可能になるでしょう。

よろず支援拠点 公式サイト

関連記事:事業再構築補助金の申請方法と条件

個人事業主向けのその他の補助金と給付金

今回は事業再構築補助金を中心として解説を進めてきましたが、他にも個人事業主に向いている補助金や給付金の制度が用意されています。

補助金と給付金の違いですが、補助金は利用する経費の一部を負担するもの、給付金は何かに対してではなく、事業者に対して給付されるため使用用途が制限されません。

一時支援金

対象者 給付金額
中小法人等 上限60万円
個人事業主等 上限30万円

一時支援金は新型コロナによる緊急事態宣言で影響を受けた事業者が対象になっています。

補助ではなく給付になっているため、金額は小さいですが、緊急事態宣言の影響を緩和することが目的の給付金になっています。

 給付対象要件
・緊急事態宣言の発令に伴う飲食店の時短営業、外出自粛の影響を受けている事業者が対象
・2019年か2020年と比較して2021年の1月2月3月の売り上げが50%以上減少している

申請受付期間
・2021年3月8日〜5月31日

要件としては上記になります。対象の月は1月から3月までの3ヶ月間から任意で選択することが可能になっているため、前年、前々年と比較して売り上げの差が一番大きい月を選ぶと良いでしょう。

緊急事態宣言で影響を受けやすい飲食店と飲食店に関わりのある事業に限定はされていますが、当てはまる場合には個人事業主も申請できる給付金になっています。

一時支援金事務局 公式サイト

小規模事業者持続化補助金

対象 従業員数 補助率 補助額
小売業
サービス業( 宿泊・娯楽を除く )
5人以下 2/3 最大50万円
サービス業( 宿泊・娯楽 )
製造業
その他
20人以下

事業再構築補助金の前身にあたる持続化給付金と混同されることが多いですが、実際には別の施策になっています。

小規模事業者持続化補助金はあくまで補助金となっているため、事業計画書を作成し、経費の内容を明確にする必要があります。

ただし、事業再構築補助金のような大掛かりなものではなく、商工会議所が事業計画書の作成を補助してくれるため、比較的、申請しやすい補助金と言えるでしょう。

すでに実施されている補助金の制度で、年に4回の受付が行われています。

また、採択率が高い補助金としても注目を集めているため、新しい設備の導入や新製品の開発を検討している場合には利用しましょう。

小規模事業者持続化補助金 公式サイト

ものづくり補助金

種類 補助率 補助額
一般型 中小企業:1/2
小規模事業者:2/3
1,000万円
グローバル展開型 中小企業:1/2
小規模事業者:2/3
3,000万円
ビジネスモデル構築型 定額 1億円

ものづくり補助金という名称から製造業のみというイメージがありますが、実際には生産性の向上であれば業種に関係なく申請することが可能になっています。

すでに創業していることが条件にはなりますが、個人事業主も開業届を出しているのであれば問題なく申請できます。

最大1億円の補助を受けることが出来ますが、実際には制約が多いため、最大で1,000万円と考えておいたほうが良いでしょう。

IT導入補助金

補助率 補助額
1/2以下 30万円〜450万円

IT導入補助金という名称通りにソフトウェアやIT関連の導入に利用できる補助金です。

中小企業や小規模事業者を対象としているため、個人事業主でもIT関連のシステム導入を考えているのであれば利用できる補助金と言えるでしょう。

関連記事:ホームページの作成にも使える事業再構築補助金!

まとめ

今回の記事では「 個人事業主、フリーランスも事業再構築補助金の対象になるのか 」を中心に解説していきました。

結論としては、個人事業主やフリーランスでも事業再構築補助金の対象になります。

しかし、規模の大きい補助制度になるため、事業計画書の策定と提出が必須になっています。

補助事業終了後の賃上げ要件も設定されているため、より実行可能な事業計画書を提出した企業が採択されることになるでしょう。

そういった意味でも事業規模の大きい企業が採択されやすい可能性があるため、個人事業主やフリーランスの場合には採択率が低くなるかもしれません。

個人事業主やフリーランスは事業再構築補助金の中でも「 緊急事態宣言特別枠 」に申請すべきです。

特別枠は5人以下の従業員数であれば最大の補助額は500万円と低くなっています。

必然的に中小企業の中でも大きな企業や中堅企業は申し込みがない枠になるため、個人事業主やフリーランスでも採択される可能性が高くなるでしょう。

また、申請の費用を抑えるためにも「 よろず支援拠点 」といった無料で事業計画書の作成を相談できる機関の利用をおすすめします。

規模の大きさから注目を集めている事業再構築補助金ですが、狙う枠によっては個人事業主やフリーランスでも採択される可能性があるため、申請する準備を始めておきましょう。

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