DX

【永久保存版】DXとは?定義や成功ポイント、導入事例を紹介

最近、よくインターネットなどでも「 デジタルトランスフォーメーション( DX ) 」という言葉を見かけるようになりましたが、皆さんはご存知でしょうか?

DXを一言でいうと、「 企業を取り巻く市場環境のデジタル化に対応するため、企業の経済活動やビジネスモデル、組織・文化・制度といった企業自体を変革していく一連の取り組み 」です。

しかし、電通デジタルが発表した日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査( 2020年度 )の結果では、日本企業の74%がすでにDXに着手しており、昨年比で+4%の拡大となっているものの、DXが完了したという企業は、わずか7%でした。

この結果から、何をすべきかが分からず行き詰まってしまっている企業が多いことが伺えます。

今回は、「 なぜ今、日本でDXが注目されているの? 」「 DXって、結局デジタル化と何が違うの? 」「 どうやってDXの取り組みを始めればいいの? 」というさまざまな疑問にお答えすべく、DXの定義から、DXを進めるメリット、導入のステップ、具体的な事例まで徹底解析します。

分かりやすく説明していますので、初心者の方もぜひ参考にしてみてください。

デジタルトランスフォーメーション( DX )とは?

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デジタルトランスフォーメーション( DX )について分かりやすく説明すると、AIなどのデジタル技術を活用して商品・サービスやビジネスモデル、そして業務に変革をおこし、企業がこれからの時代を生き抜けるようにしていくことです。

デジタルトランスフォーメーションは英語で「 Digital Transformation 」と表記され、略称である「 DX 」は、TransをXと省略する英語圏の慣例からきています。

まず初めに言っておくと、DXはあいまいな理解のまま取り組んでしまうと、失敗する可能性が非常に高いです。

現に、簡単な理解だけで取り組みを始めてしまい、途中でどうすれば良いのか分からず、結局その後DXを推し進めることができなかったという会社も多くあります。

ですので、焦ってDXを導入するのではなく、まずは本記事を読んで、「 DXとは何なのか 」「 どういう背景で、どういう目的があって導入するのか 」という知識をつけていただければと思います。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の定義

デジタルトランスフォーメーション( DX )は、経済産業省が発表した「 DX推進ガイドライン Ver.1.0( 平成30年12月 )」で以下のように定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

この内容から下記が分かりますよね。

  • DXは「 ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革すること 」
  • その目的は「 企業の競争優位性を確立するため 」

しかし、なぜ今DXが注目されるようになったのでしょうか?

今DXが日本で注目されている理由

日の出 海 注目

日本の企業は今、さらなるDXの必要性に迫られていると言えます。それにはどのような背景があるのでしょうか。

経産省のレポートでは、「 IT人材の不足 」と「 古い基幹システム 」の2つが今後日本の企業にとって障害となり、その結果2025年から2030年までの間に、年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある、と発表されています。これが「 2025年の崖 」と呼ばれているものです。

その一方、もしDXを上手く促進できれば、2030年には実質GDP130兆円超を実現することができるとも言われています。

つまり私たちはテクノロジーの発展に伴って、デジタル技術を駆使して大量のデータを最大限に活用し、どれだけビジネスを迅速に展開できるかが求められていると言えます。

「 年間で最大12兆円の経済損失 」と言われるとどこか他人事に思えてしまう方もいるかもしれませんが、一度考えてみてください。

同じ業界で競合他社がDXに取り組み、デジタル技術を取り入れ業務を効率化しながら、ユーザーも喜ぶようなAIを駆使した新商品や新サービスを展開していくとします。その時同じタイミングであなたの会社がDXと向き合っていなかった場合、いずれビジネスの限界が訪れます。商品・サービス自体が時代遅れになってしまうからです。

今すでにDXはあらゆる産業において最重要課題の1つとなり、日本のビジネスを継続・強化していくうえで不可欠な存在として認識されています。

関連記事:DXの市場規模や今後の拡大が予想される業種

「 デジタル化 」と「 DX 」の違いとは?

分からない 考える 男

ここまでの内容から、「 DXがデジタル技術を導入するってことなら、結局デジタル化ってことじゃないの? 」というように疑問を抱かれている方もいるかと思います。

実はここが皆さんにしっかりと理解しておいていただきたいところで、「 デジタル化 」と「 DX 」は、共にIT技術・デジタル技術の導入や活用が求められるのですが、「 最終的な目的 」が大きく異なります。

デジタル化 業務効率化やコスト削減を「 目的 」として、IT技術やデジタル技術を導入すること
DX IT技術やデジタル技術を「 手段 」として利用し、ビジネスモデルや組織、さらには企業文化・風土といったような、より広い範囲の変革を促すことで企業の競争優位の確立を目指すこと

まずデジタル化とは、紙の資料リストをデータ化したり、社員が手作業で行なっていた事務作業をRPA( Robotic Process Automation )で自動化することなどが挙げられます。つまり、デジタル技術を活用することで、自社の業務やそのプロセスをデジタル化し、業務効率やコスト削減を目指すものがデジタル化です。

一方、DXは「 デジタル化時代に対応するための企業変革そのもの 」を指しており、企業を変革するためには、多角的な観点からあらゆる改善を行なう必要があります。そのため、現場レベルの課題を解決するためのデジタル化も、DXの企業変革の中に含まれていると言えます。

「 デジタル化は企業がDXを進めていく上で初めの段階で必須となる取り組み 」だということが分かりますよね。

関連記事:DXの意味|ITやデジタルとの違いや理解するべきポイント

DXの歴史と言葉の意味

デジタル 世界 都市

実は、デジタルトランスフォーメーション( DX )はここ数年で急に出てきた概念ではありません。2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が、「 ITテクノロジーが、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる 」と提唱したことが始まりです。今から17年も前というのは意外だったのではないでしょうか。

そして、先ほどもDXの前段階としてデジタル化が必要であることを説明しましたが、他にも「 デジタイゼーション 」や「 デジタライゼーション 」という言葉もあります。

どちらも大きな括りではデジタル化を意味するのですが、少し違いがあるので音楽業界を例にとって分かりやすく解説したいと思います。

デジタイゼーション:ビジネスの一部がデジタル化すること
(例)デジタル技術の発展によってレコードからCDが主流になった
デジタライゼーション:ビジネスモデル全体がデジタル化すること
(例) スマートフォンやネット回線の発展でipodやダウンロード販売が主流になった
デジタルトランスフォーメーション(DX):デジタル技術で社会全体に革命が起きること
(例)曲を購入するのではなく、Spotifyなどのサブスクリプションサービス利用が主流になった

以上からも分かるように、デジタル化( デジタイゼーション・デジタライゼーション )は、あくまで「 何かをデジタルに置き換える 」ということに過ぎません。

しかしDXでは、これまでにない「 破壊的イノベーション 」が業界内で起こっていることが分かります。

特に若い世代は月額料金を支払って音楽を聴くことは今では当たり前になっていますが、昔はそのようなサービス形式自体存在しませんでしたよね。

こうした事例が、デジタルトランスフォーメーション( DX )の成功だと言えます。

DXの定義は、文脈によって変化する

皆さんの中で、「 DXについて勉強しようと思っても、ネットの記事ごとでDXの定義や考え方が違っていて、どれが本当の情報か分からない・・・」と混乱してしまっている方もいると思います。

その理由は、本記事でDXの最終目的は「 デジタル化時代に対応するための企業変革 」だと先述しましたが、実際はどの文脈で語られているかによって、その定義が異なる場合があるからです。

分かりやすく表でまとめてみましたので、以下をご覧ください。

社会的文脈でのDX

最も広義のDXを意味する。2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した「 ITテクノロジーが、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる 」という概念がこれにあたります。

ビジネス的文脈でのDX

「 0→1 」を志向したDXを意味する。デジタル化を手段としてAIなどのITツールを取り入れ、企業やビジネスモデルそのものを変革させるという概念で、本記事では最終目的としておいている考え方です。

経産省が唱えているDX

積極的にデジタル化を進め、既存システム・組織体制を包括的に変化させることを意味しています。デジタル時代に伴い、「 日本のDXの遅れを取り戻そう!」というようなメッセージ性があります。

関連記事:DX銘柄|経済産業省が選出するポイントと注目企業

DXが企業に必須な理由

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文脈ごとにDXの定義に違いがあるものの、ここまで読んでいただいた方は、DXがどのようなことを指しているかはある程度イメージができてきたと思います。

そこで改めて、企業にDXが必要な理由をまとめると、主に以下の2点だと言えます。

  • DXの実現で、生産性向上やその市場で有利に立つため
  • 既存システムなどからくる維持費高額化( 2025年の崖 )のリスクを回避するため

次に、DXを推進するメリットと、推進しない場合に起こりうるリスクについてそれぞれ解説していきます。

DXを導入する3つのメリット

会議 本

先ほども単なるデジタル化とは違うとお伝えしましたが、DXの実現はコスト削減や生産性を向上するだけではありません。データを活用するためのシステムを整備し、従来の古いビジネスモデルを変革することができれば、競合他社より優位になり、その業界でビジネスを成功させる確率が高くなります。

DX導入に取り組む代表的なメリットは、以下の3つになります。

  • 業務の生産性、業務精度が向上する
  • 新たなビジネスにつながる
  • 事業の幅が広がり、収益が増える

それでは、それぞれ順に説明していきます。

メリット1:業務の生産性・業務精度が向上する

まず1つ目は、DXを導入することで企業の生産性や業務精度を向上できることです。

ITツールを活用してデジタル技術を業務に組み込めば、「 作業工数の削減や業務の効率化 」「 人的ミスがなくなり、正確性が向上する 」「 24時間365日継続して作業をしたり顧客対応ができる 」など様々な効果が期待できます。

これらに関してはITツールの有効活用、すなわち「 デジタル化 」なのでDXの初期段階に過ぎませんが、業務を最適化することで、優先度の高い業務に社員をアサインできるようになるなど、「 企業の生産性を総合的に上げる 」という大きな恩恵を受けることができます。

メリット2:新たなビジネスにつながる

2つ目のメリットは、新たなビジネスを生み出すことができる点です。冒頭でも、DX本来の目的が「 生産性向上の先にある、新たな商品・サービスやビジネスモデルの開発 」であることはお伝えしましたよね。

後ほど事例で詳しく紹介しますが、先ほどの音楽業界の例でお話したSpotifyなどの「ストーミング配信サービス」や、Uberなどの「 タクシー配車サービス 」がこれにあたります。

もしDXを推進しないまま何年も経ってしまうと、人々に受け入れられない「 時代遅れのサービス 」しか提供できなくなってしまう危険があります。今後売れる商品・サービスを開発するにはDXへの対応が欠かせないと言えるでしょう。

関連記事:DXでビジネスを変えるためにすべき必要事項を紹介

メリット3:事業の幅が広がり、収益が増える

3つ目のメリットは、事業の幅を広げられるという点です。先ほど新たなビジネスにつなげることがDX本来の目的と言いましたが、ここにたどり着くまでには本当にたくさんの時間と労力が必要になります。

そこで知っておいていただきたいことが、「 新しいビジネスを0から立ち上げなくても、DXを推し進めることで既存のサービスの幅を広げることもできる 」ということです。

新型コロナウイルスが流行した昨年、DXに取り組んでいたかどうかが企業の収益の明暗を分けたとも報道されています。

例えば、コロナ禍でなかなか外に出られない状況でも、インターネットで購入できるベースを作っていた家具屋のニトリや、その場所に行くことが当然であったスポーツジムなどのサービスも、動画配信で会員が自宅にいながら運動やヨガを楽しめるようなコンテンツを提供したことで売り上げを守ることができました。

今回は新型コロナウイルスの影響で企業の変革が余儀なくされましたが、これから先、一体他にどんなことが起こるか分かりません。災害など様々な状況を想定し、DXに取り組んでライバル企業に差をつけましょう。

DXを導入しないで発生する3つのリスク

会議 悩み リスク

DXを導入しない場合、その企業には以下のような3つのリスクが発生します。

  • 既存システムの維持・運用に高額なコストがかかる
  • データの喪失、ブラックボックス化が起こる
  • 業界内で従来のビジネスに限界が来る

場合によっては、これらをビジネスホラーストーリーとして伝えた方が、「 このままではいけない、早急にDXに取り組まないと! 」と、自社内のモチベーションや行動につながるかもしれません。

それでは、DXを導入しない場合に発生するリスク3つについてそれぞれ詳しく解説していきます。

リスク1:既存システムの維持・運用に高額なコストがかかる

長年使い慣れているものだったとしても、自社の中でシステムの保有から運用することは、メンテナンスはもちろん、機能拡張等も必要となり大きなコストがかかります。

それに既存システムを状況に合わせて、あれやこれやと後から付け加える形でカスタマイズしてしまうとより複雑になるので、はっきりと言ってデメリットのオンパレードです。

近頃では、インターネット経由でセンサーと通信機能を持った「 IoT( Internet of Things:モノのインターネット ) 」を始めとするデジタル技術やクラウドシステムも普及していますので、コストを抑えたシステム構築が可能となっています。

早い段階でDXに取り組み、どんどん費用がかさんで使いづらくなる状況から脱却しましょう!

リスク2:データの喪失、ブラックボックス化が起こる

先ほどの既存システム問題に関連しますが、DXを導入しないとデータの喪失や、社員間で操作方法が十分と引き継がれないブラックボックス化が起こるリスクがあります。

今の時代、ビジネスにおいてデータの重要性は非常に大きいので、そのデータを失うということは自社の財産を失うのと同じです。

特に、古いシステムをクラウド化( インターネットを通して展開 )せずに使っている場合は要注意です。何かの原因でデータが損失した場合にデータの復旧が困難になりますので、クラウドシステムを利用するようにしましょう。

また、既存システムを利用していく場合、退社などを理由にそのシステム全体を把握できる人材がどんどん少なくなり、社内で対応できなくなるなどの問題も起こります。

企業にとって価値のある財産であるデータを守り、どんなスタッフでも常に更新されるシステムを使いこなすことができる環境を整えるためにも、DXに取り組みましょう。

リスク3:業界内で従来のビジネスに限界が来る

先ほどは音楽業界の例をお話しましたが、今、テクノロジーの進化にともなうDXはあらゆる分野で進んできています。破壊的イノベーションの到来を多くの専門家が予測していて、「 第4次産業革命 」が起こるのでは、とまで言われているのが事実です。

インフラ業界に関しても、あまり変化することはないのでは?と思われていましたが、テスラなどの新興企業が進出してきましたよね。

しばらくは従来のビジネスモデルでも通用するかもしれません。しかし、今、国内外のあらゆる業界でDXは確実に進んでいるため、自社がDXに取り組まないという選択をすると、本来対応すべき市場の変化についていけなくなる可能性が高いです。

これからますます、競合他社は移りゆく社会の需要と消費行動に対応しながらビジネスを展開していきます。ライバル企業に遅れを取らないためにも、常に時代の流れに対してアンテナを張りながらDXに取り組みましょう。

関連記事:DXのメリットやデメリットから活用事例まで解説

DX推進のハードルとなる「 5つの課題 」とは?

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実は、日本国内でもDXの重要性を感じて取り組む企業は増えてきているものの、円滑に進んでいるとは言えない状況です。この記事を読んでいる方の中に、「 DXに取り組み始めてみたものの、行き詰まってしまっている・・・ 」と感じている経営者の方もいるのではないでしょうか。

では一体、何が原因でこのような状況を生んでいるのでしょう。

次に、DXを推進するにあたり想定される課題について解説します。

関連記事:DX推進で取り組むべき課題と解決するためのポイント【ガイドライン有り】

課題1:適切な目的・目標設定が難しい

デジタル技術を活用することの重要さを多くの経営者が理解しているものの、「 実際にどうしたら良いかが分からない 」ということが1つ目の大きな課題です。

先ほどもお伝えしたようにDXの定義は個人によって認識が異なるため、「 この通りにすればよい! 」というマニュアルは存在しません。そのため、DXに取り組む目的や目標を決めることが難しく、どうしても上手く進めていくことができません。

そのような状況を防ぐためにも、まずは「 DXを通じてどうなりたいのか 」「 DXを通じて何を達成したいのか 」を社内でディスカッションし、経営者をはじめとする経営層自らがDXのビジョンを持つことが第1ステップだと考えるようにしましょう。

課題2:IT人材の不足でDXを推し進める人がいない

次に課題となるのが、優秀なIT人材が企業内にいるかどうかです。目標設定が固まったとしても、実際にDXを推し進めていく人材がいなければそれ以上進めることができません。

すでに社内にそのような人材がいれば問題ありませんが、今、日本だけでなく世界で見てもエンジニアは不足しており、優秀なIT人材を確保することはなかなか難しいです。仕事のできるエンジニアは、若くても能力があれば高い給料をもらうことができるような給与システムを取り入れているベンチャー企業を選んで入社するケースも多々あります。

社内でDXのために必要なIT人材を確保する場合は、採用・教育面も構築し直さなければならないこともあるでしょう。

自社で確保するのが難しい場合は、システム会社などに協力を依頼するのもひとつの手です。

関連記事:DX人材に求められる必須スキルと6つの職種

課題3:攻めのIT投資をする企業が少ない

日本国内では、IT関連費用の内、約8割が既にあるビジネスの維持・運営に充てられており、新たなサービスの開発などにIT投資を行う企業が非常に少ないことが分かっています。

日本がIT予算の多くを業務効率化・コスト削減に利用しているのに対し、一方アメリカではITによる製品・サービスの開発に利用しているという結果からも分かるように、日本は「 守りのIT投資 」、アメリカは「 攻めのIT投資 」を行う傾向があります。

このような日本の風潮が背景にあることからも、新たなコストをビジネスの変革にかけたり、人材を割り当てることに踏み切れず、DXをゴリゴリ推し進めることができない企業が多いのが事実です。

関連記事:DX化と投資の関わりから注目される銘柄や税制まで解説

課題4:費用対効果がなくても取り組み続ける必要がある

DXで成果を出すためには、とても長い期間努力し続ける必要があります。

DXを推し進めるにはまずビジョンを固めて、そこから専門の部署を立ち上げたり、イノベーションへの投資をすることになるのですが、収益を出すまでにはある程度の時間が必要になります。

そのため、費用対効果で考えると初めの段階は苦しいというのが現実です。

どの企業も同じように立ちはだかる壁ではあるのですが、費用対効果が感じられないせいで、やる気がなくなってしまったり、取り組み自体がストップする可能性もあります。

課題5:既存のシステムが複雑化しすぎて連携できない

既存の社内システムが複雑化していたり、部門ごとに個別で最適化したシステムを利用している場合、DXをしようにもデータの活用や連携が難しいことがあります。

そのような状況で上からカスタマイズしてもどんどん自分たちの首を絞めるだけですので、DXする際には業務プロセスを見直すだけでなく、新たなシステムへ移行させましょう

それができれば、DXに取り組まない場合に起こりうるリスクとしても説明した通り、システム障害が発生した場合に迅速な対応ができるようになったり、システム運用のコストもぐんと抑えることができます。

関連記事:DXの5つの課題と解決策

DX推進に必要な「 6種類の職種 」とは?

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では、DXを実施するには具体的にどのような役割、スキルが必要になるのでしょうか。

2019年に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表したデジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査では、以下6種類の職種をDXの推進に必要な人材として定義しています。

プロデューサー( リーダー )

プロデューサーはDXの実現を主導するリーダー格の人材で、最高デジタル責任者( CDO )もこれにあたります。DXの最終目標はビジネスの変革です。それを成し得るには「 自社のビジネス・戦略に関する深い理解 」が求められるため、既存の社内人材を育成してプロデューサーを任せることが多いです。

ビジネスデザイナー( 企画職 )

ビジネスデザイナーはDXやデジタルビジネスの企画や立案、推進などを担う人材で、プロデューサーと共にDX推進の中核になる存在です。このビジネスデザイナーも、既存の社内人材育成から獲得しようと考える企業が多いです。

アーキテクト( 設計士 )

アーキテクトは「 建設する者 」といったような意味の言葉で、DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材のことを指します。ITアーキテクトとほぼ同義の職種になり、プログラマーやシステムエンジニアとは違って「 経営的視点 」が必要になります。

データサイエンティスト / AIエンジニア

データサイエンティスト、AIエンジニアとはDXに関するデジタル技術( AI・IoTなど )やデータ解析に精通した人材のことです。DX推進における課題のところでも説明しましたが、ニーズが急上昇しているものの、IT人材は不足しています。社内で育成するにもなかなか時間がかかるため、即戦力を求めて中途採用を行うケースが多いです。

UXデザイナー

UXデザイナーとはWebサイトの制作に関わる職種のひとつで、ユーザーにとって使い心地の良いシステム・ビジュアルをデザインする人材のことです。従来の「 Webデザイナー 」の延長線上にある職種であることから、育成・採用は他の職種に比べてそう難しくないと言えます。

エンジニア / プログラマ

エンジニア、プログラマとはデジタルシステムの実装やインフラ構築などを担う人材を指します。この職種は従来のITエンジニアとほぼ同義なので、データサイエンティストやAIエンジニアに比べると育成・採用がしやすいのが特徴です。

ITエンジニア(プログラマ)とAIエンジニアの違いは?

一般的には、エンジニアがシステムの仕様書を作成し、それに基づいてプログラマがプログラミングを行うという流れで作業が行われます。プログラマやシステムエンジニアは「 ITエンジニア 」とも呼ばれますが、「 AIエンジニア 」はまた別の職種です。

プログラミングやコンピュータサイエンスのスキルや知識は両者ともに必須となりますが、「 仕事内容 」と「 その他必要となる知識 」が異なります。

プログラマの仕事 コードを書きプログラムを構築すること
AIエンジニアの仕事 コンピュータの仕組みを理解したうえで、AIに学習させ課題を解決すること

DX実現に必要な5つのテクノロジー

テクノロジー

先ほどのトピックではDX推進にどのような人材が必要になるかについて紹介しました。

しかし、会社によってはそのような人材を確保するのが難しい場合もあると思います。その際は、DXのコンサル会社などに相談してみるのもおすすめです。

そして人材の次に紹介するのは、DX実現に必要となる「 モノ 」です。DXには最先端のデジタル技術の力が不可欠になります。

それでは、DX推進を支えてくれる代表的なテクノロジーを5つ紹介します。

クラウド

クラウドとは、メールソフトなどのソフトウェア、サーバー、ストレージなどのインフラを自社内に持っていなくても、インターネットなどのネットワーク経由でそれらの機能を利用できる仕組みのことです。近年では、写真や資料などをインターネットを介して管理できる「 Googleドライブ 」などをはじめとする様々なクラウドサービスが存在します。クラウドを利用することでビジネスのスピード感もアップしますし、自社で所有し管理するオンプレミス型のシステムから移行することで、システムの維持費の削減にもつながります。

IoT

IoTは「 Internet of Things 」の略で、「 モノのインターネット 」とも呼ばれています。車や家電、建物など、これまでインターネットに接続されていなかった「 モノ 」をインターネットにつなぐことでモノの状態や人間の行動などの情報を収集・分析し、そのデータを活用することで新たなサービスを生み出す技術のことです。例えば、最寄りの駐車場で車を気軽に借りることができるカーシェアリングのサービスにもIotの技術が使われており、車の位置情報や利用時間などの把握を可能にしています。

関連記事:DX実現のためにIoTを導入する方法やメリット、必要性

AI

AIは「 Artificial Intelligence 」の略で、学習や言語の理解、予測、問題解決など、人間にしかできないと考えられていた知的な行動の一部を、コンピューターで再現する技術のことです。AIは、言語処理、画像認識、音声認識、単純作業の4つが可能で、ビジネスでのAI利用は急速に普及しています。AIによる顔認識システムを導入したり、問い合わせ対応にAIを導入するなど、その用途は多岐に渡ります。

関連記事:DXとAIの関係性から背景・事例・推進ポイントまで解説

5G

5Gは「 5th Generation 」の略で、「 第5世代移動通信システム 」のことです。現在使われている4Gよりもさらに高度な無線通信システムになり、4Gから5Gに切り替わると通信速度はおよそ20倍になり、10倍の端末への同時接続が可能になるとまで言われています。 5Gが普及すれば、今まで以上にさまざまなモノがネットワークに接続され( IoT )、生活のあらゆるところで通信が行われるようになると予測されています。端末の同時多接続ができるようになれば、大容量の高精細なデータを送受信できるようになるため、遠隔地からの映像を利用した「 遠隔治療 」や、互いに通信して車間距離を保ち、安全に走行することができる「 車の自動運転 」が普及することも考えられています。

モバイル

モバイルは移動先や外出先で通信できる技術のことです。一般的にはスマートフォンやタブレット型PCといった「 モバイル端末 」を指すことが多いですが、DXにおいては「 それらのモバイル端末を活用してビジネス活動を行うこと 」を意味しています。また、在宅勤務中にもモバイル端末を利用して社内会議に参加したりと、「 時間や場所に縛られることのない働き方 」を可能にする通信技術とも言えます。モバイルを上手く使うことで、業務の効率化や社内のコミュニケーションを活性化することもできます。

DX導入の5つのステップとは

ここまでDXに必要な「 ヒト 」と「 モノ 」について紹介してきました。次は、DX導入のスタート地点として、組織としてデータ活用、業務や管理のデジタル化を進めて行くために必要な5つのステップについてご紹介します。

DX実現は簡単ではないため、途中で立ち止まってしまう企業も多いですが、ステップごとの定着を丁寧に検証していくことでスムーズにDXを進めることができますよ。

関連記事:最初はロードマップで道筋を作る!作り方とポイント

DX導入ステップ① デジタル化

ウェブ上のアプリやクラウドなどを導入する。様々なツールをデジタルに置き換えて、まずはデータの蓄積が可能な環境を作ることがDXの第1段階となります。具体的には営業支援ツール勤怠管理ツール経費管理ツール生産管理ツールなどが代表的です。今まで紙に記入・印刷をして申請したり、管理していたものを全てWEB上で完結できるようにしてみましょう。自動車配車アプリ「 Uber 」でも、アプリとクラウドの活用によって「 タクシーの空車情報のデータ化 」が実現されています。

関連記事:企業がDXする際に必要となる「 IT化 」

DX導入ステップ② 業務の効率化

デジタル化ができれば、そこで蓄積したデータを業務やマーケティング、サービス向上のために活用していく段階に入ります。例えば営業支援ツールを活用している場合、営業スタッフの訪問履歴と受注履歴のデータに着目することで、「 受注するためには、どのタイミングで何回訪問すれば効果があるか 」を導き出し、業務を効率化することができます。この段階では、日々蓄積されていくデータから何を見出し、どのように活用するかという「 企画力 」も重要です。自動車配車アプリ「 Uber 」では、データ化された空車情報を用いて、システム的にユーザーに自動車をマッチングさせていることが業務の効率化にあたります。

DX導入ステップ③ データの共通化

特定の部門内だけでデータを共有するのではなく、会社全体、あるいはグループ会社内でデータを活用するためのプラットフォームを構築する段階です。会社全体で共通のKPI( 評価項目 )を設定したら、まずは仮説を立て、施策の実施、データで検証する。という活動の反復をしていきましょう。データに関するプラットフォームを構築することで、蓄積したデータを他部門の業務効率化や新規事業の展開にも活かすことも可能になります。データの共有化の段階を自動車配車アプリ「 Uber 」で例えると、Uberで利用していた配車システムを飲食宅配に応用した「 Uber Eats( ウーバーイーツ )」がそれにあたると言えます。

DX導入ステップ④ 組織化

次に、蓄積されたデータや構築したプラットフォームを、より効率的に運用するための組織を作り上げる段階に入ります。その目的は、組織を固め、業務フローを明確にするためです。この段階でデジタル専門部署が作られる場合も多いです。企業規模やポテンシャルにもよりますが、これまで以上に積極的なデータ活用やデータに基づいた意思決定が行えるようになります。一部の先進的な企業ではこの組織化を進めているところもありますが、ほとんどの企業がここまでたどり着いてないと言えます。

DX導入ステップ⑤ 最適化と反映

会社のビジネスにイノベーションを起こすDXの最終段階です。DX導入の本来の目的はここを達成するためにあります。データなどの「 デジタル資産 」をフルに活用して、新規事業や新サービスの立ち上げ、あらゆる事業計画のブラッシュアップを行います。しかし、日本にあるほとんどの企業では、この「 最適化と反映 」のステップまで到達していません。ここにたどり着くまでのステップを着実に進んで行くにはかなりの時間や労力が必要になりますが、今後はこの段階を目指して業界問わずさまざまな企業がDXを推進していくことは間違いないので、ぜひステップ①の「 デジタル化 」から順に取り組んでみてくださいね。

デジタルトランスフォーメーション( DX )の事例

事例

DX導入に必要な5つのステップは理解していただけましたでしょうか?それぞれのステップを着実に踏んでいくことが非常に重要になりますので、曖昧な方はもう一度読んでみてくださいね。

ではその5つのステップを達成し、実際にDXを実現した事例を5つ紹介します。

関連記事:DXに取り組んだ20の会社

【タクシー配車アプリ】代表例:Uber( ウーバー )

タクシー配車アプリは、DXの代表的な事例のひとつです。これまで私たちはタクシーを呼びたい時、タクシー乗り場に並んだり、道端で手を挙げて呼び止めることが多かったのではないでしょうか。また、私たちが電話で配車をした際には、タクシー会社の社内で無線で運転手と連絡を取り、口頭による位置確認だけで配車車両を決定していました。

しかしその後、DXによってタクシーとスマホの位置情報を利用するようになった「 タクシー配車アプリ 」が登場しました。タクシー配車アプリで代表的なUberの場合、スマートフォンでUberアプリをダウンロードし、行きたい場所を指定すれば近くにいるドライバーをAIが探してくれます。これは、私たち利用者とタクシー会社の双方にとって、手間のかからない効率的なタクシー配車を可能にした成功事例だと言えます。

アプリ上で乗車前に運賃を確認できる点や、配車される自動車およびそのドライバーの情報、自分の現在地までの到着時間も一目で分かる点も安心ポイントです。また、説明が難しい目的地であったとしても、アプリを通して事前にドライバーに行き先を伝えているため心配ありません。顧客の「 あったらいいな 」「 これができたら便利だな 」というニーズを全てサービスとして実現しただけでなく、日々アプリを通してAIが顧客データを収集し、顧客の動向を蓄積してサービス改善に役立てるというサイクルも◎です。

【民間宿泊施設紹介サービス】代表例:Airbnb( エアビーアンドビー )

これまで大規模な旅行予約サービスが続々と登場したことなどから、民間の宿泊施設は消費者にアピールする場所や機会が少なく、宣伝の面で課題を抱えていました。

しかし、DXで「 安い料金で宿泊したい人 」と「 民泊利用を希望する宿泊施設 」を結びつける「 民間宿泊施設紹介サービス 」が登場したことで、新しい宿泊市場層の開拓に成功しました。

代表的なのが自宅の空き部屋を活用し、宿泊サービスを提供するインターネット上にあるプラットホーム「 Airbnb 」です。Airbnbは世界192カ国以上で民泊を提供しており、利用する際に誰かと電話でやりとりをする必要はありません。デジタル化しているため、民泊を提供する側も、利用する側も全てインターネット上で完結します。

また、Airbnbでは2016年から体験型サービスの販売もスタートしており、陶芸や観光地案内など、宿泊施設を提供するホストが自分のスキルを使ったアクティビティなどを提供できるようになりました。宿泊施設だけでなく「 体験 」まで提供できるようになったAirbnb。今後はさらに「 モノ 」から「 コト 」を重視したシェアリングエコノミー型サービスの展開が進んでいくと予想されます。

【CtoCフリーマーケットアプリ】代表例:メルカリ

従来、個人間で不用品を売りたい人と買いたい人を結びつける場は、地域のフリーマーケットや雑誌の特設ページくらいしかありませんでした。しかしその後インターネットが普及し、DXを実現させたことで「 ユーザー同士が直接商品を売買できる場 」の提供が可能となり、フリマアプリのニーズは急上昇しました。

代表的なのが日本最大級のフリマアプリ「 メルカリ 」で、今や月間利用者数1500万人、累計出品数15億品を超える人気を誇ります。ユーザーの環境・消費行動の変化に合わせた「 スマホ完結型サービス 」で、スマホさえあれば簡単に出品、購入できるのが大きな特徴です。

そしてさらにDXに取り組むことで管理しているユーザーのデータを上手くビジネスに活用することに成功し、互いの氏名や住所を公開しない状態で商品を発送・受け取りできる「 匿名配送 」や、あて名書きせずに発送できる「 らくらくメルカリ便 」などのサービスもスタートさせました。

他にも、「 メルペイ 」はPayPayやLINEpayなどと同様のスマホ決済サービスで、メルカリでの販売で得た収入をオフラインでの買い物で利用することもできます。メルカリは「 売買ができる場 」の提供に留まらず、国内における既存ビジネスとは異なる付加価値をユーザーに提供して成功した代表例です。

【ストリーミング配信サービス】代表例:Netflix( ネットフリックス )、Spotify( スポティファイ )

これまで音楽や映画はCD・DVDなどのメディア媒体を購入したり、TSUTAYAなどのレンタルビデオ店で借りるというのが一般的でした。しかし、近年では音楽や映画がデータ化されたことで、メディア媒体などの「 モノ 」の需要が大きく下がり、CDやDVDの販売数は激減しています。

その一方、インターネットの仕組みの活用からDXがもたらした「 ストリーミング配信サービス 」が大きく注目され、音楽業界・映画業界に大きな変革をもたらしました。

DVDレンタルの会社として創業したNetflixは、デジタル通信技術の発達に伴いサブスク型( 月額定額制 )の映像ストリーミングサービスを開始しました。そこではこれまでに発売されたものだけでなく、Netflixオリジナルで製作された高クオリティな作品も配信されており、多くのユーザーに視聴されています。

また、Spotifyでは月額定額制で約5,000万曲がスマホやタブレット、ゲーム機など様々なデバイスで聴き放題になるサービス「 Spotify 」を開発しました。DVDと同様、これまでインターネット経由で音楽を聴くという文化はありませんでしたが、これをきっかけに多くのレコード会社がサービスに加わり、定額サービスの分配金から収益を得る収益モデルに変化していきました。

NetflixとSpotifyに共通することは、月額料金さえ支払えばユーザーはコストを気にせずに多くの映像・楽曲を視聴できることや、今人気のある作品・曲がリアルタイムで共有され、楽しめる点です。これらのサービスにより、より映画や音楽が私たちにとって身近な存在になったのではないでしょうか。

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DX導入手順は経済産業省のガイドを参考に進めよう

出典:デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン

先ほどDX導入の5つのステップについて解説しましたが、実際に企業でどのように取り組んでいくか、という具体的な手順は経済産業省のガイドで紹介されています。内容は多岐にわたるので、ここでは全体の概要を紹介します。

DXのステップ 各ステップの詳細

ビジョンの共有 デジタル技術で何をするか、危機感を持って決め、社内共有
経営トップ層のコミット DX成功企業は経営トップが号令をかけているため、経営トップが先陣に立つ
マインドセット トライアンドエラーを伴うので継続的に取り組むことを意識させる
体制とKPIの構築 権限委譲したチームの発足と具体的なDX導入の指標を作る
評価と意思決定、予算配分 ここまでの取り組みを振り返り、DX導入の意思決定と予算を決める
推進とサポート 全社的に協力しながら取り組み、場合によっては外部との連携も検討する
人材育成と確保 DC導入に必要な人材の育成と確保を適宜おこなう

事業やビジネスモデルのDXを実現するなど、5つのステップのところで紹介した「 最終段階 」にもっていくためには上表以外にも取り組むべきポイントが多数あります。

しかし、業務と事業のDXを同時に進めていくと収拾がつかなくなるリスクがあるため、まずは業務のDXに集中するのがおすすめです。

ここで、業務のDXで実現できることをいくつか紹介します。

業務のDX化 ~営業部門・管理部門~

まず営業部門ですが、デジタルツールを導入して業務効率の向上を目指すことは、人手不足を補う点で営業部門にも大きな意義があります。また、これは今後の売上拡大を狙う・利益率を向上する共通の手段にもなります。営業部門のDXとして代表的なものは以下の3つです。

  • 対面での対応をWeb接客にシフトする
  • SFA/CRMで業務を「 見える化 」する
  • チャットボットに顧客対応を任せる

そして、管理部門です。総務や経理などの管理部門でデジタル技術を駆使することで、生産性向上やコスト削減を実現できます。withコロナ時代だからこそ、働き方の多様化、従業員満足度の向上にも繋がると言えます。管理部門のDXとして代表的なのは以下の3つです。

  • RPAでデスクワークを効率化・自動化する
  • 書類のペーパーレス化でデータを一元管理
  • テレワークで仕事効率UP、コスト削減を目指す

業務のDXについての概要を知りたい方はこちらの関連記事をご覧ください。

関連記事:デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?企業の導入事例とメリット、課題を解説

DX導入手順のまとめ

DXに取り組むなら、まずは営業支援ツールや経費管理ツールなどのクラウドサービスを導入し、部門業務の生産性向上に努めていきましょう。事業や組織の変革はその後です。

最初はビジョンの共有による経営幹部層の説得や稟議が必要になるため、「 なぜDXに取り組むのか 」という理由と、「 計画スケジュールを具体化することを優先してください

また、DX導入手順のガイドラインの詳細は「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」より確認することができます。

関連記事:DX導入のための必要な5つの準備

DXを成功させた日本企業に共通する3つのポイント

幸せ 成功

ここまでDXの概要や、導入手順について紹介してきました。しかし、実際に取り組むとなると、DXを推進しようと考える経営者と現場の意識に乖離が生じてしまい、うまくDXを進展させられないケースが非常に多いです。

DXを成功させた日本企業の共通点 - 日経ビジネス」の記事によると、日本国内でDXを成功させている企業の多くは以下の3つのポイントを実践していると書かれています。

  • トップが号令を出し、制度・ルールを含めた業務改革に取り組んでいる
  • 抜本的な改革の成功体験を積み重ねている
  • デジタルを活用するだけではなく企業文化を変える

さらに、成功までのプロセスとして3つのフェーズを順にたどっていることがほとんどだそうです。その3つのフェーズを分かりやすく表にしたので、ぜひ参考にしてください。

第1フェーズ 「 現場主導のトライ&エラーで社員がデジタル化の効果を実感する 」
デジタルテクノロジーを実際に社内で利用していくフェーズ。現状、多くの日本企業がこの段階で止まっています。
第2フェーズ 「 トップ主導で抜本的な改革を進めていく 」
規模が大きく効果が見込める業務を対象に、制度・ルールの見直し等も伏せて、業務の再構築していくことが求められます。そのような取り組みの成功体験を現場の社員も積み上げていくことで、従来のやり方を「 変える 」ことに対する、心理的な抵抗感を撲滅していくことがポイントです。
第3フェーズ 「 自ら変革するという意識を社内に浸透・定着させる 」
恒常的に社内の改革を推進する体制や、仕組みを構築し、自ら持つことが重要になります。ここまで実現して、初めてDX成功と言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。企業でDXをスムーズに成功させるためには、 各領域の業務をデジタル化 → 組織を変革 → 新しいビジネスモデルへ 」という流れをたどることが重要になります。まだ書類を紙でやりとりしている会社は、まず営業支援ツールや経費管理ツールを導入するなど、業務のデジタル化からスタートしましょう。

また、このステップを駆け上がっていくには相当な時間がかかるため、長期的な視線で、意思決定を的確かつ迅速に行うことが企業には求められます。

データを上手く活用しつつ、既存ビジネスの変革に力を入れ、新規事業を立ち上げる、というような方法で業界内での競争力を高めていきましょう。