DX

DXの意味は?ITやデジタルとの違いや成功事例・ポイントを解説

DX( デジタルトランスフォーメーション )は経済産業省が2018年に公開したレポートにより注目を集めています。

DXとは、デジタル技術を導入するだけではなく、デジタル技術を活用して会社組織や、業種で変革を起こしていくことを指します。

しかし、日本企業はアメリカやヨーロッパと比べてもDXの促進率は低く、まだまだDXを成功させている企業は少ないと言えるでしょう。

原因の一つとしては、DXの意味を理解しきれていないことが挙げられます。

この記事では、DXの意味だけではなく、日本企業の現状や取り組むべき内容、DXの導入ステップや必要な情報をまとめています。

DX( デジタルトランスフォーメーション )とは

DXはデジタルトランスフォーメーションの略称です。

よく誤解されている内容として「 IT化・デジタル化 」がありますが、DXの意味がはっきりと理解できるように解説していきます。

DXと略される意味

DXは日本語では「 デジタルトランスフォーメーション 」と読み、英語表記では「 Digital Transformation 」になります。

本来であれば頭文字を取り、「 DT 」という表記になりそうですが、Transは交差するという意味を持ち、アルファベットでは交差をXの一文字で表すこともありDXと略称されています

他にもプログラミング用語でDTが存在していることから、あえてDXという略語になりました。

DXの定義

DX自体は2004年にスウェーデンの大学教授が提唱したことが始まりです。

すでに大まかな定義としては最初から変わりはなく、「 ITやデジタル技術を使用してビジネスシーンや生活に変革をもたらす 」ということです。

でのDXに対する定義も大きくは変わりませんが、参考にするべきは経済産業省の「 DX促進指標とそのガイダンス 」でしょう。

経済産業省はDXを以下のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

引用元:「DX 推進指標」とそのガイダンス

文面には「 変化 」や「 変革 」が出てくることから、組織やビジネスモデルの変革が求められていることが分かります。

IT化やデジタル化との違い

DXはIT化やデジタル化と同じと思われていることが多くあります。

同じと考えることから、「 デジタル技術を導入しているからDXを促進している 」と考える企業が多く、日本のDX促進率が世界と比べて低くなっている原因とも言えるでしょう

実際にDXとIT・デジタルは切り離せないものですが、技術を導入するだけではDXの一部にしかならず、あくまで始まりの一歩となります。

ITやデジタルはDXに必要なものでも、DXの全てではないと考えておきましょう

デジタイゼーションとデジタライゼーションの違い

先ほどの項目と近い部分がありますが、「 デジタイゼーション 」と「 デジタライゼーション 」という2つの言葉があります。

2つとも簡単に訳せば「 デジタル化 」ということになりますが、「 デジタイゼーション 」は部分的なデジタル化、「 デジタライゼーション 」は自社内だけではなく、外部や戦略もデジタル化していきます

例としては、紙媒体をデジタル化するのが「 デジタイゼーション 」販売形式を実物販売からオンライン上のストリーミングやダウンロードにするのが「 デジタライゼーション 」と考えてもらえれば分かりやすいでしょう。

DXにつながるといった重要な役割がデジタイゼーションとデジタライゼーションにはあります。

DXが注目されている理由

dx

DXは年々注目を集めていますが、単にビジネスが上手くいくようになるといった単純なものではありません。

DXを促進したほうがビジネスの価値が上がることは確かですが、DXを促進しないことで起こるデメリットもあるため、詳しく解説していきます。

経済産業省のDXレポート「 2025年の崖 」

日本でDXが注目されるきっかけになったのは、経済産業省が2018年に公表した「 DXレポート 」でしょう。

DXレポートのサブタイトルになっていた「 2025年の崖 」が大きく注目されることになりました。

各企業が使っているシステムの老朽化や複雑化、ブラックボックス化してしまうことにより起こるビジネスの遅れを示しているのが2025年の崖です。

システムが老朽化すれば維持するだけで多くの資金がかかることになります。

また、システムを構築した技術者が定年を迎えていくと、既存のシステムを触れる人材もいなくなるため、情報も取り出せないブラックボックス化が進んでしまいます。

既存システムの維持に多くの資金を使うことにより、新しいシステムの導入も難しくなり、様々な遅れが生じ、取り返しのつかない事態になるでしょう。

2025年には21年以上稼働しているシステムが60%以上になると見込まれています。

古いレガシーシステムの刷新などを含めたDXを促進しなければ、日本は2025年以降に年間12兆円の経済損失を生む可能性があるとされています

2025年の崖は「 新しいことに挑戦するべき 」ではなく「 新しいことに挑戦しなくてはならない 」という警鐘を鳴らしています。

関連記事:DXの5つの課題と具体的な解決策を解説

デジタルディスラプターの存在

デジタルディスラプターは業界における既存のビジネスモデルを破壊する企業のことです。

有名なのはGAFA( Google・Amazon・Facebook・Apple )でしょう。

GoogleとAppleは今までにない携帯電話の形式としてスマートフォンを開発し、Amazonは実店舗の小売店を超える勢いで成長しています。

このようにGAFAは今までの業界では当たり前だったビジネスモデルを破壊し、新しいビジネスモデルを形成しているデジタルディスラプターと言えるでしょう。

日本企業もDXを促進し、自らがデジタルディスラプターになるように動く必要があるでしょう

市場のルールを覆すゲームチェンジャーの登場

元々はスポーツなどの試合で、途中から出場した選手が流れを変えてしまうことに使われていた言葉がゲームチェンジャーです。

例としてAmazonがあります。昔は実店舗で買い物をすることが普通でしたが、オンラインで全てが完結するシステムを作ったAmazonは業界のゲームチェンジャーとも言えるでしょう。

他にも動画配信サービスが良い例です。

今まではレンタルショップに行って映画やアニメをレンタルしていましたが、最近では月額制や従量制で家から出ることもなく、レンタルすることが出来ます。

最近では今までの市場ルールを覆すゲームチェンジャーが多く登場し、今後も増えていくことが予想されるでしょう。

経済産業省のDX促進ガイドラインとは

出典:経済産業省

ここまで何度か触れてきましたが、日本のDXは経済産業省のDXレポートから促進が始まってきました。

経済産業省が公開している「 DX促進ガイドライン 」は経営者がDXを促進していくためのポイントを押さえたものになっているため、内容を要約して解説していきます。

DX促進のための経営のあり方と仕組み

DXは長期に渡って取り組んでいくため、戦略が重要になってきます。

戦略を立てずにIT化やデジタル化といった目先のものに囚われて進めてしまうと、DXを最後まで進めることが出来ないでしょう。

日本でもDXを促進している企業は多くなってきていますが、ITやデジタルを活用して業界に変革を起こした企業は少なく、ほとんどの企業ではDXを促進している途中で挫折してしまっています。

主な原因は戦略なくDXを促進しようとしたからでしょう。DXは大枠が決まっているため、ある程度の進め方があります。

全ての企業のDXが成功するわけではありませんが、指針にはなるでしょう。

しかし、DXに失敗している企業の多くは自社のやり方に固執してしまい、経営陣がトップダウンでDXを進めてしまっていることが多くなっています

DXは会社全体で意識を共有して進める必要があり、経営陣だけで進むものではありません

しっかりと最終目標を決めた戦略を練り、社内で意識を共有していくことでDXを成功に導くことが出来ます。

関連記事:DXを推進するために直面する課題とその対処法

DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築

DXはITやデジタル技術が必須です。一番重要なのは、「 社内共通システム 」でしょう。

既存のシステムは老朽化やブラックボックス化が進んでいるため、部署ごとではなく、社内共通のシステムを構築していくことがDXの要となります

IT人材の確保が必須になりますが、現在は人材不足でなかなか確保することは難しいでしょう。

そのような場合は自社内でIT人材を確保することにこだわるのではなく、パートナー企業とも上手く連携していくことが重要です。

他社のパートナー企業と連携が取れていれば、自社にIT人材が少なくてもDXを進めることが出来ます。

日本におけるDXの現状

日本では現在70%以上の企業がDXを促進しています。しかし、多くの企業ではDXを完了させるまでに至っていません。

GAFAを見れば分かりますが、DXは業界に変革を起こして初めて完了したと言えるでしょう。

日本でもDXを促進して業界に変革を起こした企業はありますが、まだ数えるほどというのが現状です。

日本でのDX促進率は比率だけ見れば少ないものではありませんが、成功例という考え方であれば、まだまだDXの促進率は低いと言えるでしょう。

日本におけるDXの課題

日本におけるDXの現状を解説してきましたが、何が原因となって促進率が低いのかを解説していきます。

ITリテラシーの低さ

これはよく耳にすることですが、日本人はITリテラシーが低いとい言われています。ITリテラシーはインターネットや情報に関する知識や操作する能力のことを表します。

ベンチャー企業や外資系の企業では積極的に社内ツールとしてチャットやテレワークを取り入れていますが、昔ながらの企業ではITリテラシーの低い人が多いです。

DXはデジタル技術を使用することが必須とも言えるため、ITリテラシーが低い状態では上手く進めることが出来ません。

DXを促進していくためにITリテラシーの低さは問題になってきます。

関連記事:まずはDX導入のメリットからデメリットまで理解しておこう!

固すぎる日本企業の文化

日本企業の特徴として、稟議書や押印といった紙や物が必要となる文化が根付いています。

新型コロナの影響でペーパーレスやテレワークを進める企業も増えましたが、元々DXを進めていた企業が多いでしょう。

日本では時間をかけて仕事をすることが多く、スピードやシステムの簡略化を促進するDXとは真逆の位置にいます。

世界で主流となってきているDXを促進していくためには、古い文化を崩す必要があるでしょう。

DXを牽引しているのはアメリカであり、日本でITリテラシーが高い人材を確保しているのも外資系や先進的な事業に取り組むベンチャー企業です。

今後、DXを促進していくためには、固すぎる日本企業の文化を変えていく必要があるのかもしれません。

既存のレガシーシステム

レガシーシステムは既存の古いシステムのことを指します。

レガシーシステムは、「 老朽化・複雑化・ブラックボックス化 」の3つを定義とすることが多く、企業が新しいシステムを導入する壁となっています。

レガシーシステムは当時の技術者が退職してすでに在籍していないことが多く、ブラックボックス化しているためDXに必要な新しいシステムへの移行が出来ません。

レガシーシステムを維持するために多くの資金を使うことになり、新しいシステムを導入することが出来なくなっている企業が日本では多くなっています。

人材の不足

DXはITやデジタル技術を駆使して進めるため、IT人材の確保が必要です。

しかし、日本企業の多くは人材を確保することが出来ず、DX自体が進まないというのが現状です

ITやデジタルに関わる部分を外部のパートナー企業に任せることも可能ですが、社内にも多少の知識があるIT人材がいなければ上手く連携を取ることが出来ないでしょう。

特にITとは関係のない業種であれば、元々IT系の人材はおらず、新たに雇用し育成する必要があります。

DXを促進していく上で外部のパートナー企業と連携して進めていくことは可能ですが、自社でもIT人材を雇用し育成していく必要があるでしょう。

関連記事:DXに必要な人材とは?求められるスキル

DX導入のステップ

実際にDX導入を5つのステップに分けて解説していきます。

①デジタル化

まず、DXの一番重要な部分が各システムのデジタル化です。

例えば、共有データのクラウド化などが良い例でしょう。今までは1つの部署でしか確認できなかったデータをクラウド化することにより、全ての部署で確認が出来るようになったりと業務の簡略化と幅を広げることが出来ます。

他にも、勤怠管理や経理管理もツールを導入することで、業務を簡略化できます。

様々な業務をデジタル化することで、DXが進み始めるでしょう。

また、データをクラウド化しておけば、社外にいてもデータの確認が出来るため、テレワークへの移行も簡単になります。

新型コロナの影響でテレワークを実施する必要があった企業も、デジタル化を進めていればスムーズに移行できたはずです。

②業務の効率化・拡張

業務が効率化すれば時間が有効活用できるようになり、新しいサービスや製品を生み出すことが可能になるでしょう。

また、日本企業の多くはこの段階にいるため、ここから先に進むことで日本国内では先進的なDXを進めていることになります。

③データの共有・応用

ステップ②までで集めたデータを部署内だけではなく、社内全体で共有していきます。

基本的には「 仮説を立てる→施策を実施する→データを検証する 」というサイクルを回すことで新たなサービスが生まれていきます。

データを社内全体で共有することで、今までには関係のなかった発想が出てくることもあるでしょう

自社の業界に固執するのではなく、製品やサービスを応用し新しい業界に参入するチャンスにもなるため、DXの効果を実感し始める段階にあります。

④専門部署の立ち上げ

この段階では、構築してきたデータや基盤を活用し、本格的に組織化を進めていきます。

まだDXを進める専門の部署がない場合にはデジタルを専門に進める部署を立ち上げることが多くなります

専門部署が出来ることにより、今まで以上のデータの分析、活用が可能になるため、DXが一気に加速する段階になるでしょう。

世界的に見ても、この段階に到達している企業は少なく、一部の先進的な企業のみとなっています。

⑤最適化・ビジネスモデルの変革

DXの最終段階になりますが、ビジネスモデルの変革というDX本来の目標に到達する段階になります。

ここまでの段階でも十分に社内に変革をもたらしていますが、最終目標はあくまで「 業界に変革を起こすこと 」です。

GAFAなど、DXを進めてきた企業は業界に変革を起こしているため、DXの最終段階に到達していると言えるでしょう。

今までにはなかったサービスや製品を生み出すため、デジタルディスラプターやゲームチェンジャーになる段階です

すべての企業はこの段階を目指すべきです。

関連記事:DXを導入するための5つのステップをより詳しく解説

DXを成功させるポイント

DXは何も分からずに進めるよりもポイントを押さえて進めることで、より成功に向かうことになります。

特に注意しておきたい成功のポイントを解説していきます。

現状の把握

まずは自社が現在どの段階にいるのかを把握することが大切です。

DXを導入したくても自社がどの段階にあって、何から始めれば良いかが分からないという場合も多いでしょう。

経済産業省が「 DX促進指標 」を用意しているため、まずはDXに本格的取り組む前に自社の段階を確認しておくことをおすすめします。

診断結果をIPA( 独立行政法人情報処理推進機構 )に提出するとデータを分析し、自社と全体データを比較した基準を知ることが出来るため、DXの進め方が分かりやすくなります。

参照:DX促進指標

社内の意識共有

DXは経営陣が単体で進めるものではなく、現場など、社内全体で進めていくものです。

例えば、経営陣が「 DXを進める 」と宣言し、トップダウンで始めたとしても現場はついていけないことが多いでしょう。

DXは社内全体のシステムを変更したり、新しいシステムを導入していくため、現場がDXに反対していては新しいシステムも活用されず無駄になってしまいます。

反対に現場がDXを進めたくても経営陣が反対しては進めることが出来ません。

DXは社内で意識を共有し、全体で進める必要があるため、反対意見がある場合には先に納得してもらう準備が必要になります。

DXを導入することで、業務が効率化し売り上げもあがるということを理解してもらえれば、経営陣も現場も問題なくDXに取り組めるようになるでしょう

アジャイル開発の考えを取り入れる

アジャイル開発はシステムの開発手法なので、IT企業でなければ関係のないように感じるかもしれません。

しかし、アジャイル開発の考え方はDXに通じるものがあるため、参考にしてみてください。

アジャイル開発は1つのシステムを大きな集合体と考え、いくつかに細分化して開発を進めます。

優先度の高い内容から開発を進めて、各機能を集合させて1つのシステムを作り上げるため、DXの進め方にも取り入れることが出来ます。

例えば、ステップ①のデジタル化でも、いきなり社内全てをデジタル化すれば混乱を招きますが、まずは勤怠システムといった簡単なものからデジタル化を進めることで、従業員もデジタル化に慣れるようになります。

徐々に身近なシステムをデジタル化していけば社内の違和感も少なくDXを進めることが出来るでしょう

DXもアジャイル開発と同じように、小さなシステムの集合体と考え、小さく徐々に進めれば失敗は少なくなります。

レガシーシステムからの脱却

古く既存のシステムをレガシーシステムと呼びますが、「 2025年の崖 」でも解説したように、レガシーシステムから脱却しなければ、日本は多額の経済損失を生むことになります。

DXは新しいデジタル技術やシステムに投資していく必要がありますが、多くの企業ではレガシーシステムの維持にIT経費を割いている状況でしょう。

レガシーシステムから早く脱却し新しいシステムでDXを促進していきましょう。

DXに成功している日本企業の事例

日本ではまだまだ浸透していないDXですが、促進している企業は多く、中にはDXの最終段階まで進めている企業も存在します。

海外にはDXに成功している企業が多くありますが、身近な日本の成功事例を紹介していきます。

小松製作所

出典:小松製作所

建設機械の開発販売を行っている小松製作所ですが、日本におけるDXの最前線を走っています。

特に注目すべきはIoTを使った「 KOMTRAX( コムトラックス ) 」でしょう。

もともとは重機の盗難防止に開発されたシステムですが、他にも稼働状況や故障情報なども知ることが出来るようになっています。

また、稼働状況のデータを収集していくことで、故障に至るまでにメンテナンスが出来るため、修理費の削減、稼働時間の向上につながっています。

建築機械の業界にはなかったサービスを提供し変革を起こしているため、DXの成功事例と言えるでしょう。

トラスコ中山

出典:トラスコ中山

トラスコ中山は工具などを取り扱う卸売企業です。注目すべきは「 MROストッカー 」というサービスでしょう。

MROストッカーは「 置き薬の工具版 」とされており、工場内や現場の近くにある販売店によく使う工具や部材を「 置き工具 」として配置しています。置き工具は置き薬のように使った分だけの支払いとなり、都度発注する必要もなくなります。

各企業の棚卸しの簡略化や発注の手間、発注の重複などもなくなることから、業界に変革を起こした画期的なサービスと言えるでしょう。

メルカリ

出典:メルカリ

自分が持っている中古品などは、今までインターネットオークションで販売するか、実店舗で売却するしかありませんでした。

メルカリではオークション形式ではなく、フリーマーケットのインターネット版という新しいシステムを広げたと言えるでしょう。

さらに、「 匿名配送 」という新しい取り組みを行うことで、これまでは実名での取引に不安を感じていたユーザー層も取り込んでいます。

2019年からは売り上げを電子マネーとして使用できる「 メルペイ 」を開始しており、商品販売のマッチングから新たな業種に参入した形になっています。

今までの業界に変革を起こし、新たな業種にも参入していることからメルカリはDXを上手く活用した事例と言えるでしょう。

関連記事:DXで成功した企業は他にも!ライザップやコカ・コーラなど

DXの促進に必要なテクノロジー

DXの促進には様々なテクノロジーが必要になってきます。業種によって必要になるテクノロジーは異なりますが、ここでは主なテクノロジーを紹介していきます。

どのテクノロジーもDXに深く関わるものなので、自社に合うテクノロジーを考えてみてください。

AI

AIは人工知能を意味しますが、従来のコンピューターのように決められた内容だけではなく、実施を繰り返すことで新たな知識を身につけていきます。

最近では一般家庭で使用している家電などにも搭載されることが増えてきており、代表的なのはスマートスピーカーでしょう。

人の問いかけに対して答えを探し、内容を収集することで、より詳細な答えが出せるように学習していきます。

スマートスピーカーからも分かる通り、音声認識もAIの能力の1つです。

例えば、企業であれば会議の際に議事録を取る必要はなくなり、AIが自動で音声から文章へ変換してくれるようになるでしょう。

他にも過去のデータを学習することで予測も出来るようになるため、様々な分野でAIが活躍しています。DXを促進していくためにも、企業によってAIは重要な役割になるでしょう。

関連記事:DXとAIの関係性から具体的な事例、推進ポイントまで解説

RPA

RPAは「 ロボティック・プロセス・オートメーション 」の略称でソフトウェアロボットのことを指します。

RPAがよく使われているのが事務作業ですが、単調な作業などはRPAに任せることが出来ます。

しかし、AIのような高度な学習技術はないため、何かアクシデントが起きた場合には人が対応する必要があります。

そのため、完璧ではありませんが、RPAは時間的コストを削減することが出来るため、DXの最初の一歩としておすすめできるテクノロジーになっています。

IoT

IoTは「 モノのインターネット 」です。インターネットはコンピューター同士をつなぐものでしたが、IoTはコンピューターとモノをつなぐことになります。

今まではインターネットにつながることがなかったモノと考えてもらえれば分かりやすいでしょう。

例えば、テレビやエアコン、スピーカーなどです。

今ではテレビもインターネットにつながり、動画配信サービスを見ることが出来ますし、エアコンも外にいながら電源を入れられるようになっていますが、これもインターネットがエアコンとつながっているからです。

IoTが活躍するのは家庭だけではなく、工場であれば機械の稼働を外部から指示することも出来ますし、人やモノの状態を知ることも出来ます。

IoTは他のテクノロジーと組み合わせることで、より真価を発揮するため、DXを促進していく上で重要になってくるでしょう。

関連記事:DXでIoTを活用するときのメリット

クラウド

クラウドは「 保存先 」といったイメージが強いですが、実際には保存だけではなく、ソフトを持たなくても使えるストリーミングのサービスもクラウドに分類されます。

ビジネス面で分かりやすいのはメールではないでしょうか。

今まではパソコンにメールソフトをインストールして使うのが一般的でしたが、Googleが提供しているGmailはソフトをインストールすることなく、クラウド上に保管されています。クラウド上にデータがあることで、端末さえあれば利用者はどこにいても同じメールを使うことが出来ます。

他にもGoogleのスプレッドシートは複数人でデータを共有することが出来るます。

社内のデータもクラウド上にあれば社員はどこにいてもアクセス出来るため、出先でも自宅のテレワークでも関係なく仕事をこなすことが出来ます。

クラウドはDXを促進する上でもとても重要なテクノロジーです。

5G

5Gは第5世代の通信システムのことです。

初代のiPhoneが登場した時は3Gでした。3Gではモバイル機器のインターネット接続が一般的になったため、スマートフォンの代表格であるiPhoneが登場しました

4Gになってからは、さらに通信は高速化し、2020年から第5世代となる5Gが登場、スマートフォンだけではなく様々な分野に影響を与え始めています。

5Gの特徴として、「 高速大容量の通信 」「 低遅延の通信 」「 機器の同時接続 」の3つがあります。

全て4Gと比べてみると、通信速度は約20倍、遅延は約10分の1、同時接続は約10倍とかなりの違いが出ることが分かるでしょう。

特に注目すべきは同時接続で、様々な機器と接続可能になり、遠隔操作といったIoTとの組み合わせも期待されます。

5Gはこれからさらにビジネス面で力を発揮するテクノロジーになるでしょう。

AR

ARは拡張現実という意味を持っています。VRと混同されることが多いですが、ARは拡張なので、現実世界と組み合わせてカメラの画像などにCGを写し込む技術です。

ARが一般的に浸透し始めたきっかけはゲームなので、今でも「 AR=ゲーム 」と考える人が多いでしょう。

しかし、最近では大型の家具を購入する前に部屋の画像にCGの家具を組み合わせてサイズの確認をしたり、小松製作所では、現場に重機を搬入できるかどうかの確認にAR技術を活用しています。

ARはDXを促進する上で重要なテクノロジーであるため、業種によってはARを活用することで、DXをさらに加速させることが出来るでしょう。

VR

実在のものを組み合わせるARとは違い、全てバーチャル世界として表現するのがVRです。

VRも始まりはゲームがメインだったためゲームのイメージが強いですが、医療現場では世界トップレベルの医師の手術をVRで勉強できるといった取り組みが始まっています。

他にも技術が必要な作業の練習に使われていたりと、VRはビジネス面でも大きく広がりつつあると言えるでしょう。

コロナ渦で外出自粛が続く中ではVRがよりビジネスモデルを変化させるかもしれません。

DXを促進するために参加すべきセミナー

DXを促進していくためには多少の知識が必要になりますが、セミナーに参加して知識を深めるという方法もあります。

人によっては文章だけでは分かりにくいこともありますし、実際に講師の説明を聞くほうが分かりやすい場合もあります。

新型コロナの影響もあり、オンライン開催を積極的に行っている企業もありますので、まずは気軽に参加してみてはいかがでしょうか。

IPA( 独立行政法人情報処理推進機構 )

出典:情報処理推進機構

経済産業省が公開しているDX促進指標の分析を行っているIPA( 独立行政法人情報処理推進機構 )が行っているセミナーです。

毎回、セミナーの内容は変わるため、定期的に公式サイトをチェックしておくことをおすすめします。

参加費は無料の場合が多いですが、事前に登録が必要なので早めに登録しておきましょう。

参照:公式サイト

富士通

出典:富士通

デジタル革新やワークスタイルなど、幅広い内容でセミナーが開催されています。基本的にはオンラインセミナーなので、住んでいる地域には関係なく参加できる内容が多くなっています。

セミナーはジャンルごとに分けられているため、興味のある内容から参加すると良いでしょう。

参照:公式サイト

Salesforce

出典:Salesforce

SalesforceはCRM( 顧客関係管理 )プラットフォームを提供するサービスを展開しています。

主には顧客管理や事業目標を見える化することで、売り上げの向上などにつなげています。

実際にSalesforceを利用した老舗の旅館などは売り上げを大幅に上げていることから、注目されているサービスと言えるでしょう。

基本的にはSalesforceの導入をメインとしたセミナーにはなりますが、デジタル活用術といった内容もあるため、DXの促進に役立つ内容が多くなっています。

参照:公式サイト

Senses

出典:Senses

Salesforceと同様に営業向けの管理ツールを提供している企業です。

ツール自体がAIやIoTを活用しているため、セミナー内容もDXの促進に役立つ内容になっています。

オンラインの無料開催が多いため、DXを始める企業から、進めている中で分からないことが出てきた企業など、様々な疑問を解決できるかもしれません。

参照:公式サイト

DXを学べる書籍

書籍であれば自分のペースで読み進めたり、読み返したり出来るため、DXを深く理解したい場合におすすめです。

ここでは8つの書籍を紹介していきます。

①イラスト&図解でわかるDX

出典:イラスト&図解でわかるDX

タイトルの通り、イラストや図解が多く盛り込まれているため、文字だけでは分かりにくい部分も理解しやすくなっています。

初心者に向けた内容が多くなっているため、「 これからDXに取り組む 」「 簡単にDXを理解したい 」という方に向いています。

200以上のDX案件に関わった著者なので、最初にDXを学ぶきっかけの書籍になるでしょう。

②企画立案からシステム開発まで本当に使えるDXプロジェクトの教科書

出典:企画立案からシステム開発まで本当に使えるDXプロジェクトの教科書

著者がDXの事業を実際に展開しているため、実用的なDXを学ぶことが出来ます。

反対に「 DXとは何か? 」といった初歩的な内容は詳しく書かれていないため、あくまでDXを促進する経営陣やプロジェクトマネージャーにおすすめ出来る内容になっています。

③3ステップで実現するデジタルトランスフォーメーションの実際

出典:3ステップで実現するデジタルトランスフォーメーションの実際

日本ではいち早くDXの必要性を説いてきたベイカレント・コンサルティング社が日本企業やアメリカ企業の事例を分析し、日本企業のDX戦略の問題点を示しています。

本書ではDXの基本について詳しく解説しているわけではないため、DXをあまり理解していない場合には別の書籍も合わせて進めていくことをおすすめします。

④DX実行戦略 デジタルで稼ぐ組織をつくる

出典:DX実行戦略 デジタルで稼ぐ組織をつくる

DX実現の方法や、失敗する理由が詳しく書かれています。

また、企業が取るべき具体的なアクションも示されているため、すでにDXに取り組んでいて上手くいっていない企業や、担当者には重要な内容になっています。

⑤Beyond2025 進化するデジタルトランスフォーメーション

出典:Beyond2025 進化するデジタルトランスフォーメーション

タイトルにもなっている「 2025 」は経済産業省が提唱している2025年の崖を示しています。

こうした問題を回避するために取り組むべきDXの課題や解決策を学ぶことが出来ます。

紹介される事例の中にはQRコードがついているページがあり、読み込むことで動画での解説も見られるため、文章と音声の両方でDXへの理解を深めることが出来るでしょう。

⑥システム思考がモノ・コトづくりを変える デジタルトランスフォーメーションを成功に導く思考法

出典:システム思考がモノ・コトづくりを変える デジタルトランスフォーメーションを成功に導く思考法

DX促進のために有効な思考法を分かりやすく解説した内容になっています。

DXは実行だけではなく、社内の思考が共通していることも重要になってきます。

顧客の要望や自社の技術を見える化し、DXを成功に導くために必要なシステム思考を備えることが出来るでしょう。

⑦データレバレッジ経営 デジタルトランスフォーメーションの現実解

出典:データレバレッジ経営 デジタルトランスフォーメーションの現実解

意思や課題といった経営に関する問題の解決を、データの収集、分析により加速させる方法を「 データレバレッジ 」という手法で紹介しています。

主に経営者向けの内容になっていますが、DXを促進していくための具体的なアクションが示されていますので、DXの活用に悩んでいる経営者や担当者におすすめ出来る内容になっています。

⑧サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略

出典:サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略

主にサブスクリプションサービスに関するDXの活用方法になるため、サブスクリプションに取り組んでいる、または関わりがある企業へ向けた内容になっています。

初歩的なDXに関する説明は少ないため、DXを一から学びたい方には向きませんが、自社のサービスがサブスクリプションと関われそうなのであれば、おすすめ出来る内容になっています。

まとめ

DXの促進が日本企業でも本格的に取り組まれていますが、DXの意味を理解して進めている企業は少ないです。

しかし、「 2025年の崖 」までは時間もなく、DXは確実に促進していく必要があります。

DXは経営陣や現場といった一部の意識だけでは進めることが難しく、社内一丸となって進めていく必要があるでしょう。日本でDXを完全に活用している企業は少ないですが、成功事例も出始めています。

まずは、DXに成功している企業を参考にして、自社でもDXに取り組んでみてはいかがでしょうか。