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DXとは?13の事例から学ぶ成功方法|各業種で成功するためのポイント

社会構造やトレンドが急速に移り変わる現代では、企業の対応力が問われます。そして、IT化が進む中で重要視されているのがDX( デジタルトランスフォーメーション )です。

本記事ではDX( デジタルトランスフォーメーション )の意味や各分野での成功事例集をご紹介。最後にはDXを成功させるためのポイントも解説するため、ぜひ導入の参考にしてみてください。

DX(デジタルトランスフォーメーション )とは?

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IT化と似た意味で使われる「 DX( デジタルトランスフォーメーション ) 」とは、日本語訳すると「 デジタル化 」という意味。

デジタルツールなどを導入して、今までの作業を効率化・高度化することを指し示します。

2004年に生まれたDXという概念

そもそもDX( デジタルトランスフォーメーション )とは、2004年にスウェーデンのウメオ大学教授であるエリック・ストルターマン氏が提唱した概念です。

ただデジタル化するだけでなく、デジタル技術によって生まれる良い影響や変化をひっくるめて「 DX( デジタルトランスフォーメーション ) 」と呼びます。

近年、様々な分野でこの言葉が使われるようになりましたが、目的やシチュエーションによってデジタル化の手段は異なります。

DX( デジタルトランスフォーメーション )は広い意味を持った言葉といえるのです。

関連記事:DXとは|意味や事例、現状と課題、導入方法

DX( デジタルトランスフォーメーション )の活用事例集

PC DX

ここからは分野別にDX( デジタルトランスフォーメーション )の活用事例集をご紹介していきます。

中小企業のDX事例

日進工業株式会社は従業員約350名の自動車向け小型・高精度樹脂部品メーカー。

ソフトウェア開発企業の在籍経験がある社長主導のもと、製造ラインの稼働状態を全てリアルタイムで可視化できる「 MCM System 」を開発しました。

これにより生産性が低下している製造ラインを見つけ出すことに成功。分析・改善を繰り返した結果、稼働率が50%から90%に向上したのです。

稼働率の向上により受注可能数が増加して、売り上げは約2.4倍にまでアップしたとのこと。稼働率の可視化により最大限に効率化を図れた事例といえます。

参照:中小規模製造業の製造分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)のための事例調査報告書

IT業界のDX事例

JapanTaxi株式会社はタクシー会社から発展したITベンチャー企業です。1,000万ダウンロードを突破したタクシー配車アプリ「 JapanTaxi 」を提供しています。

JapanTaxi株式会社のDXの目標は、人手不足が深刻になっているタクシー業界における従業員の負担軽減。導入したDX事例は以下のとおりです。

  • 手配・予約・料金の支払いまで全てアプリで完結
  • タクシー内に多言語対応のタブレットを設置
  • 車内タブレットでクレジットカードや電子決済サービスが可能
  • 車内タブレットへの広告表示で収入を得る
  • 車内タブレットで音声通訳による観光先の提案

アプリ内で配車できるため、電話対応スタッフの作業量が軽減。乗客からしても指先一つで簡単にタクシーが呼べて、利便性が増しました。

また、日本交通によるとタクシー利用者の約6割が現金以外の決済とのことです。

クレジットカード・電子決済サービスは急いでいる乗客が手早く決済できるだけでなく、ドライバーが現金管理をする負担も軽減します。

さらに、設置したタブレットを通訳・広告表示などにも活用することで、外国人観光客へのサービスを向上させたり、広告収入を得るなどの効率化・収入増加を達成しています

参照:INTERNET Watch

製造業のDX事例

株式会社今野製作所は油圧ジャッキ・油圧爪付ジャッキを製造する企業。

オーダーメイド型の受注スタイルへと移行した結果、対応が複雑になり負担・納期遅れが増え、これらの改善に向けてDX導入に乗り出しました。

社内にDX事例に詳しい人がいなかったため、外部の専門家へと相談。また、似た形態の中小企業とチームを作り、積極的に意見交換を行ったとのことです。

その結果、製品設計・生産設計への注力が不足していたことに気付き、この過程をDX導入により軽減できないか図りました。

最も大きな改善部分としては、部署間で同じデータを手動で転写していたものを、自動でデータ流用できる仕組みにしました。

これにより作業が効率化されただけでなく、工程設計機能や製品設計機能の不足点が明確になったのです。

また、担当者の割り振りがハッキリすることにより、どの部署に負担が集中していたのかが分かりました。現在は新たに組織構造の変更やDXによる効率化・高度化を検討中です。

参照:製造業DX取組事例集

建築業のDX事例

日本設計は国内有数の設計事務所。BIMの導入にいち早く注目した企業です。計画の初期から3Dを使用し、検証により最適化したうえでBIMで情報を統合しています。

また、クラウド型設計管理ツールのBIM360を導入した結果、離れた場所にいる作業者と同時にデータ共有が可能になり、スムーズなやり取りを実現しました。

さらに、IoTセンサーやロボットを導入したDX事例も実験中。人流データ解析・消費電力削減・設備管理・清掃・警備を、デジタル技術によって最適化する目標を立てています。

一部の過程においては、いまだ手作業人による情報確認などの業務が必要であり、最大限にDX導入を進められないか、組織構成の変化を含めて検討中です。

参照:https://redshift.autodesk.co.jp/bim-productivity-improvement/

金融のDX事例

SMBC信託銀行では「 GLOBAL PASS 」という多通貨Visaデビット一体型キャッシュカードを導入・推進し、口座開設者数を2倍に増加させたDX事例があります。

「 GLOBAL PASS 」を使用すると、日本円を始めとする18通貨の預金から、海外でのATMによる現金引き出しや決済が可能に。

預金を外貨に換算する必要がなくなるのです。そして、引き出しや決済に手数料はかかりません。

「 GLOBAL PASS 」のターゲットのメインは外貨を利用する人。そのため、まずは既存の銀行利用者へメール・バナー表示を使って訴求をしました。

続いて新規顧客に対しては、SNSでのターゲットを絞ったリスティング広告や、YouTubeでの動画配信、特設オウンドメディアにより集客しました。

新しいデジタル技術である「 GLOBAL PASS 」の導入に加え、複数の広告代理店に相談することで的確なターゲティング広告を打ち出したDXの成功事例といえます。

参照:https://www.sbbit.jp/article/fj/38244

営業のDX事例

電動自動車の販売で知られるテスラは、店舗販売からオンライン販売へと前面シフトして、数多くの店舗を閉鎖しました。これにより、販売サイト上で注文・支払いが完了できるように。

また、返品対象を「 購入から7日以内 」「 走行距離が1,600キロメートル以下 」に拡大することで、試乗できる仕組みを作り上げました。

このDX事例の目的は、コスト削減による自動車販売価格の値下げにあります。人通りの多い利益率の高い一部店舗を除き閉鎖することで、セールスに必要な人件費や店舗維持費を削減

さらに、オンラインを用いてどの地域でもテスラの自動車が購入可能になりました。このDX事例導入後、しばらくは「 オンラインで車を購入する 」という概念が浸透していないように見られました。

しかし、中国・米国を中心に少しずつ同様の販売サイトが増え、業界全体で需要が伸びてきたとのこと。

新型コロナウイルスの影響があり、対面しないで済むオンラインでの自動車販売は注目を集めています。

参照:日本経済新聞

参照:https://www.tesla.com/jp/blog/35000-tesla-model-3-available-now

商社のDX事例

繊維・機械・金属・エネルギー・化学品・食料・住生活・情報・金融など、伊藤忠商事株式会社はあらゆる分野で展開する大手総合商社。そして、各事業においてDXを推進しています。

一例としてリテール店舗内解析ツールSaaSを導入した、インストア・アナリティクス事業が挙げられます。

インストア・アナリティクス事業とは、店舗内の顧客の流れをカメラで撮影し、顧客行動を解析するマーケティング方法。商品の陳列位置の調整や、従業員のシフト・配置などの判断に役立てられます。

実際に購入した以外の人の動向まで把握できることから、見込み客へのアプローチが可能に。分析次第で様々なアプローチ戦略ができるのです

伊藤忠商事株式会社はその他数万店舗へとリテール店舗内解析ツールSaaSの導入を進めています。

また、AIによる推奨発注値の算出から在庫を削減する取り組みにも成功しています。伊藤忠商事株式会社はDXの成功事例を数多く生み出している企業なのです。

参照:伊藤忠商事

飲食業のDX事例

新型コロナウイルスの影響で店舗への客足が遠のく中、飲食業界では一段とデジタル化が加速しました。

デリバリーサービスの強化だけでなく、原価管理や人員リソースの最適化などのコスト削減も欠かせません。

ここで紹介するのは、三重県伊勢市にある老舗飲食店「 ゑびや大食堂 」のDXの成功事例。長年の経験や勘に頼り続けた結果、経営状況が厳しくなりDX導入をしました。

誰かのノウハウに頼っている飲食店は、たとえ経営が上手くいっていても、人材が欠けた途端に破綻することが少なくありません。

最初はExcelに来店データを記録することから始め、最終的には売上・気象・曜日・周辺の宿泊人数などから来客者数を予想するAIを独自開発するに至りました。

これにより、原料や人員の最適化ができ、食品ロスを約75%削減、利益率10倍、売上げ4.8倍を達成したのです。

参照:口コミラボ

メーカーのDX事例

デジタルイノベーション室を設けて社内外から人材を集め、積極的にDXに取り組んでいるデンソー。世界中の主要自動車メーカーに製品を提供するサプライヤーです。

デンソーが取り組んでいるDX事例は多岐に渡ります。社内システムをIT化して残業時間を減らしたり、IT技術を使ったモビリティサービスを展開。

さらには自動車事故を減らすための取り組みも行っているとのことです。

デンソーが様々なDX事例で成功しているのは、経営層の理解があるから。デジタルイノベーション室には約100人もの人が集められ、多方面においてDX推進が進められています。

これほどまでに大規模な組織編制をしている企業は珍しく、複数の分野で成功を収めていることも頷けます。

参照:ITmedia エグゼクティブ

商業施設のDX事例

PARCOの運営で知られる株式会社パルコは「 24時間PARCO 」というスローガンのもと、Web上でのプロモーションに力を入れています。

店頭のみならずWeb上でも接客を行い、顧客の心を掴み続けることが目的。全国のPARCOのWebページをリニューアルし、約3,000もの各店舗にブログページを用意しました

販売経験のあるスタッフがブログで情報を発信することで、SNS感覚でのコミュニケーションが可能に。

また、オンライン上で商品を注文・取り置きできる「 カエルパルコ 」や、クレジット・ポイントカード機能を兼ね備えた「 POCKET PARCO 」のリリースにより、顧客情報の解析やコンバージョンアップへと繋がったのです。

Web・アプリ内であれば、ただ店頭に陳列している時よりも多くの情報を付加できます。また、購入履歴を参考に他の商品をレコメンドするなどのアプローチもしているとのこと。

他にも店内での歩数が500歩に達すると付与されるポイントや、購入後の評価アンケートといった機能も、購買意欲や品質改善に繋がる重要な機能といえます。

参照:https://ascii.jp/elem/000/004/001/4001419/2/

不動産業のDX事例

野村不動産アーバンネット株式会社が販売する新築住宅では、「 おうちでモデルルーム 」というサービスを提供しています。

「 おうちでモデルルーム 」では担当者とリアルタイムでビデオ通話でき、直接出向かずとも以下の動画を確認可能です。

  • モデルルーム動画
  • 建物模型動画
  • 最寄り駅からマンション建設地までの周辺環境動画

手持ちのスマホ・タブレット・パソコンでURLへアクセスするだけでサービスを利用でき、アプリなどのダウンロードは不要。

新型コロナウイルスの影響で外出を自粛している人や仕事でなかなか来場できない人に、「 おうちでモデルルーム 」は好評とのことです。

参照:https://www.biru-mall.com/attention/2020052501_11-2/

経済産業省のDX事例

経済産業省では、国民・事業者の利便性向上を目標としたDX事例があります。法人番号・個人番号をもとに、補助金申請・社会保険手続・資格・調達などが可能に。

わざわざ役所の窓口で紙書類を申請する必要がなくなり、オンライン上で手間をかけず手続きできるようになりました。

また、新型コロナウイルスの影響で様々な支援措置が打ち出され、自分に合った支援施策を見つけて迅速に申請できるシステムは、さらに重要度が増しています

官民両方の生産性向上を目指して、今後も申請件数の多い手続きから順々にオンライン申請へと移行しているとのことです。

参照:経済産業省

海外のDX事例

日本では「 Uber Eats 」で知られるUber。米国では自動車配車サービスが主要事業として有名です。ウーバー・テクノロジーズ社が運営しており、スマホのUberアプリを使って配車します。

Uberアプリで行きたい場所を指定すると、料金・到着時間が表示されます。そして、車が到着した際にはアプリを通して目的地が伝わっているため、わざわざ口頭で説明する必要がありません

また、料金の支払いはアプリを通して完了します。

Uberのタクシー会社との大きな違いは、運転する側が一般の個人であること。また、ドライバーへの評価ができるため、不適切なドライバーは排除される仕組みとなっています。

とはいえ、日本では法律規制により配車サービスのUberが参入できず、世界中で新型コロナウイルスによる打撃を受けています。

そんな中でも、自粛により自宅で外食を楽しむ需要が増え、個人が配送を担うデリバリーサービス「 Uber Eats 」は着実に知名度を上げたといえるでしょう。

新型コロナウイルスの状況に対応するべく、各国で「 Uber Eats 」などのデリバリー事業の拡大を進めているとのことです。

参照:https://forbesjapan.com/articles/detail/38006

関連記事:DXの成功事例を7つ紹介|ポイント・注意点・課題点

DX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させる手順

ここまで数多くのDX事例をご紹介しましたが、導入に成功している企業の多くは、ただデジタル化するだけでなくいくつもの工夫を伴っています。

最後にDX事例を成功させるための手順を見ていきましょう。

経営層の理解を深める

経営トップにDXの理解があると、的確な意思決定や指示ができるようになります。

反対に経営層が決断できず、新しいデジタル技術の導入が遅れ、古いシステムを使い続けてしまう事例が後を絶ちません。

例えば前述した日進工業株式会社の事例は、現社長がソフトウェア開発会社の経験があるため、スムーズにDX導入できました。

デンソーは経営層がDXの重要性に気付き、積極的に組織構成を変えています。

そのため、経営層も一丸となってDXについて学び、理解を深めることが重要です。社内に知見者がいない場合は、専門のコンサルタント会社などから説明を受けることも検討しましょう。

戦略・ビジョンの作成

具体的に「 何をどれくらい改善したいのか 」「 どの事業をどのように伸ばしたいのか 」など、戦略・ビジョンを明確化することで、的確にDX導入が実現できます

もちろん、後述する分析過程で戦略・ビジョンは流動的に変わる可能性もあります。ですがまずは、目的をはっきりさせることで、デジタル化する業務の目星をつけましょう。

社内体制を整える

戦略・ビジョンを作成したら、次は社内への説明へと進みます。できればDX導入のための専門チームを作るなど、注力するための社内体制を整える方が、安定してDXを推進できます。

各部署の業務を理解している担当者を招くことで、実現可能なDX推進の方法を検討しましょう。

現状を分析する

まずは社内のデータを集めて、現状を分析するところからスタートしましょう。最初から急に「 売上を〇〇%アップ 」などの大きな目標を立てると、DX事例が失敗に陥りやすいです。

今まで業務で生じる問題点や手間を見つけ出したり、古い形式の業務を最新技術に置き換えて効率化できないかといった、小さなDX事例から試すことが成功のポイント

1度で大きく成功させる必要はなく、どのDX成功事例も小さな試行・改良を繰り返した結果、成果を上げています。

また、企業によって求められるDX事例は異なります。まずは現状の作業効率や問題点を、客観的なデータ・事例を用いて見つけ出しましょう。

デジタル化による業務の効率化・高度化・拡大

デジタル化する際には、「 ①効率化②高度化③拡大 」の優先度で考えましょう。既存のサービスをDXにより効率化して、余分なコストを削減したり利益率を上げることがファーストステップです。

さらに、結果を踏まえて最適化することで、高度な仕組み作りを図りましょう。

例えばUberの事例では、アプリやクラウドサービスを用いて配車・空車の状況を把握する段階がデジタル化。

このデジタル化で得られたデータを踏まえ、適切な運用へ近づけることで、ようやく効率化・高度化が図れます。

効率化・高度化で理想的なサイクルを作り出した後は、少しずつ事業拡大したり、他の分野でのDX事例を一から始める段階に移ります。

Uberの事例では世界各国に事業拡大し、デリバリー事業にもノウハウを応用しています。

結果を分析してさらに改良

どんなDX事例であっても、1回で上手くいくとは限りません。新しい仕組みを導入すれば、問題点が生じたり、想定と違う結果を見せることもあります。

時代の流れにより、事業の方向性を変えざるを得ないことも考えられるでしょう。そのため、デジタル化の前の現状分析だけでなく、結果も細かく分析することが重要

改良を重ねることで、少しずつDX事例が自社の仕組みに馴染んでいきます。DX事例に対応するための部署を長期的に作り、時代の流れに合わせてシステムを改良し続けることが重要

導入直後のデータだけでなく、長い目で見た変化も分析を重ねましょう。

関連記事:DX推進で取り組むべき課題とポイント【ガイドライン有】

自社にマッチしたDX( デジタルトランスフォーメーション )を推進しよう

シチュエーションや業務内容によって適切なDX事例は異なります。まずは自社の現状を分析したり、同じ業界のDX事例を収集して自社に応用できないか検討してみましょう。

今回ご紹介した事例の中には、同業他社とのコミュニケーションによりDXを成功させた事例もあります。

また、社内に知見のある人がいない場合は、専門家へ相談することも効果的です。複数のコンサル会社へと見積もりを出し、様々な視点からの意見を取り入れましょう。

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